離婚や死別などによって、父または母のどちらか一方が子どもを育てる「ひとり親家庭」。
日本では決して少なくない存在ですが、その背景には、経済的な困難だけでなく、心理的な課題も多く潜んでいます。
この記事では、ひとり親家庭に生じやすい心理的ストレスやその影響について、家族心理学の視点から考えてみましょう。
1.「二役を担う」ことの心理的負担
ひとり親は、文字通り「親を一人でやる」ことになります。
たとえば、父親と母親の両方の役割を一手に担うため、常に「しっかりしなければ」と自分を奮い立たせる必要があります。
- 父親役としての厳しさや経済的支え
- 母親役としての情緒的なケアや日々の細やかな対応
これらを同時に行うことは、心身の大きな消耗をもたらしやすく、結果として「自分を後回しにし続ける」状態が慢性化しがちです。
2.親のストレスが子どもに及ぼす影響
親が疲弊していると、子どもはその空気を敏感に察知します。
- 「お母さんを困らせないようにしよう」
- 「お父さんに甘えたいけど、我慢しなきゃ」
このように、子どもが無意識に“いい子”を演じたり、自分の気持ちを抑えこむことも少なくありません。
その結果、感情を表現することに難しさを感じたり、自己肯定感の低下につながることもあります。
3.「誰にも頼れない」という孤立感
ひとり親家庭では、親自身が「弱音を吐けない」「迷惑をかけてはいけない」という思いを抱えやすく、社会的な孤立に陥ることがあります。
- 周囲に助けを求められない
- 感情の吐き出し口がない
- 自分だけが頑張らなければというプレッシャー
こうした状況が続くと、うつ的な気分や慢性的な不安、イライラなど、心理的な不調が深刻化していくことがあります。
4.「自分さえ我慢すればいい」では続かない
親が自己犠牲を重ね続けると、やがて心のエネルギーが枯渇してしまいます。
心理学ではこれを「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と呼びます。
大切なのは、「自分をケアすること」が「子どもを守ること」でもあるという視点です。
- 時には人に頼る
- 自分の感情に正直になる
- 「助けて」と言える場所を持つ
こうした小さな行動の積み重ねが、親子双方の健やかさを支えてくれます。
5.支援が必要なのは「弱いから」ではなく「人間だから」
最後に強調したいのは、「支援を受けること=弱さ」ではないということです。
むしろ、自分と子どもの未来のために必要な支援を選び取ることは、親としての“強さ”とも言えるでしょう。
地域の相談窓口、スクールカウンセラー、ひとり親支援団体、NPOや教会の子育て支援など、さまざまなサポートがあります。
孤立せず、つながりの中で子育てできる環境が、子どもたちの心の健やかさを守る土台になります。
終わりに
ひとり親家庭は、強く、たくましくあろうと日々を生き抜いています。
しかし、「強く見える」その裏側には、誰にも見せられない孤独や不安があることも事実です。
だからこそ、少しでも「こころ」の負担を減らせるような視点や支援の在り方を、社会全体で考えていく必要があります。
この記事がその一助となれば幸いです。
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