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ほんとなかよし

本紹介ブログ(と格好つけてる読書感想ブログw)
ノンジャンル手当たり次第読んだ本を紹介♪

ネタバレ自重・的外れで独断偏見に満ちているけど
読んだ誰かが読書をちょっとだけ好きになるブログ

だったらいいな・・・

誰もが知っているグリム童話やロシア民話、ピノッキオなどが、ロダーリ流の現代的なセンスとユーモアやアイロニーでよみがえる。表題作ほか「魔法の小太鼓」「哀れな幽霊たち」「星へ向かうタクシー」「旅する猫」など。


内容 「BOOK」データベースより



「それぞれの物語には3つの結末があります。巻末に、著者自身はどれが好きなのか書いて置きました。みなさんも結末を読み、考えてみてください。自分でつくることもできるでしょう。」(ジャンニ ロダーリ)帯封に惹かれた一冊。おとぎ話や童話がモチーフの短編集ですが、全ての物語に3つの結末が用意されています。面白い結末、悲しい結末、不快な結末、考えさせられる結末、簡潔な結末、納得がいかない結末、投げやりな結末・・・多種多様な結末を迎える物語。気が付けば読者は自分好みの結末を選択し、そして自ら結末を書くとすればと想い描くことでしょう。結末は物語の最重要部分でもあるので、その部分に多様性を持たせた事はとても面白い作品である。童話と言うと、日本の昔話のような曖昧な結末を嫌う傾向があり決着をつける志向が強いと言われます、それゆえ自ずと結末は一つといった形式になりがちなのですが、その結末の数を増やす事で想像力を沸き立たせファンタジーの世界に誘ってくれるのが本書の魅力だと思います。ファンタジー調作品ではありますがファンタジー一本調でない点も素晴らしいです、大人が読んでも納得の行く現実思考の結末が存在していたり、あまりに空想的な物語が存在したりと幅広い層が読める作品です。そして何よりも本書で評価したいのは、児童文学作家として実際の児童と接する事で選択された結末を大切に作品に反映しているロダーリの姿勢でしょう・・・あとがきに記された児童の想像力発揮を念頭に置いたロダーリの考え方や価値観は、教育者のみならず全ての児童に接する人々に読んで貰いたい程に優れたものです。「ロダーリ流児童教育論」なんて展開すれば一つの形が生まれるんじゃないかなぁ~なんて思ってみたり。想像の世界に浸れる一冊。



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村上春樹が人生で巡り会った、最も大切な小説を、あなたに。新しい翻訳で二十一世紀に鮮やかに甦る、哀しくも美しい、ひと夏の物語―。読書家として夢中になり、小説家として目標のひとつとしてきたフィッツジェラルドの傑作に、翻訳家として挑む、構想二十年、満を持しての訳業。


内容 「BOOK」データベースより


「グレート・ギャツビー」は光文社古典新訳文庫を読んでいるので2回目になる。そもそも村上春樹さんが挙げる3大小説「グレート・ギャツビー」「ロング・グッドバイ(レイモンド・チャンドラー)」「カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)」、その中でも一つに絞るならば「グレート・ギャツビー」と言っているほどに氏が愛する小説だと知った事から興味を持った作品で、氏の翻訳版を読んでいなかったのが不思議だったのだが、この度経験する事になりました。村上春樹さんの翻訳に対する考えや体験を知りたい方は氏の「翻訳夜話」「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」がオススメです♪僕はそれを読んでから村上春樹翻訳本を読むようになりました。参考までに「グレート・ギャツビー」は非常に表現がしにくしですね。実際に2回読んで、全く受けた印象が違いました。先に読んだ古典新訳では「奇形の愛」、今回の印象は「理想と現実の狭間」でしょうか・・・それも印象を言い得ているのか不確かです。村上春樹さんがあとがきで言うように、今回の翻訳では作家としての趣向を極力殺してするいつもの翻訳家業とは異なり村上春樹という作家の趣向を全面に押し出して翻訳したとの事です。ですから何かしらのメッセージは強く感じる作品である事は間違いありません、ただ受け手がどう解釈するかで大きく異なる印象を与える作品ではないかなぁと思います。皆様の感性が発揮される作品ではないでしょうか?30歳という節目を迎える男性の視点で綴られる物語、20代後半のフィッツジェラルドが創作した作品という事から同世代の男性は何かしらの感化が発生するのかもしれませんね。純愛や真実の愛なんて綺麗事が並ぶ現代にジェイ・ギャツビーの愛はどう映るのでしょうか?全身全霊の愛を、時を経て残酷にも変化した相手に投げる男。自己存在すら歪め全てをかなぐり捨てて臨んだ愛の果てに待ち受けた現実。湾を隔て手を繰り出すギャツビーの姿は読者の心に永遠に残ることでしょう・・・素晴らしいと言われて本当に素晴らしい稀有な一冊。最後に、図書館(図書室)の男がとっても魅力的な作品。作品の重要なキーとなる人物なのでしょうし何かしらのメッセージが込められている人物のような気がしてならないのですが、ギャツビーに次いで印象に残った人物ですので・・・注目ポイントかもしれませんよ。ちなみに村上春樹さん絶賛3大小説は本書あとがきや翻訳本でバシバシ紹介されていますので、商戦に乗るつもりで読んでみてください。騙されたと思って買って本当に良かったらそれは本物なんです。「カラマーゾフの兄弟」だけは村上訳が存在しませんが世界最高峰と誉れ高い作品ですので安心して読めます。是非。



