Live At The BBC/Dire Straits | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Dire StraitsのLiveだったら、個人的には初期の4人組だった頃の荒削りでイキのいい演奏が聴けるのが良い。あくまでも個人的な趣味であり好みの問題であるが鍵盤や管楽器もない4人だけの勢いのある演奏。後の円熟した味わいのあるDire Straitsは勿論、魅力的だし、その味わい深さを年を重ねるたびに、より楽しめるようになってきてはいるけれど。PunkとNew Wave全盛のLondonに突如現れた4人組。Punkにドップリ浸かった後にPaul Weller兄貴の影響でR&BやSoul、Funk、Jazzを聴くようになって、米国南部の音楽に出会った自分が夢中になったJ. J. Cale。そんな自分にとって、Caleの影響を受けまくったと思われるMark KnopflerのVocalもGuitarもモロにツボで、AlbumもSingleも買い集めたものだ。中学生の頃からPunk目当てで聴いていた大貫憲章さんのラジオで“Sultans Of Swing悲しきサルタン)”が流れた時のことは今でも覚えている。VocalとギターのMark Knopflerに弟でRhythm Guitar担当のDavid Knopfler、ベースのJohn IllsleyThe PrimitivesSpringBrewers Droop出身でBert Janschのアルバムでも叩いていたDrummerのPick Withersの4人組。本作はすべてDebut Album収録曲を演奏した78年7月22日の演奏と、1曲だけ3rd  Album『Making Movies』からの“Tunnel of Love”の演奏が収録されているが、そちらは弟のDavidが脱退後の80年代初頭の演奏を収録している。78年のDebut Albam発表後の演奏は4人の荒々しくも勢いのある演奏が最高だ。弟のDavid脱退後の演奏は、後任のギタリストHal LindesとDire Straitsの初代鍵盤奏者となったAlan Clarkが参加して円熟の演奏を聴かせてくれる。最後の1曲を除いた4人時代の演奏はスカスカだけど、やっぱりご機嫌である。この頃のMark Knopflerの尖がりぶりが、後の善人っぽいキャラと違っていて面白い。

 

 『Live At The BBC』はバンド解散後の95年にリリースされたDire Straitsの78年と81年の演奏を収録したLive Album。

アルバム1曲目はDebut Albumの冒頭を飾る“Down to the Waterline”。疾走感を持ちながら枯れた味わいのVocalとギターが最高だ。

まんまJ.J. CaleSix Blade Knife”。これまたギターがご機嫌ですなあ。

Slide Gutarが気持ち良い大好きな曲“Water of Love”。この曲もJ.J. Caleからの影響が強く、淡々としたVocalとChorusがイイ感じ。Bluesyでありながら、仄かにCountry Musicの香りも漂うところが面白い。

Wild West End”はイントロのタメのきいた心地良いリズム隊にのった2本のギターのEnsembleが実にイイ感じで、チョイBob Dylan入ったKnopflerも味わいがある。ここでもサビのChorusがご機嫌で、やっぱり、この4人は最高だったなあと思うのであった。

ここで飛び出すヒット曲Sultans Of Swing”。このイントロ、たまらんすなあ。歌詞も大好きだし、日本盤Singleも持っている大好きな曲なんだけど、あっさりとやっているところが良い。指弾きじゃなきゃ出せない、この音っすなあ。

Debut Albumの最後をシメる“Lions”。Davidのギターのカッティングに合わせて繰り出すイントロのギターのVolum奏法を使った柔らかくBluesyな音がやっぱり素晴らしい。そして、素っ気なく歌うVocalもイイ感じだ。

Studio Albumでは未発表だった弟Davidとの共作What's the Matter Baby?”。荒々しく勢いのある歌と演奏が良い。

最後は80年代初期の演奏で“Tunnel of Love”。イントロにRichard RodgersOscar Hammerstein IIのMusical『Carousel』から“The Carousel Waltz”を引用した11分越えの大曲を一気に聴かせる。

(Hit-C Fiore)