グアナフアト(メキシコ)~グアダラハラ~ロス・モチス(2018/4/27~5/2)1,191km | インベストメントライダーふるさんのブログ Investment rider Seiji Furuhashi travelling around the world by motorcycle

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オートバイで世界を駆け回るインベストメントライダーを目指す個人投資家。
オートバイでのユーラシア大陸横断と南北アメリカ大陸縦断、アフリカ大陸とアラビア半島横断、東南アジア・インド・中近東を走行後、2024年4月~5月オーストラリアツーリング。

2018/4/27 () グアナフアト~グアダラハラ(Guadalajara) 271km

 

迷路のグアナフアトの市内を通りメキシコでは二番目に大きいグアダラハラ(Guadalajara)へ進む。グアナフアト~シラオ(Silao)経由レオン(Leon)までの約70km区間の45号線はビジネス街道(Ruta de negocio)とも呼ばれている。45号線沿いに工場や倉庫が多いからだろう。

(グアナフアトからグアダラハラへ向かう途中の台形の山)

 

レオンからグアダラハラまでは灌木の荒地と灌漑を施した農地が点在する。この区間の高速道路もトラックの交通量が多い。日本の東名高速を走っているようだ。

 

大気汚染がひどかったかつての東京首都圏の空のように大気が濁って薄曇りのようになっている。 大気汚染のせいかどうか知らないが、バイク運転中に頭痛と目の痛みを感じる。痛みはグアダラハラへ着くまで続いた。

 

15時にグアダラハラのホテルに到着。ホテル到着後、1.5km程歩いて市内の中心部のメルカード(市場)へ野菜や果物等の食料品を買い出しに行く。ごちゃごちゃした町並みだ。 

(グアダラハラの下町商店街 暑さ避けの天幕)

 

グアダラハラはマリアッチ(楽器を演奏しながらメキシコの歌を歌うグループ)発祥の地と言われ、市内には約千名ほどのマリアッチがいるという。ただし、活動しているのはその半分程度だとマリアッチ広場で話をしたアグスティン氏が教えてくれた。昼間は一曲100ペソ程度だが、夜になると200ペソだという。グループで分けるため一人分の稼ぎは多くないようだ。 

(マリアッチのアグスティン氏)

 

(グアダラハラの若手マリアッチ)

 

投宿したホテルの周辺の雰囲気は良くない。ホテル近くの食堂のおばさんから聞いた話しでは、近所で1カ月前の白昼にピストル強盗があり被害者が撃たれて死んだと言う。また、道路を挟んだホテルの反対側の崩れかかった建物は犯罪者の巣窟になっているとも言っていた。ホテルの従業員からはそんな危ない話は出て来なかった。

 

投宿はAuto Hotel Aquiles(ビスケットとコーヒー付き朝食一泊504ペソ=約3千円)

(投宿したモーテル)

 

2018/4/28 () グアダラハラ市内観光

 

メキシコ・シティーに次ぐ第二の都市とあって旧市街の歴史的地区は立派だった。グアダラハラの位置する地域はスペイン植民地時代には新ガリシア(Nueva Galicia)と呼ばれた地域だった。

 

太平洋を越えてフィリピンとの交易で陸揚げされた物資がこの地を経由してメキシコ内陸へと運ばれていった重要な町だった。この地には1600年代に日本人が2名いたと記録に残っている。どのような経路で当地に移り住んだかは分かっていない。

 

約1km四方の旧市街中心部にはカテドラルをはじめ州政府建物、劇場、財務省、司法省、立法府等の歴史的建造物が首都メキシコ・シティーのソカロ広場付近の様に威厳を保って保存されている。

(グアダラハラのアルマス広場とカテドラル)

 

 

中でも州政府建物内にはメキシコ独立のきっかけとなったイダルゴ神父の「立ち上がる僧侶」を描いた大きな壁絵がディエゴ・リベラと双璧の巨匠オロスコによって描かれている。

(外壁を補修中のハリスコ州庁舎)

(ハリスコ州庁舎の階段踊り場の「立ち上がる僧侶イダルゴ」の大壁絵)

 

ユネスコの世界遺産にも登録されている元孤児院だったオスピシオ・カバーニャス(Hospicio Cabanas)と言う歴史的建物の天井や壁にもオロスコによって描かれた「スペインの侵略」の大壁絵が残っている。入場料は70ペソ(約420円)だが、何故か学校の先生や学生およびメキシコ人シニア料金の50ペソのチケットを渡された。

(奥の建物が世界遺産の元孤児院オビスコ・カバーニャス)

 

(オビスコ・カバーニャス内の「スペインの侵略」壁絵)

 