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別荘の管理人ビルが大声を上げて指さしたものは、深い緑色の水の底でゆらめく人間の腕だった。目もなく、口もなく、ただ灰色のかたまりと化した女の死体がやがて水面に浮かび上がってきた―フィリップ・マーロウは化粧品会社社長の依頼で、1カ月前に姿を消したその妻の行方を追っていた。メキシコで結婚するという電報が来ていたが、情夫はその事実を否定した。そこで、湖のほとりにある夫人の別荘へ足を運んだのだが……ハードボイルド派の巨匠チャンドラーが名作『長いお別れ』に先駆けて発表した、独自の抒情と乾いた文体で描く異色大作


内容 「BOOK」データベースより


汚職に賄賂と腐敗した街、マフィアにギャングに大富豪。ハードボイルドな世界をタフに生きる探偵フィリップ・マーロウ。彼自身に魅了されてシリーズを読む人が多いと思う。チャンドラー作品に出会ったのは村上春樹さんが翻訳された「ロンググッドバイ」(長いお別れ)※( )は本書清水俊二さん翻訳時のタイトル。これぞハードボイルドと感じる作風に惹かれ村上訳「さよなら、愛しい人」(さらば、愛しき女よ)も続けて読んだ。ハードカバーである「リトルシスター」の文庫化を心待ちにしていたのですが・・・村上春樹訳作品の発売を待っていられない程にチャンドラー・マーロウものに魅了されていたようで、この度清水俊二さん翻訳の「湖中の女」を手に取ることになりました。

翻訳家が替わる事には若干抵抗があった、特に村上春樹さんのような独特の世界観を持つ作家さんが翻訳する作品の異なる訳し方となると世界観が変わってしまったりするのでは?などと不安を抱いていたのですが・・・杞憂に終わりました。レイモンド・チャンドラーという作家自身が持つ作品の魅力は訳程度の事では損なわれないという事でしょうか。村上訳に比べて若干会話がスマートに感じた部分もありますが、会話の駆引きは絶妙で、揶揄や隠喩といった独特のマーロウ節(言い回し)も絶好調で楽しく読む事ができました。皮肉屋が大好きな人は絶賛する事間違いなし!しかも愛情ある皮肉。さて、「湖中の女」ですが、「ロンググッドバイ」や「さよなら、愛しい人」に比べるとマーロウ自身の愛の部分、いわゆるロマンス部分が欠けていたのはマーロウ大好きさんには残念だったように思えます。しかしアンタッチャブル(不可侵)に触れまくって事件の真相へと辿りつくマーロウ独特の探偵稼業は健在でハラハラドキドキしながらの読書が出来る所は相変わらずグッド!マフィアにドつき回されたり警官に無実で殴り飛ばされたりしても決して弱音なんて吐かないタフな探偵は他を探しても彼だけ?また「湖中の女」というタイトルが良いですね。THE LADY IN THE LAKEこのタイトルが何故付たのかは作品を読めば理解できます、私なぞミステリー作品に不慣れなせいかミスリードに完全引っ掛かってしまいましたw「謎解き」大好きな人は事件の真相を一緒に探求してみるのも良いかもしれませんね~僕のようにミステリー初心者な人は、真相探求中のマーロウさんの駆引きなんかを楽しんで読めば良いと思います。マーロウものは全部で7つ!あと4つも楽しみがある。幸せな事です。



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悩み、傷つく心を知ると自分も他人も見えてくる!!人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている「心の専門家」である著者が、「人の心とは何か」に心理療法の現場から答える。


