2018/5/3(木) ロス・モチス2泊目 アメリカでのルート検討
アメリカへの入国まで数日しかない。アメリカのツーリングルートを大雑把ながら決めるためホテル代が安いロス・モチスで2泊することにした。メキシコでもアメリカとの国境が近づくに従いホテル代が高くなっていくようだ。
日本の留守宅から郵送してもらったアメリカの旅行書2冊(地球の歩き方アメリカ・ドライブとアメリカ)を参考にしながらアメリカ東海岸までのルートを以下ように決める
メキシコ・ノガーレス(Nogales)からアメリカへ入国~Tuscon~Pheonix~Grand Canyon~Monument Valley~Santa Fe~Oklahoma City~Memphis~Atlanta~Richmond~Washington D.C.~New York~Boston。 走行距離は約5,500km。
鹿児島から北海道の稚内まで約2,400kmの距離がある。鹿児島~稚内を一往復以上の距離を約1カ月かけてツーリングする計画だ。
長い距離だが、ユーラシア大陸横断(24,000km)や南米走破(22,000km)そしてパナマ~メキシコ北部まで(8,000km)を走行した後では、驚くほどの距離とは感じない。
アメリカ東海岸へ到達後、それ以降のカナダ・アラスカへのルートは考えることにする。
3日前にE-メールでアメリカの保険代理店(Motorcycle Express社)から受取ったアメリカとカナダのオートバイ保険の内容に誤りがあった。車体番号が間違っている。保険代理店に訂正を依頼したが、返事が来ないのでやきもきしている。
アメリカの保険代理店は返事が早いと思っていたが、今までのメールでのやり取りではそうでも無いようだ。
2018/5/4(金) ロス・モチス~グアイマス(Guaymas) 358km
カルフォルニア湾に沿って北上中だ。 今日はアメリカ国境と接するソノラ州(Sonora)
のグアイマスに向け8:45にロス・モチスのホテルを出発した。
ガーミンのカーナビが3日前から調子が悪い。カーナビ画面上に地図がしっかり映らない。 地図上の走行道路と実際の道路がずれている。メキシコまでは南米の地図データを使っている。原因は判らない。 こんな場合はスマホの地図アプリ(Maps.Me)を使う。
道路沿いは広大な耕作地が続いている。耕作地の先は土と岩のシエラ・マドレ山系に遮られている。 草木が映える中南米の山は景色が良かったが、シエラ・マドレ山系の山々は砂漠の様に殺伐としている。
(道路沿いに広がる小麦畑)
交通量が比較的あるため道路が傷んでいる。上り車線や下り車線を全面閉鎖して舗装の張り替えをしている区間が多い。何故か知らないが、張り替え後の路面はコンクリートになっている。他の中米諸国でも補修後の路面はコンクリートに代わっていた。
(片側の道路=写真右側は工事中)
コンクリートの方が長持ちするためか。あるいは暑さに強く路面が頑丈なのか、それとも政治家とコンクリート会社の利権が結びついているのか。
「コロナ」ブランドのビール会社である米系コンステレーションブランド社のビール工場を道路沿いに見つけた。だめもとで工場見学を申し込んだが、見学は事前に申し込んでほしいと言われ、その場での見学申し込みは断られた。 残念だが諦めるしかない。
(道路脇のビール工場)
(グアイマス付近のカリフォルニア湾とつながる内海)
(グアイマスのショッピングモールに迫る禿山)
グアイマスはカルフォルニア湾に面した町であるが、緑の樹木が無い。土と石で砂漠化した禿山がグアイマスの町まで迫ってきている。この先は砂漠になるのだろう。
投宿はGuaymas Inn(素泊まり650ペソ=約3,900円)
2018/5/5(土) グアイマス~エルモシージョ(Hermosillo)141km