昼食時に自由市場の食堂街で美味しそうに魚のスープを食している人を見た。当方も真似をして同じスープを頼んだが、味が薄く日本人の好みとは異なるようだった。

 

2018/4/29(日) グアダラハラ~テピック(Tepic) 215km

 

カーナビが導くグアダラハラの日曜日の街の中心部の道路はサイクリストや歩行者のため閉鎖されていた。そのため30分以上町中を迷走してしまった。

 

メキシコでは大型オートバイに乗り集団でツーリングをするライダーを見かける。今日はアメリカのハーレー・ダビットソンの大型バイクに乗る集団が爆音をたて走行していたので、途中の町まで集団の後について走行した。 

 

その間カーナビを注視していなかった。本来はグアダラハラから高速道路に入るはずだったが、気が付かず下道(一般国道)を走り続けてしまった。 下道を走り続けたらテキーラ(Tequila)という町を通った。メキシコの有名な蒸留酒テキーラを産出する町である。

(テキーラの町にはテキーラ飲料の垂れ幕が掛かっていた)

 

テキーラは竜舌蘭というアロエのような植物(スペイン語ではAgaveと言う)を蒸留してして作る強いお酒だ。メキシコ・シティーを出てから道路沿いの畑で見かけたアロエのような植物がテキーラの原料になる竜舌蘭と知ったのは最近だった。この地域も降雨が少ないステップ気候だが、竜舌蘭は乾燥地帯でも栽培が可能な植物らしい。

(テキーラの原料の竜舌蘭の畑)

 

テピック(Tepic)の宿で、裏切られた。宿泊予約サイトのBooking.comではエアコン付きの部屋となっているが、ホテルにチェックインするとエアコンが使えるのは料金が一番高い部屋のみで、当方が予約したスタンダード部屋ではエアコンの設備はあっても使わせないというのだ。

 

Booking.comの予約サイト上の条件がホテルの実態が違うことは時々あるが、エアコンが使えるのと使えないのでは大きな違いだ。 当方が異議を唱えると、「文句があるならBooking.Comへ言え」と強気だ。 駐車場もホテルの敷地内にあると予約サイトには掲載されていたが、実際は半ブロック位(約200m)離れた場所にあった。嘘をつくのは止めてほしいと言いたい。

 

テピックはナリヤット州(Nariyat)の州都だが、町には目を見張るものはなかった。

(テピックのカテドラル)

 

(テピックの商店街 日曜日のため閉店の店が多かった)

 

投宿はHotel Sierra de Alica(素泊まり420ペソ=約2,500円)

 

2018/4/30() テピック~マサトラン(Mazatlan) 269km

 

前夜のホテルの部屋は大通りに面していた。早朝暗いうちから大通りを通る車のエンジン音やクラクションで目覚めてしまう。ホテルはハズレだったので、早々にチェックアウトをして次の目的地のマサトランMazatlan)へ向け発った。

 

高速道路の料金所の窓口が閉まっている。旗を振った複数の人が料金所にいる。

高速道路に土地を提供した地主が政府に地代を払ってもらっていないと抗議のため料金所を占拠してた。当方にとっては好都合で3ヶ所の料金所で高速道路料金を支払わずに通過出来た。 

 

(テピックからマサトランへ向かうR15)

 

(乾季のため樹木は枯れている)

 

マサトランは太平洋に面した港町だ。この町からカリフォルニア半島の先端にあるラ・パス(La Paz)という町へフェリーが運航されている。また、クルーズ船も立ち寄る港だ。

 

前日のホテル選択の失敗から、マサトランでは部屋料金が少し高めだが、エアコンが備わっているホテルを予約。プールもある小ぎれいなホテルだった。ホテル受付の人からこの町の世界一高い場所にある灯台からの眺望を薦められた。

 

マサトランの町はずれの高さ200m300mの丘の上にある灯台へ出かけてみた。灯台の丘からはマサトランの街やその先の海岸沿いのリゾートの高層ホテルが良く見える。海面が太陽の反射で輝く太平洋の眺めも良い。

(灯台がある丘から見たマサトランの港と町並み)

 

夕食用の食材を探した。旧市街の複数の中華料理、シーフードの店、タコス屋等覗いてみるが、食欲を誘う料理では無い。美味しいタコス屋があるとホテル近所のコンビニの従業員から聞いた。 

 

屋台のタコス屋だったが、同じ場所で先代から28年間タコス屋をやっているという。

具に使う肉や野菜を見せてもらった。解凍した新鮮そうな牛肉と切りたての野菜を用意していた。やはり新鮮な材料を使わないと美味しいタコスにはならない。目の前で必要分の牛肉を焼いてタコスの作るので、味が良い。久しぶりに美味しいタコスを食べた。

 

