Opening Time 1972/Brewers Droop | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Brewers Droop70年代英国南部で活動していたPub Rock Band。ジャケットは冴えなくて今一つ伝わってこないものの、それもまたPub Rockな感じで良し。Epicからアルバムを69年に1枚のみリリースしているMahoganyという4人組のBlues Bandが母体となっている。このバンドに在籍しメインのSongwriterであったギタリストのJohn McKayとピアノ奏者Steve Darringtonが中心となってBrewers Droopは結成された。2人に加えてベースにMalcolm Barrett、ドラムスにBob Walker、VocalにはRon Wattsという5人組でRCAと72年に契約し、デビュー・アルバムとなる本作をリリースしている。ProduceはManfred MannMcGuinness FlintTom McGuinness7"シングルの“Sweet Thing”も同年にリリースしている。その後、彼らはメンバーチェンジなどを経て短くDroopsと名前をあらため、活動を続けた。興味深いことに、後にDire Straitsを結成するギタリストでVocalのMark KnopflerとドラムスのPick Withersが73年に短期間であるが在籍していたことが知られている。WithersはDave Edmundsが設立したRockfield StudioのHouse Drummerであり、EdmundsがDroopsをProduceしたことがあった事からバンドに関わったのだと思われる。いずれにしても、この激渋のPub Rockを聴かせてくれる音盤は、この手の音が好きな方にとってはたまらないものがあるだろう。BluesをベースにCajunFunkFolkR&RといたPub Rock特有のごった煮AccordionFiddleの響きとSlide Guitarがご機嫌である。Swampの香りもそこはかとなく漂わせつつ、派手さこそないもののいぶし銀のプレイが光る中々の掘り出し物である。全編に漂う憎みきれない飲んだくれな雰囲気も良し。

 

 『Opening Time 1972』はBrewers Droop72年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目はいきなりノリノリの“House Party”。Blues Harpが渋いOpener。ベースのランニングもギター・ソロも冴えてますな。

I Can See Your Public Bar”はSlide Guitarが唸り野郎Chorusがイイ感じの

一転して“The Way I Feel”はドラムスから始まる激カッコイイFunkyなナンバー。女性Chorusも加わりPercussionも鳴り響いたLittle Feat入ったリズム隊もご機嫌。

Let's Watch T.V.”はBlues Harpピアノがイイ感じのBlues Rock。

Why”は男泣きのギターとVocalが沁みるBluesyなBallad

B面は酔っぱらいが盛り上がるOpeningで始まる“Opening Time (Beer)”。Accordionピアノ野郎Chorus、正にPub Rockな雰囲気が伝わってくる。

Droopin'”はHarmonica転がるピアノが頑張るも、スカスカでショボイ感じが実にPub Rockなインスト曲。後半に女性Chorusも加わり盛り上げようとするものの、このどこか物悲しい感じがツボである。バンドのオリジナル曲。

After Hours Waltz”はAccordionSaxも加わるタイトル通りマッタリしたWaltz

Hey Roulette”はAccordionピアノが鳴り響く中、野卑な野郎Chorusが盛り上げるBlues

Acoustic Guitarで始まり、哀感に満ちたFiddleが沁みまくりの“Heart Of Stone”。Chorusがまた泣かせますなあ。

アルバム最後をシメるのは“If You See Kay Tonight”。あっという間に終わってしまう30秒足らずのナンバー。

(Hit-C Fiore)