アフリカ大陸3/4周ツーリングの計画(2019年4月26日) | インベストメントライダーふるさんのブログ Investment rider Seiji Furuhashi travelling around the world by motorcycle

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オートバイで世界を駆け回るインベストメントライダーを目指す個人投資家。
オートバイでのユーラシア大陸横断と南北アメリカ大陸縦断、アフリカ大陸とアラビア半島横断、東南アジア・インド・中近東等走行後、2025年4月~9月欧州・中央アジアをツーリング中。

 

前回(2017518日~2018729日)の世界一周ツーリングではアフリカ大陸を走行していない。ツーリングを終えてみれはユーラシア大陸横断と南北アメリカ米大陸の縦断だけでは少し物足りなさを感じる。

 

前回の海外ツーリング帰国後、アフリカ大陸のツーリング経験者の話を聞いたり、ブログを読むと他の大陸走行よりかなり難易度が高いことを改めて認識した。

 

強盗や殺人等一般の治安状況の悪さは当たり前だ。反政府組織やテロ組織の暗躍による治安悪化や国境閉鎖、雨期の道路とは呼べない深い泥の悪路、国境通過時の官憲や悪徳警察官による不当な金の要求等を考慮すると怖気づいてしまう。また、多くの国では、申請手続きが面倒なビザの取得が必要ということもツーリング実行を消極的にさせる。

 

東京丸の内の丸善書店本店で買い求めたミッシェラン(フランス大手自動車メーカー)のアフリカ道路地図を何回も見ながら、あれやこれや考えても、アフリカツーリングを実行するか否かの結論を出せずに2018年が終わってしまった。

 

アフリカツーリングの実行を今決断しなければ、将来決断する気力が薄れていくのではとの思いが募り、2019年の新年を迎えたタイミングで今年中にアフリカツーリング行うことを決断した。

 

ツーリングルート

 

内戦で混乱するリビアや政情不安定なアルジェリア等の北アフリカ諸国を除くアフリカ大陸の3/4周を走行するルートを設定した。

 

この3/4周ルートの走破にはエジプトからスタートしてアフリカ東側諸国を南下しながら南アフリカまで進んだ後に、今度は南アフリカから大陸西側沿いにモロッコまで北上しながら進む時計周りのルートとその逆の反時計周りに進むルート(モロッコ~西側ルート~南アフリカ~東側ルート~エジプト)が考えられる。

 

ルート設定にはアフリカ大陸ツーリングの一番の難所であるコンゴ共和国およびコンゴ民主共和国の乾季のタイミングを考慮した。 両国通過のルート上には雨期には腰までつかる池のような水たまりが出現したり、たんぼのように泥沼化する道路区間が連続すると経験者から聞いた。

 

コンゴ2ヶ国を乾季(6月~8月)の間に走行する日程的な制約から、日本からスペインへオートバイを海上輸送後、 スペインからモロッコへジブラルタル海峡をフェリーで渡り、モロッコから大陸周回のスタートをすることにした。そして、アフリカ大陸を反時計回りに3/4周してエジプトをゴールとすることにする。

(赤字の線がアフリカ大陸3/4周ルートのイメージ)

 

エジプトからスタートして時計回りにアフリカ大陸を周回する案ではコンゴ辺りに到達するのが雨期の開始タイミング(9月中旬以降)になると予想されるからだ。

 

アフリカ諸国25ヶ国前後を約6ヶ月~7ヶ月の期間で走行する計画だ。全ルートの走行距離は3.5万km前後になるだろう。

 

具体的には西側ルートのモロッコ~西サハラ(モロッコが実行支配)~モーリタニア~セネガル~マリ~コートジボアールないしブルキナファソ~ガーナ~トーゴ~ベナン~ナイジェリア~カメルーン~ガボン~コンゴ共和国~コンゴ民主共和国(旧ザイール)~アンゴラ~ナミビア~南アフリカまで進んだ後、東側ルートの南アフリカ~ボツワナ~ザンビア~タンザニア~ケニア~エチオピア~スーダン~エジプトの順に北上する。

 

 

モロッコ、セネガル、ナミビア、南アフリカ及びボツワナ以外の国々はビザの取得が必要なため、前回のユーラシア大陸横断や南北アメリカ大陸縦断のように計画通りに進まむ可能性は低いだろう。完走できる自信は無いが行けるところまで行ってみようと思う。

 

また、日本でははほとんど知られていないアフリカ諸国の証券取引所も訪問しようと思っている。

 

ツーリングに使用するオートバイ

 

