書き下ろし、3か月連続刊行・文庫版の第1弾。
家出人を含めた行方不明者や、遺体なき未解決殺人事件の掘り起こしをする警視庁捜査一課強行犯第二係(二係)が、15年前に突如失踪した17歳の少女の行方を探るというストーリーの警察小説。
それぞれの想いと信念で事件の真相に迫っていく過程が、凍り付いていた15年の歳月を少しずつ溶かしていき、再び時計の針が動き出す。
事件に関わる警視庁、神奈川県警、新聞社、それぞれのスタンスが分かりやすく記されており、興味深く読了。
私にとって所縁のある地、是政や町田、東村山が登場し、親近感を覚えました。
第2弾の「逆転」、第3弾の「ゴースト」も読むのが楽しみです。
【印象に残ったフレーズ】
大森署の末次巡査長の言葉
「どんな非道な者だって生身の人間だから、本気でその者のことを考えて向き合えば、必ずどこかで心を開く」
「みんなが右を見るから自分は左を見る。それを常日頃から訓練しておけ」
《「宿罪 二係捜査(1)」 本城雅人 著 角川文庫より一部引用》