多くのタコス屋は調理済みの肉を使ってタコスを作るが、いつ調理した肉か判らない。タコス屋の中には古い肉を使っている店もあるだろう。材料が悪いとタコスの味もよくない。

 

(街角で28年間商売をするタコス屋のチョラーダ 新鮮食材を売り物にしている)

 

投宿はHotel Mona Inn(素泊まり624ペソ=3,800円)

 

 

 

 

2018/5/1() マサトラン~クリアカン(Culiacan) 219km

 

亜熱帯の海抜ゼロm地帯のため、朝から暑い。アメリカとの国境を目指し約200km北のシナロア(Sinaloa)州の州都であるクリアカン(Culiacan)を目指した。クリアカンとは先住民の言葉で「クリア人の場所」と言う意味である。

 

マサトランからクリアカンへは高速道路もあるが、一般道の国道15号(R15)を通った。乾燥した大地は荒地になり、枯れた樹木の中に高さ3mほどのサボテンが群生している。

(マサトラン~クリアカン シエラ・マドレ・オクシデンタル山脈)

 

(マサトラン~クリアカンのR15)

 

国道15号線沿いには町らしい町は無く、所々に集落が点在している程度だ。一般道の制限速度は時速80kmとなっているものの、事実上は高速道路並みのスピートで通行可能だ。

 

気温が体温以上のため熱風を浴びての走行となる。長時間熱風にさらされると疲れる。途中のドライブインではアイスクリームを食べて体温を下げる。

(途中で休憩したドライブイン)

 

メキシコではペソ以下の金額が生じるとほとんどの場合、業者が有利になるようにペソの単位に切り上げる。これは消費者保護法の違反行為であるが、文句を言わないかぎりまかりとおっている。

 

補助通貨としてペソの下の位の10センターボ(centavo)単位の硬貨が流通している。法律では10センターボ単位まで硬貨のやり取りが義務付けられ、10センターボ未満では消費者が有利になるように切り下げ、切り上げをすることとしている。

 

しかし、実態はそうではない。スーパーマーケットの中にはペソ未満のお釣りが無いとしてお釣りを出さない店がある。お釣りがあってもレジ係は「おつりが無い」といって不当利益を上げている店舗もあるようだ。 当方がカンクンで連日買い物をしたスーパーはいつも「ペソ未満はお釣りが無い」と言っていたが、当方が文句を言うとお釣りを出した。

 

クリアカンはシナロア州(Sinaloa)の州都で人口80万人の都市となっているが、街を見た印象では10万~20万人都市のように小粒であり、歴史的建物の地区が無い。観光客らしき人はほとんど見かけない。当方も次の町へ向かう途中に一泊するだけのつもりで立ち寄っただけだった。

 

投宿はHotel del Valle(素泊まり476ペソ=3千円)

(クリアカンの州庁舎とカテドラル=写真奥)

 

2018/5/2() クリアカン~ロス・モチス(Los Mochis) 217km

 

前日ホテルでチェックインした際に不愛想との印象を持った中年のメキシコ人受付係が、チェックアウトする際には20kg弱ある重いバッグを抱えてホテル正面の車寄せに停車したオートバイまで持って来てくれるのではないか。不愛想なのはいただけないが、プロに徹したサービスには好印象を持った。 

 

クリアカンから次の目的地のロス・モチス(Los Mochis)までは高速道路があるが、一般道路の15号線を利用した。 部分的には片側2車線道路で高速道路並みのスピードで通行可能だ。

(クリアカン~ロス・モチスのR15)

 

この区間も不毛地帯と想像していたが、広大な畑が広がっていた。幅300mと超長い移動式パイプラインで灌漑をしていた。ただし作物が成長して灌漑が行き届いてトウモロコシ畑では作物は実も付けず枯れ果てていた。

(枯れたトウモロコシ畑)

 

(灌漑用移動式パイプ)

 

メキシコにはオクソ(Oxxo)と言う名のコンビニの店舗数が多い。日本のコンビニの様に街角にもあるし、道路脇のガソリンスタンドにも併設されていることが多い。バイクツーリング中には重宝する。

 

このコンビニでは小カップの煎れたてコーヒー(360ml)14.5ペソ(90円弱だ)で販売されている。小カップと言っても日本のコンビニコーヒーの2倍の容量だからなかなか飲みきれない。

(コンビニ・オクソ=OXXO)

 

 

ロス・モチスはチワワ太平洋鉄道の終着・発着駅でもある。また、カルフォルニア湾を渡りカルフォルニア半島と最短距離で結ぶフェリーの港もある町だが、町は小さい。

 

投宿はHotel Lorena(パン・コーヒーの朝食付き一泊493ペソ=約3千円)

(ロス・モチスのカテドラル)