大陸西側ルート上には未舗装道路区間が比較的多いことを考慮して、オフロードタイプの軽量で扱い易いヤマハのセロー250に以前から注目していた。同モデルは排気量250ccクラスのオフロードバイクでは国内最軽量で、オプション装備無しの車重は130kg台だ。

 

 

このオートバイの難点はガソリンタンクが9.6Lと小さいため、無給油での最大航続距離が300km程度と少ない。時速100kmの高速走行では燃費は悪いとも聞く。

 

更に、250ccクラスの国産オートバイはグローバルモデルでは無いため、海外での交換部品の調達にも難がある。海外で手に入りにくい専用部品のスプロケット、ブレッキパッド、オイルエレメント等は持参せねばならない。

(ツーリング用に持参するオートバイ用の交換部品)

 

2月に地元のオートバイ店で状態の良い中古モデルを見つけ早速に注文。走行距離2,700km2017年モデルだった。ツーリングセローと言われるウインドシールド、ハンドガード、大型荷物キャリア、エンジンアンダーガードが装備されているモデルだ。中古の本体価格は約40万円。

(購入したヤマハ製ツーリングセロー250)

 

アフリカでは自前でパンク修理をすることを余儀なくされるだろうと考え、このオートバイ店の店長の指導の下、パンク修理のトレーニングをさせてもらった。 閉店後の店内でタイヤレバーを使い購入したオートバイの前後の車輪を外し、更に車輪のリムからタイヤやチューブ(前輪)を外し、その後再度リムにタイヤを装着する。 現地のパンク修理状況を想定して、全て手作業で模擬修理を行った。腕力がかなり要求される作業だった。おかげでトレーニング翌日は、腕を足の筋肉痛に見舞われた。

(パンク修理のトレーニングでお世話になった横浜市旭区の丸富オート販売・環二市沢店)

 

航続距離を延ばすための予備の燃料タンク(缶)をどうするかがハード面での最大の課題だった。オートバイのツーリング用品の専門店であるラフ&ロードの本社広報担当者から国内の林道走行では有名な女性ライダーが当方と同じオートバイに外国製の予備燃料缶を取付ているとの情報を得て、早速同女性ライダーとコンタクト取り、米国ロトパックス(ROTOPAX)社製の1ガロン(3.8L)容量の燃料コンテンナ(ポリ缶容器)の存在を知った。

 

ロトパックス社製の容量1ガロンの燃料コンテナを2個オートバイの後部横側に特注で製作してもらった金属パイプ製ホールダー使って固定した。 ロトパック社製燃料コンテナ2個と取付金具、そして特注のバイク車体への取付ホールダーの製作で合計約7.3万円費やした。

(予備燃料コンテナを取り付ける特注の金属パイプ製ホールダー)

 

(米国Rotopax製の1ガロン燃料コンテナを2個取付けたセロー250)

 

(特注の金属パイク製の取付ホールダーを製作してくれた神奈川県・綾瀬市のオートバイショップ・アウトラン)

 

予備の燃料コンテナ(ポリ缶)2個とオートバイ本体のの燃料タンクを合わせると17.6Lの燃料容量が確保される。無給油で最大約500kmの走行が可能だ。

 

オートバイが軽量故、持っていく荷物は最小限にした。

 

軽量なソフトタイプのサイドバック2つには修理工具と交換部品(前後輪のチューブ、前後のスプロケット、チェーン、前後ブレーキパッド、エアクリーナー、オイルエレメント等)とビバーク用のツエルト(簡易テント)、小型の蚊帳(マラリア対策)、シュラフカバー(シュラフ持参は断念)と雨具を入れる。

 

衣料等の旅行用品は50Lの完全防水のOrtlieb製のソフトバッグに入れる。30LGIVI製軽量(かつ廉価)のトップケースには携帯用パソコンや貴重品等を収納する予定。

(ツーリング荷物=トップケース、2つのサイドバック、黄色の50Lのソフトバックを積んだ状態ではオートバイの幅がかなり広くなってしまった)

 

(ツ-リング荷物を積載した状態の側面からの写真)

 

ラフ&ロード社にはツーリング用品を安く提供してもらった。同社には海外ツーリングサポート制度があり、同社製造品については通常販売価格の半分で提供してもらう。その代わり、同社の名入りスッテカーをバイクに貼ったり、ツーリング中の写真を同社の宣伝用に提供する。アフリカツーリング用にオートバイを新たに購入したため、装備品も新たに買い揃えなくてはならない当方には大変うれしいスポンサー的な存在になった。

(横浜市港南区のラフ&ロード本社)

 

オートバイの輸送

 

