Ann Burtonは以前も取り上げたことがある大好きなJazz Singerの一人であるのだが、ここ日本でも70年代に高い人気を誇り、73年の初来日以来、生涯で4度の来日公演を行い、日本でもアルバムを制作している。本日ご紹介するのは、そんな日本制作のご機嫌なアルバムのひとつ。Ann Burtonが77年に来日した際、高知のJazz ClubでKenn McCarthyのピアノだけをバックに素晴らしい歌声を披露した模様を収録した未発表Live Albumで、『宵のひととき(ライブ・イン・ジャパン '77)』という邦題で2003年に発掘されAll Artからリリースされている。同年にLobからリリースされた『He's Funny That Way』やTrio Recordsからリリースされた『Burton For Certain』という日本制作の素晴らしい作品を残していたAnnだが、本作では彼女のMCや観客の様子まで録音され、RelaxしたAnnのLive Performanceが楽しめるのは嬉しい。しかもピアノ奏者とのDuoというSimpleさゆえに、Annの優しく包み込む暖かみのある歌声と情感豊かな歌唱がダイレクトに伝わってくるのが良い。そしてKenn McCarthyの歌心のあるピアノが最高なのである。また、Ann Burtonといえば、選曲のセンスがいつも素晴らしいのであるが、本作ではStandard Numberに加えてThe BeatlesやCarpenters、、Eaglesのナンバーを取り上げ、しっかり自分のものとしているのに感心させられる。常々AnnはフォービートのJazz以外にRockやPopsにも素晴らしい曲があると言っていたらしいし、Marvin Gayeの『Let's Get It On』を高く評価していたというから、ジャンルの垣根を越えて、本当に音楽好きで、音楽の本質を良く分かっているSingerだといえるだろう。AmsterdamでPolandからの移民であった母親と共に第二次世界大戦でユダヤ人迫害に直面し数々の苦難を乗り越え、遅咲きのDebutを飾ったAnnだからこそ、高い技巧を越えて人々の心に訴えかける深い感情表現ができるのであろう。自分にとっていつまでも、ずっとそばに置いておきたい愛すべき名盤である。
『A Lovely Way To Spend An Evening (Live In Japan 1977)』は77年に高知のALTECで行われたAnn BurtonとKenn McCarthyのピアノとのDuo公演の模様を収録したLive Album。
アルバム1発目は大好きな『Ballads & Burton』にも収録されていた“A Lovely Way To Spend An Evening”。暖かい拍手に迎えられてAnnが歌い出す瞬間に思わず熱いモノがこみ上げてしまう。
“Lover Come Back To Me”は小気味よいKenn McCarthyのピアノとAnnのVocalの高い技巧に酔いしれる。思わず指パッチン。
Debut Album『Blue Burton』に収録されていた大好きな“But Not For Me”。Verseからジックリ歌い上げるのが素晴らしい。
『Ann Burton Sings For Lovers And Other Strangers』収録のRod McKuen作“A Boy Named Charlie Brown”.。このセンス、Annはやっぱり素晴らしい。落ち込んだ時にこの曲で何度慰められたことか。
“Got To Get You Into My Life”も同アルバム収録で、これまたご機嫌なArrangeで極上の歌とピアノに酔いしれる。最高。
Carpentersの“Rainy Days And Mondays”は語りかけるように歌う。
Fats Wallerで知られる“Ain't Misbehavin'”でBluesyなVocalが良き。
小粋なVocalが絶品の“Exactly Like You”。
Duke Ellingtonの“Just A-Sittin' And A-Rockin'”もIntimateな魅力が感じられるご機嫌な仕上がり。
“You've Changed”はBalladの名手Annの真骨頂。
“I Won't Cry Anymore”も小粋なピアノで始まり手拍子も微笑ましい。
Eaglesの“Desperado”、Bobby Hebbの“Sunny”もAnnらしさが良く出ている。これまた後者の手拍子がアレだけど、それまた微笑ましい。
73年のMusical『A Little Night Music』に使われた“Send In The Clowns”もAnnの情感豊かなVocalに酔いしれる。
Billie Holidayの名唱で知られる“He's Funny That Way”。
最後を飾るのは大好きな“A Lovely Way To Spend An Evening”。最高。
◎Got To Get You Into My Life/Ann Burton
(Hit-C Fiore)
