9/6(水)~9/8(金)ナポリで盗難されたバイクを取り返す
その後、盗難犯からバイクを取り戻す交渉をしてもよいという現地人が現れた。その交渉人を通じてバイクを取り戻すことができた。お金がかかった。
取り戻したバイクのハンドルロックが壊されている。犯人はハンドルロックを壊してバイクを引いて盗み去ったようだ。ナンバープレートは付けっぱなしだ。
(ハンドルをロックする白いアルミ部分=写真左側が壊されハンドルが自由に動くようになっている。ロックすをするとバイク本体黒い部分から出ている丸い棒が壊れたアルミ部分の左側穴に入ってハンドルが動かないように固定されるのだが)
当初は転売目的のプロの窃盗団の仕業と思ったが、プロだったら直ちにナンバープレートは取り外すだろう。合理的に考えると今回の盗難は後で取り戻す交渉を持ち掛けることまで仕組んだ罠だったかもしれない。
イモビライザー(盗難防止電子ロック)付きのバイクはハンドルロックが壊わされるとエンジンがかからない仕組みだ。修理のため、2日前にお世話になったBMWモトラッド(バイク)のディーラーにバイクを引き取りに来てもらった。
ディーラーのエンジニアがスクーターに二人乗りで現場にやって来た。一人が当方のバイクに乗り、そのバイクをスクターに乗っているもう一人のライダーが足で押して並走しながら去り行く。サーカス業だ。
宿泊していた港近くの地区(メルカート地区)はBMWのディーラーの人たちにもナポリでも治安が良くない場所だと指摘され、宿を変える。
バイクを修理に出したBMWモトラッドのディーラーから修理費用が1,100~1,200ユーロ位(14万円~15万円位)かかるだろうと当初聞いていた。
しかしながら、当方の事情を勘案してくれ690ユーロ(約9万円)で部品交換を含めての修理対応してくれた。修理は素早く、優先的に対応してくれたようだ。
(お世話になったBMWディーラーのスタッフ)
ナポリの町をよくよく観察するとセキュリティー対策が取られている。銀行内に入る場合は、入り口のロッカーに金属類は全て預け、金属探知機の全身スキャン扉を経て入る。
路上駐車中の古びたスクーターは太いチェーンで
盗難防止されてある。
(銀行入口の金属類を預けるロッカー)
(銀行入口の金属探知スキャン扉)
(スクーターの座席とタイヤを太いチェーンで結ぶ盗難対策)
ナポリ滞在中はビザ店で修業中の日本人若者に
旧市街の美味しい地元ナポリ料理のレストランに案内してもらう。
前菜はボリュームたっぷり。パスタ用の玉ねぎを煮込んだ作った絡めソースは醤油もみりんも使っていないのに日本の味がする。
アンチョウビーやイカの天ぷらは塩加減がちょうどよく上手い。二人で食べてビール2本も合わせ価格は40ユーロ弱(約5,200円)。
(前菜)
(パスタの玉ねぎを煮込んで作ったソースが日本の味)
(アンチョビーとイカの天ぷらは絶品)
9/9(土)ナポリ~タルキニア(ローマの北50km位の小さな町) 305km
ナポリで6泊と当初計画以上の滞在となった。イタリアから離れるべく北イタリアのジェノバ(Genova)方面に向けてナポリを出発した。
ナポリからジェノバまでは700km弱の距離があるため、1日で走行を諦め中間地点にあるタルキニア(Tarquinia)という小さな町で一泊することにした。
ナポリ最後のホテルには駐車場が無かった。盗難を恐れ、ナポリ出発前夜は修理済みのバイクをBMWモトラッドのディーラーにて保管してもらう。出発当日の朝ディーラーへバイクを取りに行き、ナポリを後にした。
タルキニアまでは時間優先で高速道路で向かう。高速道路の走行は味気ないが、その分現地には早く到着するので、現地での観光見物が可能だ。
タルキニアはローマの北50kmに位置する2万人弱の小さな丘の上の城壁に囲まれた古い街だ。
(高速道路から見るタルキニアの町)
(旧市街の城壁。旧市街はこの城壁の中にある)
後で知ったが、町の近くにはイタリアの世界遺産の一つであるエストリア遺跡墓地群があるという(紀元前3世紀頃のエストリア時代の墓地遺跡)。
旧市街は丘の上の城壁の中にある。城壁からは2~3キロ離れた地中海が見渡せる。土曜日の午後というのに観光地でないためか人通りは少なくのんびりした町だ。
旧市街の建物は、煉瓦と土で作った古い建物の外壁がいたるところで風雨で浸食されて壁に凹凸ができている。歴史的建物なので勝手に修理はできないのだろう。時代を感じさせる建物は内装を整え住居、商店として使われている。
本日の宿は日本でいえば民宿のような宿だ(Tarchon Luxury B&B 一泊34ユーロ)
9/10(日)タルキニア~ジェノバ(イタリヤ)397km
早朝から雷雨だ。乾いた土地には慈雨だろうが、バイクで出発する時に雷雨とは…。季節の変わり目だろう。
雨の日はヘルメットのシールドに水滴が残り視界が非常に悪い上、オートバイのタイヤが雨で滑り。走行には注意が必要だ。幸い出発する時刻は日曜日の午前中とあって交通量が少ないのが救いだ。
ジェノバまで一部の区間約30km~50kmを除けば全て高速道路だ。高速道路は無料区間と有料区間がある。無料区間の道路はかなり傷んでいる。路面は舗装のツギハギででこぼこしている。
他方有料区間は舗装も完璧で立派だ。約180kmの距離で23ユーロ(約3千円)だから、結構高い。
ジェノバに向け高速道路を北進すると小高い山の上に町が広がっている。似たような町が山の上に複数形成されてる。山の上だから、本来なら城を構えるような場所だ。
おそらく中世の時代に外敵から町を守るために、攻め込まれ難い山の頂きに町を作ったのだろう。水道を引くにしても山の上まで水を揚げるのは大変だっただろう。
(山の上に形成された町は数多い)
ジェノバ手前100km~ジェノバまでの区間は高速道路が山岳地帯を通る。日本の中央高速道路の八王子から山梨県の大月までの区間の風景に似ている。
しかしこのジェノバへの高速道路は路側帯がない片道2車線のため、道幅が狭く感じられる。橋の欄干が低く谷底まで良く見えるため恐怖心が湧く。地中海が見えると直ぐジェノバの町だ。
ジェノバは静岡県の熱海市のように山の斜面を利用した市街地が多い。港町ということで、ナポリの下町のイメージを想像していた。しかしながら想像とは異なり、ジェノバはあか抜けている。
町の建物は古いながらもパステルカラー色のため町全体が明るい感じだ。旧市街の通りは貿易で栄えた時代に建てられた石造りの建物や、貿易で財を成した当時の有力者の建物がある。この街の一角がユネスコの文化遺産となっている。
ジェノバではHotel Belleuve(一泊55ユーロ)という坂の途中にあるホテルに宿泊。
(市庁舎外観 この通りと通りの建物群はユネスコ世界遺産に登録されている)
(街の中心のフェラリー広場。左手の建物は旧証券取引所建物)
(ジェノバは坂の町だ)
(ジェノバのプリンチペ駅と駅の向こうに見える港)