老害とは、迷惑な老人を侮蔑交じりに指す表現。
何事にも時間がかかり迷惑。
運転免許の返納問題。
コロナ禍の外出自粛の要請。
「老害」と呼ばれていることで、高齢者から生活や健康、楽しみなどの自由を奪ってしまっている。
「老害の壁」を壊さないと、高齢者は長生きできないし、幸せにもなれない。
まずは自分の意志を貫き通すことが大事である。
本書には、その壁を打ち破るヒントが書かれていました。
【共感したフレーズ】
高齢者が免許返納をすると、6年後には要介護率が2.2倍に上る。
地方ではまさに死活問題。(P14)
若い人に比べて高齢者になると、薬の副作用が交通事故の原因となっているケースが多い。(P25)
まだ免許が必要だと思っているなら、返納すべきではないというのが私の一貫した考え。(P 66)
前頭葉の老化を防ぐには、「毎日が実験」と思って暮らすこと。
「毎日が実験」の精神で生きる。
そもそも実験というのは、失敗することが前提とされている。
小中学校の理科の実験は、レシピどおりに作る料理と同じで、失敗がない。
だから本当の意味での実験ではない。
「毎日が実験」を実践するなら、料理もレシピに載っている調味料の分量を変えてみたり、違う材料を使って作ってみるなど、自分なりに実験をしてみる。
たまに失敗するかもしれないが、その失敗の経験が次の成功につながる。(P87)
脳の老化を防ぐには、脳を使うことが一番。
脳の使い方には、インプットとアウトプットがある。
本を読んだり、インターネットで情報収集するのはインプットだが、現代人は若い人も高齢者もアウトプットが不足している。
アウトプットには前頭葉を使うから、前頭葉の老化を防ぎたいと思ったら、絵を描くとか、写真を撮るとか、楽器を演奏する、といったアウトプットが効果的である。
中でも、文章を書くのは最も手軽にできるアウトプットである。
筆無精の人でも、ワープロソフトで書けば、筆まめになれるかもしれない。(P91)
杖、補聴器、紙オムツの3つは高齢者の「三種の神器」
杖は骨折予防、補聴器はコミュニケーションの手段、紙オムツは元気に行動するために役に立つ。(P93〜97)
高齢者は、歩けなくなると体の機能は衰えて縮んでいく「廃用性萎縮」となってしまうので。
今できる能力をキープするには、日常生活の中で体を動かすのが一番。
「めんどうくさいな」と思ったときこそ、動いてみる。(P169)
自分の身を自分で守るために、とても大切なことがある。
それは、医者が出す薬を警戒するということ。
基本的に医者は何か症状があると薬をどんどん出す。
薬には当然、副作用がある。
多剤併用の問題も発生する。
足元がふらついて転倒し、骨を折るリスクがある。
転倒したときの骨折がきっかけで、寝たきりの原因になることも珍しくない。(P170)
できることよりも、できないことが増えてきても、楽しい時間をもつ。
快の原則で生きることが大事。
楽しいと感じられることをする。
がんや認知症、その他の病気になったとしても、自分のことですから、受け入れるしかない。
悔やんだり、人を恨んでも、何の解決にもならない。
むしろ、年をとればいろいろな病気になるものだと受け入れて、できることを楽しみながら生きるのが、晩年期の正しい生き方のような気がする。(P190〜191)
《「老害の壁」和田秀樹 著 エクスナレッジ 刊より一部引用》
本ブログを書き終えて、何となく過去に本書を読んだような気がして振り返ってみると......。
やっぱりありました。でも書き込み内容はほとんど重なっていませんでした。
たぶん、同じ本を読んでも歳を重ね、わずか1年間ですが時間の経過とともに、印象に残る部分も変化したのだと思います。
それともMCI(軽度認知障害)の兆候か?