>オリジナルフルアルバム

>タイトル:ハヤブサ

>アーティスト:スピッツ

>リリース日:2000年 7月 26日

>記事作成日:2013年 11月 5日






久しぶりに聴きました!

かっこいいなぁ。
もう何度も話題に挙げましたが、ap bank fes '12でのパフォーマンスに圧倒されてから、“ロックなスピッツ”が気になって仕方ないんですよね。

本作は、そういう意味でエポックメイキングというか、、、ひとつ前の『フェイクファー』までは、ポップ>ロック といった趣の作品を投下していましたが、本作はロックンロール色の濃い質感。


でも、最初期(笹路さん以前)のような、ひねくれた感じの(失礼!)ロックともまた異なり、ストレートなロックンロールを感じます。




『今』

オープニングはこの曲。アコギが印象的な、言わば“いつもの”スピッツ感もありつつ、中盤以降にはノイジーなギターソロも入ったり。深読みするなら、“それまで”と“これから”の橋渡しのような一曲。


『放浪カモメはどこまでも(album mix)』

“album mix”てコトは、録り直しとかではなくミックスをし直しただけって事なんですよね…!?と最初は思ったけど、その割には、シングルのバージョンとはかなり異なる雰囲気なんですよね。よりゴツゴツと武骨で、泥臭いというか男臭いというか。アルバムの他の曲と併せて聴いたから印象が変わったのかな…とも思ったけど、どうなんでしょ?

ぼくは断然、こちらのほうが好き!

『いろは』

ゴリゴリのロック。骨ばってます。普通『いろは』なんて言ったら、古典的な“和”の感じをフィーチャーするもんなんじゃないの?(笑)もう、土の匂いしかしませんよ。


『さらばユニヴァース』

こういった、それまでのスピッツの王道とも言うべきミディアムチューンにも、武骨な味付けがされているんですよね。編成は普段と変わらないと思うんですが、そこはかとなくゴツゴツとした肌触りがあるんです。

ドラムとベースの躍動感が半端ないっす!

『甘い手』

繊細なボーカルが光るこの曲。でもやはり、本作にラインナップされた事により、力強さも兼ね備えている印象になっています。途中、ベースもブリブリ言ってますしね。


『HOLIDAY』

軽快で流暢なアレンジが疾走感を演出しています。アレンジといえば、ジャジーな感じの仕上げ方も印象的。この方々の既発曲には、ありそうで無かったような気がするこの感じ。

そこはなとない切なさは、ずるい(笑)

『8823』

ハヤブサと読むそうです。

サビで爆発するテンションがいかにもライブ映えしそうな楽曲。実際、ノらずには居られませんでしたよ。
タイトル曲ですし、本作を象徴するような一曲。

『宇宙虫』

インストチューン。浮遊感漂う不思議なメロディ。「あぁ、この人たちって元々マニアックな事が好きな人たちだったな」ということを思い出させてくれます(笑)



『ハートが帰らない』

コーラスは五島良子さんだそうで。

これも、メロディラインはスピッツさんの王道だと思うんですが、エフェクターの効いたギターの音色などは完全にロックのそれ。

コーラスワークが美しい。草野さんの声って、他者のコーラスが重なる事によってより映える気がします。『群青』とかもそうだし。


『ホタル』

もう、本当に本当にこの曲が大好きで。たしか、この曲がシングルで出るまでの間には結構インターバルがあった気がします。いや、もちろん水面下では活動されていたのでしょうしベストなんかも出たりはしてましたが、新譜とかは出てなくて。「あれ、最近スピッツどうしたんだろう」って思っていた頃にこの曲が…もう、この曲、「まさにスピッツ!」じゃないですか?

と思っていたら、シングル次作が『メモリーズ/放浪カモメはどこまでも』で、おったまげた記憶があります(笑) Mr.Childrenの、“活動休止→王道の『終わりなき旅』で復活→次作『光の射す方へ』でおったまげ”とまったく同じ流れ。


『メモリーズ・カスタム』

そして、その『メモリーズ』が再構成された曲『メモリーズ・カスタム』。原曲と比べ、ロック2倍の遊び心4倍。

でも、Cメロ(石田小吉P作曲らしい)がカッコイイんですよねぇ。シングル発売当時はやや面食らいましたが、今ではとても好きな曲。カスタムversionは特に好き。

『俺の赤い星』

ロッカバラード。本作収録曲の中でも特に泥臭くて武骨な曲。荒野の夕暮れに似合いそう(笑)


『ジュテーム?』

アコギのアルペジオを主体とした、物悲しくも温かな一曲。アコギ主体の曲が作品のアクセントになるのって、この方々の作品のなかでは珍しい気がします。それくらい、全体としてはロックに軸足のある作品という事ですね。

胡弓でしょうか?後半から入ってカウンターメロディを奏でる中国的な楽器の音色が、哀愁の塊となってぶつかってきます。


『アカネ』

ラストの曲は、軽快で爽快、ポップでロック。一曲目の『今』にも通じるようなその雰囲気は、この一枚をリピートして無限に繰り返しながら聴くのに最適(笑) それを狙ったんじゃないかと思えるような構成です。

パーカスが軽快で楽しげ。




そんな、全14曲。


正直、リリース当初はあまりピンと来てませんでした。なーんか、それまでのスピッツと違かったので…もっと甘いのを求めてたんでしょうね、ティーンだったし(笑)

でも、生ライブの衝撃で洗礼を受けちゃったら、これはもうマスターピースですよね。「やべぇ」しか出てこない!

最近はまたマイルドな方向に向かい始めた気がするスピッツさん…どうでしょう、ここらで再びガツンと本作的方向に歩を進めてみては。





お気に入りは、
#03 『いろは』
#06 『HOLIDAY』
#07 『8823』
#10 『ホタル』
#11 『メモリーズ・カスタム』
#13 『ジュテーム?』





この作品が好きなら、
・『Discovery』/Mr.Children
・『変身』/チャットモンチー
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/