内容 「BOOK」データベースより


日本のユング心理学第一人者である河合隼雄さん、名書「心の処方箋」が有名です。私も読書習慣が身に付く以前に「心の処方箋」を読んでいたぐらい知名度抜群の人物。逝去された時は大きな話題になった事を記憶しています。さて、「人の心はどこまでわかるか」といった挑戦的タイトルは人を惹きつけるのには最適だと思います。一時流行したマインドリーディング(読心術)や巷で人気の心理テストなんかのイメージを持って手に取られる読者も多いのではないかなぁと思います。が、河合隼雄さんの書物がそんな俗物であろう筈はありません。本作品は、一線で活躍するプロの心理療法家が河合隼雄さんに心理療法現場で発生する様々な疑問や悩みを質問しそれに対し、河合隼雄さんが回答を書き記すといった濃密な書物となっています。「人の心はどこまでわかるか」とありますが、決してわかる線引きを目的としているのではなく「人の心がわかる」為にはどういった姿勢や心構えが必要なのかを説く内容となっており、心理療法関係に興味がある方には基本姿勢として学ぶべき点が多い一冊に仕上がっているように感じました。逆に「人の心がわかる方法」的なものを求めている人にとっては路線が違う話ですので、心理学という学術的・職業的に興味関心が無い人や、タイトルのみで購入判断をする人にとっては思い違いによる内容相違が発生するかも・・・それでも読む価値は有ですw心理学に興味が無い方でもビジネス書として読むのにも良い印象を受けました。一般的ではない特殊な心理状態の患者さんを相手に対話をされる心理療法家の苦悩や葛藤、それに対する回答などは対話系職業に就く方にとっては非常に為になる経験談や方法論が書かれていますので勉強に最適。さらに河合隼雄さんのプロ意識の高さに敬意を抱く事となるでしょう。ビジネス書で人気があるのはプロフェッショナル論だと思います。様々な性向でプロ論が展開されいますが、本書ほどプロを感じさせる作品は数少ないと思います。著名な作者だからではなく、だからこそ著名になったのだなと納得が出来る一冊。様々な事が勉強できる一冊です。



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アグレッシヴな小説作法とミステリアスなタイトリングで、作家カーヴァーの文学的アイデンティティを深く刻印する本書は、八〇年代アメリカ文学にカルト的ともいえる影響を及ぼした。転換期の生々しい息づかいを伝える、鮮やかにして大胆な短篇集。


内容 「BOOK」データベースより


「愛を語るのは、何も語らないのと同じ」と「1Q84」の中で書いた村上春樹氏が、表題通りの愛をテーマにした「愛について語るときに我々の語る事」を翻訳していると知れば読まない訳にはいかないでしょう・・・村上春樹氏の作品の最大の魅力は、彼が賞賛したり影響を受けたとされる作家や作品集を読めば読むほどに作品の意味が深まっていったり多義に渡っていくなど変化する事だと私は思っています。村上春樹氏の作品はメタフォリカル(注:意味を十分理解せず使用)な表現で溢れていますので他作品から補完して挙げると解釈の幅が広がり一段と楽しくなると思います、特に村上春樹翻訳ライブラリーは最適の参考書と言えるでしょう。さて、そう前置きをした上で本書の紹介に入りたいと思いますが、言ってる事と結果が伴わない事が多々あるのが世の中でございます、村上作品の愛のメタ部分を掘り下げる目的で読んだ本書ですが、よけいに泥沼にハマってしまった印象を受けます。といのも、氏が賞賛する他の作家(例えばスコット・フィッツジェラルドやトーマス・マン)と同じく、村上氏以上にメタフォリカルな表現が多い!のです。意味を調べる為に辞書を引くと意味の解らない単語が出てくる、今度その単語を辞書で引くと・・・繰り返し、そして最後には最初に調べた文字に行き着く。まさにそんな代物!これがメタ作品の最高に面白い所なのですが、この面白さが解るまでに私は何年かかりました。解らないって事が解る!この感覚がないと村上春樹氏の作品には手を出さないほうが良いかも・・・ただ先ほどの辞書の例では、ないですが調べ続けている内に全容に意味づけが出来るというのが人間の能力ですので、そうやって自分なりの意味づけをする醍醐味がメタ作品にはあるように思います。


「愛について語るときに我々の語る事」は、圧倒的な説明不足と描写カットにより出来上がっています。愛という壮大なテーマを基にした話であるにも関わらず局所的・短時間的に物語が構成されているのも興味深い点ではあります。それにより世代・人種・男女・個人で異なる愛の価値観が存在する事を表現しているかのようです。現代日本で大衆映画としてウける所謂「美しい愛」や「理想の愛」なんてものを期待して読めば残念と感じてしまう一冊かもしれません。終ってしまった愛や憎愛・偏愛などが盛りだくさんで、基本ダークな雰囲気に包まれています、これは作者レイモンド・カーヴァー自体が家族と不仲だった事が原因かもしれませんが・・・ただし、暗い物語なのですが、不思議と不快感が無いのが面白い点です。常識的な感覚からすると絶望的な終幕を迎える短編も多く存在しています、しかし終わり方が隠喩的だったりあっさりとし過ぎている為に、何かを考える間も無く幕が降ります。この後味の悪さが無い所はレイモンド・カーヴァーの魅力の一つ。

最後に気に入った短編は「私の父が死んだ三番目の理由」と「風呂」と「出かけるって女たちに言ってくるよ」。なんだか題名を聞いただけで興味が沸いてきませんか?そういったセンスも味わえる作品です。是非。



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