オートバイは横浜港からスペインのバロセロナ港までコンテナの混載で海上輸送する。

320日に輸送業者(スキャンウェル・ロジスティック社)の指定の保税倉庫にオートバイを持ち込んだ後、同倉庫にて木枠梱包を行い、通関後コンテナーヤードに搬入してもらう。 4/4に横浜港をオートバイを載せ出港したコンテナ船はシンガポール経由で5/8にバロセロナ港へ到着予定だ。

 

バロセロナ港では荷下ろし、通関業務等、梱包の解体を除く一切の業務をスキャンウェル・ロジスティック社のスペイン支店にて行ってもらう予定だ。横浜港での木枠梱包、通関、コンテナーヤードへの搬入等の輸出業務費用が12万円弱。スペインサイドの荷役作業等が11万円強。海上運賃自体は約5万円だ。 輸送全体に関わる費用は合計約28万円となった。

 

輸送業者を選定するにあたり、78社程度の輸送業者にコンタクトしてバイク輸送の可否を確認し、可能な業者へは輸送費用の見積りを依頼した。スキャンウェル・ロジスティックス社の対応が一番優れていたため、同社で輸送をお願いした。

(横浜港の保税倉庫にて輸送のため木枠梱包途中のオートバイ)

 

アフリカ諸国のビザの取得

 

海外ツーリング途中の第三国の在外大使館で訪問したい国のビザが取得出来る保証はない。

 

基本的には在外大使館はその国の居住者のみを対象としてビザを発給しているからだ。

例えば、在日外国大使館では日本人と日本に居住権を持つ外国人のみにビザを発給をしているケースがほとんどだ。そのため、日本を旅行中の外国人が日本に所在する第3国の外国大使館で他国のビザを取得するのは難しい場合が多い。

 

事実、アフリカ東ルートを現在バイクでツーリング中の知人はコートジボアール所在のガーナ大使館にて同国のビザを取得しようとしたところ、コートジボアールのマルチビザ(数次入国可能なビザを所有していると居住者と見なされる)を所有していないためガーナ大使館ではビザの申請を複数回断られたとか、ベナンでは隣国ナイジェリアのビザを取得できずナイジェリアへの入国を諦めざるを得なかったと聞いた。

 

そのため、当方は出国する前に出来るだけ多くの通過国のビザを取得しようと考えている。ただし、ビザの有効期限を考慮する必要がある。ビザの有効期限を発給後90日以内に制限している国が多い。つまり、ビザ取得後90日以内にその国へ入国して、更にその有効期限内に出国する必要があるということだ。

 

訪問国により多少事情が異なるが、ビザの申請書類として日本から当該国までの航空券、宿の予約確認書、現地での旅行計画書、銀行預金の残高証明書、親近者による保証書、黄熱病予防接種の証明書等複数の書類が要求される。 また、在日大使館であっても国によっては問い合わせは英語あるいはフランス語に限定という大使館もある。

 

コートジボアール大使館でビザ申請しようとした際には困った。

大使館のインターネット上のホームページでは申請時の必要書類について<渡航に十分な資金を有することを証明する書類>あるいは<宿の予約確認書>のいずれかの書類と記載されているにもかかわらず、両方の書類が必要だと大使館領事官に言われ、申請書類の受理を断られた。 

 

当方は資金を有すること証明するための英文の銀行残高証明書を持参したが、宿の予約確認書は用意しかなった。

 

他国のビザ申請スケジュールがびっしり詰まっているため、その日のうちに(受理は通常午前中)にコートジボアール大使館のビザ申請をなんとか済ませたい。その場でスマホを利用して海外のホテル予約サイトでコートジボアールの宿の予約を行うが、予約確認書の印刷が必要だった。

 

インターネット経由受け取ったスマホ上の予約確認書を印刷すべく大使館付近のセブン・イレブンに向かった。セブンイレブン店舗内に設置の印刷機の前で同店店長に手助けしてもらいながらスマホと印刷機の接続を試みたがうまくいかない。

 

一時間の試行錯誤の後、コンビニ店長のスマホ経由予約確認書を印刷して、大使館の受付時刻終了直前に再度申請書類を持ち込むことが出来た。当方のために一時間も試行錯誤をしてくれたセブンイレブンの店長へおおいに感謝をしたい。

 

4月に入ってから、ツーリング日程案を綿密に策定して、マリ、ブルキナファソ、コートジボアール、ガーナ、ナイジェリアのビザを取得した。 今年はゴールデンウイークが10連休となるため、5/13の出国予定日までに、あと一つカメルーンのビザ取得を試みるのが精一杯だろう。 

 

以上

(東京都渋谷区に所在する在日コートジボアール大使館)

 

(スマホ上のホテル予約確認書の印刷でお世話になったセブンイレブン渋谷上原2丁目店)