真夜中法律事務所 五十嵐律人 | なほの読書記録

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かなり奇天烈な特殊能力の設定でストーリーが展開されます。

死者が視える検察官(検事)の印藤累は、夜道に立ち尽くす幽霊の存在に気づく。
と同時に「案内人」を自称する青年・架橋昴が現れる。
彼はこの世に未練を遺す幽霊を救うため、真夜中にだけ開かれている弁護士事務所の「深夜法律事務所」へと導いていく。

死者が視えて死者とコミュニケーションがとれるという特殊な能力をもつ検察官の印藤累と弁護士の深夜朱莉が、廃ビルの屋上から転落して重症を負い、貯水池に沈められた女子高生の若月菜穂の死の真相を明らかにしようと、生者と死者とが協力して真犯人を捜すという奇抜なリーガルミステリー。

死者は会話を交わすことができるが、殺害時の記憶はない。
死者は犯人(共犯者も含む)に罰が与えられないと成仏することができない。
罰(有罪判決や犯人の死亡)を受けるべき生者が裁かれると、死者は彼岸へ渡れる。

読み進めながら、作者は特殊設定の辻褄が合うように一生懸命ストーリーを考え、苦労しながら書かれたのではないかと思ってしまいました。

弁護士つながりの若手作家、新川帆立さんの作品と同様に発想が斬新で面白く、会話文が多いところもなぜか同様で、そういったリーガルミステリーが好きな方におすすめの本でした。