グアイマスで投宿したホテルの周りには見るべきものがなかったので、先に進むことにした。 アメリカと国境をなすソノラ(Sonora)州の州都であるエルモシージョ(Hermosillo)へと進んだ。
エルモシージョは内陸に入った灌木の砂漠地帯にある都市のため、日中は暑い。エルモシージョへ向かう高速道路上ではバイクの温度計が38度を示していたので、炎天下では40度を超えていることは必至だろう。 バイクを止めて眠気覚ましの休憩をするものの、道路沿いには木陰がないため暑くて休憩にならない。
(グアイマス~エルモシージョ途中の立派な道路)
(道路脇の荒地には大きなサボテンが目立つようになる)
ソノラ州はシナオラ州より1時間遅れている。メキシコ・シティーとは2時間の時差に開いた(日本との時差は16時間)。10時前にグアイマスを出発すると12時過ぎにはエルモシージョに到着した。
前日Booking.ComにてIbisホテルへ予約を入れていたが、中心部から離れた場所で一泊850ペソ(約5,100円)と高い。キャンセル無料の予約だったので、市内の中心部に別のホテルを見つけ、そこに宿泊することにした。
州都の割に町は小さい。カテドラルや州庁舎がある中心部へ徒歩で出かけた。
16時過ぎでも歩道を歩く人は少なく寂しい感じだ。カテドラルの中へ入ろうとしたが、結婚式の最中だった。この日は3組の結婚式がカテドラルで行われていた。
(エルモシージョのカテドラルと結婚式の集団)
(太目の女性が人気のようだ)
メキシコ滞在が残り少なくなるとタコスを食べたくなる。街角で新鮮な肉を強火で焼き上げる評判のタコスの店を教えてもらった。 強火で焼き上げたステーキを大きなまな板の上で細かく切り刻む。トルティージャ(トウモロコシの粉で作った薄い皮のパン)に焼肉、野菜と辛子入りの薬味を載せ、自家製タレを付けて食べる。 肉が焼き立てで旨い。
投宿はHotel San Alberto(一泊499ペソ=約3千円)
(エルモシージョの商店街)
(評判のタコス屋)
(肉が入ったタコス。一つ約22ペソ=約130円)
2018/5/6(日) エルモシージョ~ノガーレス(Nogales) 282km
午前8:30にエルモシージョのホテルを出発して15号線をアメリカと国境接するノガーレス(Nogales)の町へと北上する。
高速道路沿道は灌木の荒地だが、エルモシージョから約40km進んだ道路脇に広大なブドウ園が現れる。高速道路沿いに長さ10kmほどに渡る緑に生い茂ったブドウ園だ。ワインを醸造しているのだろうが、メキシコワインは聞いたことが無かった。
(道路脇に広がるぶどう畑)
(金鉱山があるぼた山)
エルモシージョから更に約200km進んだ荒地の中に巨大なぼた山が見えた。ここには金の鉱山があり、カナダの鉱山会社が操業している。
国境の町ノガーレスに到着したのは13:30頃だった。投宿したホテルは国境の鉄の柵から100mも離れていない場所にあった。国境の柵の向こう側にはメキシコ・ノガーレスと同一の名前のアメリカのノガーレスの町が見える。 この国境には川も谷も無い。
(フェンスの向こう側はアメリカだ)
日曜日だというのに、アメリカからの観光客目当てに国境の町は賑わっていた。
物価が安いメキシコで最後の調髪、バイクの洗浄を行う。 3日連続で美味しいタコスを食べている。炭火で肉を焼いた評判のタコス屋だった。
(ノガーレスの町並み。投宿したHotel San Carlosは写真右側にあった)
(タコスの具になる炭火で焼き立ての肉を刻む)
(ノガーレスでもメキシコ最後のタコスを食べた。タコスの肉に野菜を加え、辛子ソースをかけると美味しい)
国境の町ではガソリン価格が他のメキシコより約一割安かった。通常ハイオクタンの価格は1リットル19.5ペソ(約117円)だが、ノガーレスでは17.5ペソ(約105円)だった。また、ペソから米ドルへ両替する際のレートが他の地域よりペソが約5パーセントセント高く取引されている。 ペソを米ドルに交換するならノガーレスで行うのが有利だ。
