俺らの過去 | 猛獣珍の恋愛小説

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第三十二章 俺らの過去


長谷川は、絵里ちゃんから真相を聞かされて


俺に言うべきか悩んでた。


長谷川が俺に教えなかったのには理由が


あった。


高校入学当時に戻る。


俺は、まこちゃんと同じ中学から星光工業


に入学する。長谷川、やま、かわちんとは


高校から知り合うこととなる。


長谷川とは、サッカー部で知り合い同じ


クラスと言うことで、早くから仲良くなった。


そんな時、かわちんはやまと仲良くなってた。


入学して間もないころだった。


やまとかわちんが、学校の帰り道に隣の高校


の生徒に絡まれたのだ。やまは、ハッキリ


いって、ドが付くほどのドヤンキーやった。


かわちんは、可愛らしい大人しそうな感じ


でこの2人がツルんでるのも俺らは不思議に


思ってた。まあ、子分的なもんで一緒に


居るんだと思ってた。そんな入学間もないころ


事件が起こった。やまとかわちんはいつもの


様に下校していた。前から来る二人組の奴らと


目が合ったとか言う些細なことが、引き金


となったようで。


ヤバかったのは、ヤマが本当にヤバい奴やった


ってこと。相手は、あっという間に地べたに


ねっ転がることに。相手も2人連れだった


がやまの相手ではなかった。かわちんは、


その後のあっけらかんとしたやまの態度に、


驚いたらしい。何事もなかったかの様に


会話をし、コンビニでアイスを食うやまを


みた時、かわちんはコイツはヤバい奴やと


知ったそうだ。そんなことが、入学して3ヶ月


もしないうちに何回も起こっていたと言うから


驚いた。かわちんは若干慣れてきてたらしい。


そんなやまでも友達には、


怖さ強さをひけびらかすことは無かったから


案外、俺らとも打ち解けるのに時間は


掛からなかった。


そんなある日、やまとかわちんが


いつものようにコンビニでアイス食ってると


以前ボコった相手が大勢で近づいて来た


かわちんは、ヤバいと感じたが、


やまは、もう臨戦態勢にはいってた。


相手「おう、お前この前のやつやなぁ!」


やま「おいおい、人数多いから強気やん!」


かわちん「やま、ヤバいで人数多いって」


やまはかわちんを腕で押さえ込んで前へ出た。


相手「はぁ!関係あるかいや!ちょっと裏

   こいや!タイマンでやったるから!」


やま「しんどい事言うなや。何で行かな

   あかんの?あっち行けや!」


そんな言い合いが、暫く続いた。そのうち


相手の後ろの方にいた奴が、


急にカワちんの胸ぐらを掴み、顔を殴った!


「何ヘラヘラしとんねん!お前、ムカつくわ」


かわちんは、避ける事もできず、転がった。


ここで、ヤマが切れた! かわちんも


やまの喧嘩は何回か見て少しは慣れてたが


この時のやまは、恐ろしい顔だったらしい。


やま「お前何してくれてんの。関係ないやつ

   に手出すなや!」


やま「お前ら、全員いてもうたるぞ!コラァ!

