Lady/Jane | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Janeというバンドはドイツのバンドらしくジャケットが意味不明の奇妙なアルバムが多いのだが、良くも悪くもGerman Rock(あえてKroutrockとはいわず)のB級な味わいを楽しませてくれるアルバムが多い。中古レコード屋さんで彼らの日本盤が結構安く売られていて、Youtubeもない時代に、内容も大してわからずにジャケットが気になって手に入れたものだった。Janeはメンバーの出入りも頻繁で、アルバムによって音楽性が変わってしまうことも多い。69年Hannoverで結成されたというJaneは60年代半ばに結成されたThe J.P.s (Justice of Peace)というPsychedelic Bandが母体となっている。このバンドはギターのKlaus Hessに、VocalのPeter Panka、ベースのWolfgang Krantz、ドラムスのClaus Zaakeというメンツで69年にSingle“ Save Me / The War”をリリースしている。Sax奏者Werner Nadolnyがバンドに加入して脱退したKranzに代わってHessはベースを弾いていたが結局The J.P.sは解散することになる。しかしバンドは新たにJaneという名前で活動を開始するのであった。VocalにBernd Pulst、ベースにCharly Maucherを迎え、Peter Pankaはドラムスを叩き、再びHessがギターを弾くようになって、Werner Nadolnyは鍵盤を弾き、Conny PlankがEngineerを担当する1st AlbumTogether』を72年にBrainからリリースする。PulstとMaucherが脱退するとBlackmann Laneというバンドを率いていた元The J.P.sのKranzが出戻りHessと共にギターとベースを弾いて73年2nd AlbumHere We Are』をリリース、74年作『III』は鍵盤のNadolnyが抜け、MaucherがベースとVocalに復帰して、殆ど鍵盤なしのアルバムとなった。その代りKranzがLeslieを通したギターを弾いているのが面白い。このアルバムは結構お気に入りだ。そしてMaucherもKranzが脱退しDull Knifeの鍵盤奏者Gottfried JankoとベースのMartin Hesseを迎えて本作がリリースされるのであった。

 

 『Lady』はJane75年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目はJankoHammondとVocalをFeatureしたノリの良いShuffleWaiting For The Sunshine”。

Scratches On Your Back”もHammondが響きJankoの英語で歌うSoulfulなVocalが印象的だけどドイツのバンドである必然性はない。

Klaus HessがVocalを担当する“Music Machine”はHessらしい倦怠感のあるPink Floydを思わせる曲調が良い。中近東風味の鍵盤PercussionもHessのギター・ソロもイイ感じ。

Make Me Feel Better”は再びJankoがVocalに戻ってHammondとHessのDullでLazyなギターが鳴り響く。

Peter PankaがLead Vocalの“(Wishdream) Lady”は、やっぱりJaneらしい淡々とした抑揚のない曲調で、これが酩酊感を生みだして結構心地良い。Hessのギターも良いし、JankoのSynthesizerもイイ感じ。

B面はJankoがVocalをとる泣きのBalladLord Love”。David Coverdale在籍時のDeep Purpleみたいな感じ。ここでもHeesのギターは派手に咽び泣くでもなく盛り上げまくるでもなく、そこがJaneらしさでもある。

Midnight Mover”はイントロからDopeで激カッコイイFunkyなリズム隊にのってSpacyなSynthesizerが飛び交いSlide Guitarが炸裂。Hammondもイイ味を出している。アルバムで一番お気に入りのインスト曲

Funkyなエレピで始まる“Silver Knickers (But You Are All Right)”。JankoのVocalも黒っぽく迫る。HammondもFunkyでカッコイイが、ここでもHessのギターがこの曲をありがちなFunky RockJaneらしさを注入

最後をシメるのはアコギで始まるBalladSo, So Long”。

結局、Jankoはこれ1作のみJaneを脱退してしてしまう。そしてWerner Nadolnyが再加入するのである。

(Hit-C Fiore)