投宿はHotel San Carlos(一泊480ペソ=約2,900円)
2018/5/7(月) ノガーレス~米国入国~トウーソン(Tucson) 214km
忙しい日だった。朝早く国境を超えるためホテルを午前6:30に出発した。その時間でも国境を超える車が国境ゲート前に200m以上列を作っていた。
車の列に入り順番を待っていると、警察官が「バイクは列の先端まで進んでも構わない」とのアドバイスをしてくれる。アドバイスに従い、車列の最先端まで行き、横入りする。
(アメリカ入国の検問所)
バイクでのアメリカ陸路入国については1年前にメールで米国政府機関(CBP)に問い合わせしていた。米国政府機関からは「国境にて入国手続が可能」との回答を得ていたが、簡単に入国できるか自信が無かった。
順番が来て係官が、アメリカ入国の許可を取得する手続きが必要だと言う。当方がメキシコ出国手続きの検問所だと思っていた検問所はアメリカ入国の検問所だった。メキシコからの出国の手続きは不要なのだ。 この国境検問所のCBP(Customs and Border Protection)の事務所にてビザ免除の書類を作成してもらい簡単に入国できた。
メキシコでのバイクの一時輸入許可書を失効させる手続きが必要なことを、ここで気が付いた。
メキシコ入国時に滞在期限内にメキシコ国外へバイクを持ち出すまで約400ドルの保証金をメキシコの関税当局に払っていた。 バイクの一時輸入許可を取り消す手続きのため、再度メキシコに入国して、ノガーレスの町から約20kmメキシコ国内へ入った国道沿いの関税事務所まで行かねばならない。
前日通過した場所だが、全く気が付かなかった。 ここで一時輸入許可の失効手続きを行なうと、翌営業日にはクレジットカードで支払った保証金がクレジットカードへ戻されると言う。
(メキシコ・ノガーレス郊外の一時輸入許可書を失効させる事務所)
米国再入国時に係官へ「米国へのバイクの一時輸入の手続きはどこで行うか」と尋ねたら、米国ノガーレスの陸運局(AMVD=Arizona Motor Vehicle Division)で行なうとの回答を得た。 陸運局では「一時輸入許可の書類は不要」と言われたため、何もせずに放置することにした。 しかしながら、米国から出国するときにトラブルにならなければよいがと一抹の不安を感じた。
(アメリカ入国直後のアメリカ側ノガーレスの町)
(ノガーレスからトウーソンへ向かうインターステーツの高速道路)
アメリカ入国後のトウーソン(Tucson)の町ではやることが多かった。
カーナビ用の米国・カナダの地図データ(SDカード)を買うためガーミンの支店を訪れ、SDカードを取扱っているショップを紹介してもらう。 そのショップにてガーミンカーナビ用の北米地図データを購入(価格は約85ドル)。
T-Mobile社の店舗にて携帯電話のプリペイドシムカードも購入。1カ月間米国、カナダ及びメキシコにて電話かけ放題と10GBのデータ通信で50ドル。
更に JAF(日本自動車連盟)が提携しているAAA(アメリカ自動車連盟)の事務所を訪ね全米、カナダ、アラスカ等の地図と旅行ガイドを無料で入手した。同事務所では、ツーリングルートのアドバイスももらう。
(トウーソンの町 全ての道路は広い)
(AAAの事務所)
(宿泊したモーテル)
トウーソンでの宿は予約していなかった。 米国ではモーテルが多いので予約をしなくても簡単に宿が見つけられると聞いていたからだ。モーテルは比較的狭い地域に数軒まとまってある。4軒目に尋ねたモーテルで宿泊することにした。
投宿はRiviera Motor Lodge(素泊まり44ドル=約4,900円)