HORIZON>オリジナルフルアルバム>タイトル:HORIZON>アーティスト:レミオロメン>リリース日:2006年 5月 17日>記事作成日:2019年 7月 27日




久しぶりに聴きました!
ぼくの中では、結構な「夏といえばこのアルバム」感の強いアルバム。レミオは楽曲に季節感の強い曲が多いけど、このアルバムは、リード曲である『スタンドバイミー』が、もうまさに夏の匂いでいっぱいなものだから、それもあって「夏アルバム」のイメージが強い。5月リリースなんですけどね(笑)


『スタンドバイミー』。冒頭に書いたように、夏感がぎっしり詰まった曲でスタート。イントロから、焼けたアスファルトの匂いやその上を吹き抜ける青い風が肌で感じられそうな程の夏感。そして更に歌詞で、やっぱり同名のジュブナイル名作映画にインスパイアされてんだろうなぁっていう、「少年の夏」の曲。
『1-2 Love Forever』。ヤンチャなポップチューン。藤巻さんのギターは奔放で、前田さんのベースは歌ってる。そこに、神宮司さんのドラムスと小林武史Pのシンセが、調和を図るように耳馴染みよく溶け込んでいる。サビの抜け感が気持ちいいですよねぇ。この曲もまた、よく晴れた夏の日のBGMに最適。
『プログラム』。バンドのマニアックな側面が出た曲。初期によく見られたヒネクレ感が、ブレイク後のキャッチーでポップでカラフルな側面と混ざって不思議な世界観を生み出しています。よく言えば「ハイブリット」、悪し様に言っちゃうと「迷ってんのかな?」と(笑)    余計なお世話なんですけど、この時代のレミオは「イキのいい若手バンド」と「ポストミスチル」というコンテクストとの狭間でちょっとゴッチャリしている印象もあったので。この曲、ぼくは嫌いじゃないですけどね。
『蒼の世界』。シングル曲ですね。よく覚えています、爆発的にヒットする事になる『粉雪』と「2ヶ月連続リリース」的な触れ込みで世に出た曲。直後に出た『粉雪』がドカンと売れたので、歌番組とかでこの曲をやってるのをほとんど見た記憶がないんだけど、これはこれでいい曲ですよね。このアルバムは「夏っぽい」って既に散々言ってるけど、この曲は凄く秋の匂いがする。まだ早い秋の、深い青の空を見上げるような爽やかな曲。
『シフト』。野太いロックチューン。リズム隊の音はひたすらラウドかつアグレッシブ。藤巻さんのギターだけが軽やかで、その「二段構成」的な音に「らしさ」を感じます。
『傘クラゲ』。今年(2019年)の梅雨は本当に長い!   もういい加減明けそうだけど…静かに降る雨、灰色の空、紫陽花の色、草木の緑、、、全ての色が淡く、青く。その滲む色合いを、そのまま音に落とし込んだような楽曲。日本的な美しさに、気持ちが満たされていく。この曲、作曲は前田さん。前田さんの書く曲はいつも叙情的で、日本的で、とても柔らかい。
『太陽の下』。それこそ、メガヒットした『粉雪』に続くシングルで。「どんな曲で来るのか」って変に力んで待った記憶があるけど、そこで放たれた楽曲は力みのない柔らかなミドルバラード。いや、もちろん、あれだけのヒットのあとで作り手に一切力みが無かったとは思えませんが…そう言った肩の力を一切感じさせない、温かくて柔らかな曲。今年リリースされた、藤巻さんソロとしてのセルフカバーアルバムにも収録されてました。そっちはそっちで好きだったなぁ。
『MONSTER』。同じくらいの時期にMr.Childrenも『I ❤︎ U』というアルバムに同名の曲を収録していて。あちらはその名の通りに荒々しく、猛々しく、毒々しく、攻撃的な曲だったけれども…レミオ的モンスターは、どこか柔らかくて愛らしさがあって、憎めない感じがします。どっちが良いとか悪いじゃなくて、「そういう違いが面白いな」っていうお話。ちなみに、その(ある意味両極端な)両方の楽曲をしれっと手がけている小林Pが、もしかしたら一番のモンスターなのかもしれない(笑)
『明日に架かる橋』。多分ねぇ、賛否両論あったのであろうこの曲。ぼくは「曲が一番映えるのならどんなアプローチでも」というタイプだけれども、「バンドサウンドっていうのは…」であるとか「バンドの初期から追っかけてきた者としては…」的な文脈から聴く人にとっては、あまりにも「それまでのレミオ」と違くて、それに戸惑って、上手に飲み込めない曲だったんじゃないのでしょうか。打ち込み主体の「軽い」音に、軽薄(に聴こえてしまうよう)な言葉選びに。Mr.Childrenは「ファンであり続けるための踏み絵」とすら呼ばれる事になる作品を『深海』というディープでラウドでヘヴィな作品によって世に出したけど、もしかしたらレミオの古参ファンとっての踏み絵作品は、この曲かもしれないですね。…とまぁ、色々小難しく語っちゃったけど、ぼくはフツーに好き(笑)
『紙ふぶき』。再び、前田さん作曲。やっぱり柔らかくて、優しくて、ちょっぴり切ない。これ、レミオのベスト盤にも入ってましたが、その選曲はちょっとだけ意外でした。メロウな良い曲ではあるけれども決して派手な作品ではないし、エポックメイキングな曲という印象も無かったので。
『粉雪』。これはもう、多くの国民が知っている曲と言えるのでは。曲調やらうんぬんかんぬんなんてのは、もはや説明の必要がないくらい世間に浸透している曲。シングルとして初めて聴いた時の衝撃は、今でもよく覚えています。サビを聴いた瞬間に、一瞬で耳と心とを奪われるキャッチーさ。それはまるで麻薬のように、ただの一度だけでロックオンされてしまって二度と離して貰えない快感(麻薬はやった事ないけどね 笑)。それにしても、こんなにどっぷりとしたウィンターソングが収録されているアルバムを「夏アルバム」と思えるって…すごい「磁力」だな、『スタンドバイミー』。相対的にその凄さを知る。
『流星』。最後は、どこかつかみ所のない不思議な浮遊感のある曲。歌詞的にも解釈の余地が広く取られており、サウンド的にもどこかふんわりとしている。優しいけれども優しいだけじゃなく、そこはかとない切なさも香るけど力強い側面もある。


そんな、計12曲。
レミオの過渡期に出されたアルバム。恐らく小林Pの介入具合もかなりのものだったんだと思うけど、それでも端々に残るレミオらしいヒネクレ具合。あぁ、懐かしいなぁ。マイノリティかつアンダーグラウンド感の強いクセのある曲と、お茶の間スケールの圧倒的な聴きやすさ。ぼくにとっては、そのせめぎ合いこそがレミオロメンでした。藤巻さんのソロ(特に近作)はなんかスッキリしちゃい過ぎてる感じがして、それはそれで好きなんだけど、(当然だけど)「レミオっぽさ」からは離れてきていて。また、レミオロメンとして活動してくれないかなぁ。でも、藤巻さんだけ別事務所になったりしてるしな。こないだリリースされたレミオ曲のセルフカバーアルバムも、「レミオでの活動の可能性(余地)」があるなら出してない気がするし…。




お気に入りは、#01 『スタンドバイミー』#02 『1-2 Love Forever』#04 『蒼の世界』#06 『傘クラゲ』#09 『明日に架かる橋』#11 『粉雪』




この作品が好きなら、・『I ❤︎ U』/Mr.Children・『MAGIC』/back number・『STAND!!』/フジファブリックなどもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









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