   裏行けや!」


かわちんは、やまを止めたがもう時すでに


遅しだった。相手は、八人ほどいた。


やまがブチ切れ、タイマンだとほざいたやつ


をボコボコに。かわちんを殴った奴に行きかけ


た時に、周りの奴がやまを取り囲みやまは


羽交い締めにあいボコられた。かわちんも


助けに入るがそこは多勢に無勢でボコボコに


された。かわちんが気付いたときは、2人


ボロボロになって相手はもう居なかった。


かわちん「やま?いけるか?動ける?」


やま「おう、いけんで。かわちん、ごめんな

   俺、こんなんやからすぐ友達巻き込んで

   もうて、いつもこうなるねん」


かわちん「ええよ。俺弱いから助けてあげ

     れんかったし。あかんなぁー」


やま「そんな事ないで。かわちん逃げんかった

   やん。中学の奴なんて皆、先に逃げて

   もうてたで」


かわちん「そうなん、そう言うことは先に

     言うといて(笑)俺も逃げたのに。

     まあ、そんなんできんけど」



やま「逃げても良かったんで。痛い目あうの

   俺だけでよかったやん。明日なったら

   普通に話かけてくれても、俺、

   気にしてないんやから」


かわちん「・・・・・・・。そんなん

     無理やわ。 もう、話かけれん

     ようになってるわ」


やま「なんでなん? 今までのツレやったら、

   普通に話かけてきよったで。俺も普通に

   してたし」


かわちん「そんなんツレちゃうやろ。今でも

     仲ええか?そんな奴」


やま「まあ、今は付き合いないけど」


かわちん「そうやろ。そんな奴とまだツルん

     でるようなやまだったら

     俺嫌いやで。さいならするわ」


やま「さいならって。かわちん・・・・・

          ええ奴やなー」


かわちん「今頃ですか?はよー気付いて」


やま「まあ、かわちんに手出したやつらは

   しっかりまた、やっちゃるけん」


かわちん「そんなんええて!それより顔腫れて

     ない?痛ぁなってきたんやけど」


やま「ちょっと、腫れてきとるなー

   そんな顔やったら、べーやんやに

   笑われんで」


かわちん「明日、休むわ」


2人で、何故か爆笑したらしい。それから


2日2人は学校を休んだ。ここで話は終わらない


のだ。この話をかわちんから聞いたとき


俺と長谷川は、ブチ切れてしまったのだ。


いつもニコニコしてるかわちんが、泣いていた


からだ。かわちんは、やまが今まで友達に


恵まれなかったことと、自分が弱かったから


助けにならなかったこと、かわちんの親に


やまは、自分のせいだと頭を下げあやまって


くれた事がうれしかったらしい。


その涙をみたら、何故か俺らは熱くなって


しまったのだ。やまは、俺らには笑って話


してくれてた。カッコ良かった。


やま「べーやんらが、切れてどうするん?

   俺がまた、見つけてやったるし。

   学校にバレたらえらい事になんで」


長谷川「ツレヤられて、タコ殴りされて

    ニコニコは出来んやろ」


いつも冷静な長谷川にしては、珍しく


怒ってた。


俺 「・・・・・・・・。今日行くで!」


俺らは、昼に早退し奴らの学校に乗りこんだ。


校門で待ち伏せし、ひとりを捕まえその時居た


奴ら全員呼び出させた。やまはとかわちんは


俺らを巻き込んでしまったことに、


後悔してるようだった。


やま「俺が、やるから皆んな手え出さんで。

   八人おるんで、4人でやったらまた、

   ヤられるだけやから」


長谷川「関係あるか!ツレヤられて黙っとけ

    るか!」


俺は長谷川のこんな一面があるのに驚いた。



かわちん「やまの言う通りやで、やめとこ」


相手「また、人連れてお前ら、まだ懲りてない?

   やったろか?こらぁ!」


誰かが言った。


ボコッ!ボコッ!


俺は、完全に切れてた。相手2人がうずく


まってた。どうやったか、自分でも覚えてない


気づいたときには、五人ひっくり


かえってた。寝てる相手の腹を蹴りまくってた。


そんな俺をやまがとめてくれた。


やま「べーやん、もうええって!」


長谷川、かわちんも俺を止めてた。


他の三人は逃げ出してもう、姿は無かった。


長谷川「はよ、ここさろうや。また、誰か

    連れてこられんで」


やま「そやな。いこか。

   お前ら、覚えとけや!次、まだ

   因縁つけてきよったら、また、

   いてまうぞ」


俺らは、その場を去った。


俺の家に帰り、部屋で一息つくことになった。


やま「べーやん、ヤバい奴やったんやな。

   めっちゃ強いやん」


かわちん「マジでな。やまより手早いし」


長谷川「ヤバかったな。アイツら、かなり

    ビビってたで」


俺 「何か、スイッチ入ったらあかんねん。

   友達とかチームメイトとかやられたら

   スイッチ入ってまうねんなぁ。」


やま「すまんかったな。何か迷惑かけて

   もうたなぁ」


俺「ええよ。勝ってに俺らがいってもうたん

  やから、なぁ?長谷川」


長谷川「イヤイヤ、俺何もして無いですけど

    先、いかれてもうて出番なしで

    カッコ悪いんですけど」


やま「お前ら、アホやなぁ。最高やん」


四人大爆笑だった。


まこちゃんは、この出来事を後で知り


俺なら、八人全員いったったのにとホラを


ふいていた。




長谷川は、こんなことがあったから


俺が静奈にあったことを知ったら


スイッチが入ることを恐れ


俺には、取り敢えず隠しておこうとしたの


だった。