>オリジナルフルアルバム
>タイトル:ガーラ
>アーティスト:DADARAY
>リリース日:2021年 9月 22日
>記事作成日:2021年 10月 24日





聴きました!

てっきり、「川谷さんが息抜き的にやるヤツなんだろうなぁ」と思ってたんだけど…フツーに、コンスタントに作品をリリースしていらっしゃる。



適度なスリル感を伴うポップチューン。耳馴染みは良いんだけど、“安心して”は聴かせてくれない。ドキドキというか、ソワソワというか。
ユニットの初期の作風よりも、芸術性が上がった気がします。凄くハイレベルな事をやっている分、最低限の素養がないと楽しみづらい高尚感が出てきたような…?

『流光』
“1フレーズ”どころか、もはや“1音”単位で、長調と短調とが交錯する感覚(あくまでもイメージの話ですが)。凄く緊張感をもって響く音が聴こえてきた次の瞬間には弛緩があったり、その逆があったり。
物凄く独特で、クセが強くて、それなのにさらりと聴ける。

『ハートの合図』
なんか、珍しく(?)可愛らしさが感じられるオケ。もちろん、都会的で垢抜けた雰囲気ではあるんだけども、ぼくはなんか可愛らしさを感じたんですよねぇ。
えつこさんの歌声を堪能出来るのもいい。

『URARAKA』
休日課長さんのベースのグルーヴ感が素晴らしいのは相変わらずですが、この曲はギターもいい味出してますねぇ。適度にアダルティで、主張する感じは薄いけど確かに存在感がある。

『パリ帰りのレインボー』
ちょっと不穏なというか…メロウではあるんだけれども、ちょっと重たい空気も感じる。タイトルだけ見ると、非常にポップでキャッチーなんですけどね。
そして、やっぱり、課長さんのベースがいい。

『蛮勇』
なんちゅータイトル(笑)
本作収録曲の中でも、かなりロックに振り切った感触の曲。ガレージロックのような“直球”なアレンジではなく、物凄く凝ってる。素人が学園祭でコピーしようとかしたら、痛い目見るヤツ(笑) キッチリ出来たらめっちゃ気持ちいいでしょうけどね。
NIKKIEさんとえつこさんのツインボーカルが、めっちゃカッコいいんだ…。

『GALS』
タイトなリズムとアナログ感のある渋い音が、なんともオシャレ。前曲のようなソリッドなロックも良いけど、音楽偏差値バリ高な感じのこの洒脱な曲も凄く良い。というか、その両方を両方ともにさらりとやってのけるこの人たち(および川谷さん)がすごい。
しかし…サビ、何歌ってんのかさっぱり分からんかった。そして、歌詞を読んでみて、もっと分からなくなった(笑) 「Yesterday ギャルだった」ってナニよ。

『YOI』
サバけたというか何というか…もう、オシャレが過ぎるって! 原色に原色を合わせてるのに違和感がないレベルのオシャレさんみたいな曲。堂本剛さん的な?(笑)
歌詞は、割と昭和の歌謡曲にも通じる哀愁があったりするんですけどね。演奏はもう…センスの塊。

『恋してばかり』
数多ある川谷絵音関連プロジェクトの中でも、このDADARAYが一番都会的で、アダルティで、そしてメロウなんだな。もう、そんな曲ばっかりずーっと続いていて、聴いてるだけのぼくすらももう代官山とかを我が物顔で闊歩出来る人種になったような勘違いをしてしまいます(笑)

『fake radio』
この曲は…課長さんのベースが、特に映えている。映えに映えている。クラブで流れるような艶かしい低音を生楽器で出来る人って、ぼくは最強だと思ってるんですよね。つまり、課長さんは最強なのか。
ベースがうねりにうねり、ギターがはしゃぎにはしゃぎ、そしてボーカルは突き放しとすら言えるくらいにクール。ある意味で最強の編成。

『黄昏のBAY CITY』
イントロはちょっと昭和の戦隊モノのオープニングテーマみたいな感じもありますけどね(笑) 本編が始まると、艶かしくドライなオトナの色恋が展開。
割とバンド感の強い骨太なサウンドと、NIKKIEさんのしなやかなボーカルとの対比がいい感じ。

『花は買わない』
程よくシリアス。“余裕綽々”な主人公のストーリーではないんだけれども、あくまでも余裕を絶やさない、いっばいいっぱいにならない(なっても表に出さない)強がりなキャラクター像が、川谷さんの作風そのもの。

『イキツクシ(HOME VER.)』
当たり前なんですけれども…メロディと歌詞と歌声が一緒でも、アレンジが違うとこんなにも雰囲気って異なるんだなぁって。
今回のアレンジは、だいぶ洒脱で飄々としているように聴こえました。オリジナルのほうは、歌声からリアルな感傷と心の揺れが伝わってきた感じがするんですが、今回のこっちは例えるなら“そういうドラマを見ている”感じ。自分の肌でセンチメンタルを感じるのではなく、センチメンタルなドラマをテレビ越しに観る感覚。
どちらが好きかは、人それぞれだと思います(当然だけど)。



そんな、計13曲。

アルバム全体の感想も、上の『イキツクシ(HOME VER.)』のところに書いた感想と概ね同じかな。『イキツクシ』のオリジナルver.と今回の別ver.の違いが、そのまま“初期のDADARAYへの印象”と“今のDADARAYへの印象”にも置き換えられる感じ。
初期は、もうちょっと“聴き手寄り”だったように感じていて。というのは、聴き手であるぼくが、聴きながら自分の感情を動かされる感覚だった。対して今は、色んな登場人物の色んな感情の動きを客観的に見て(聴いて)楽しむ感じ。前者は主観で楽しんで、後者は客観で楽しむというか。
勿論、どっちが正解とかそういう事ではなくて。結局、聴き手の好みによるところでしかない。ぼくは、もうちょっと初期寄りのほうが好きですね。





お気に入りは、
#03 『ハートの合図』
#06 『蛮勇』
#10 『fake radio』





この作品が好きなら、
・『PASSION BLUE』/土岐麻子
・『』/椎名林檎
・『Even So』/BONNIE PINK
などもいかがでしょうか。





サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)










ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!