Little Free Rockは60年代後半に英国はLancashire州のPrestonから登場したHard Rock Trioである。“Diggin For Gold”や“I Love to See You Strut”、“To Catch That Man”といったModなナンバーで知られるBritish Beat Group David John & The MoodのギタリストだったPeter Illingworth率いるThe Little Fat Black Pussy Catsという6人編成のGroupが母体となっている。最終的にPeter IllingworthにベースのFrank Newbold、ドラムスのPaul VarleyというTrio編成となり、Purple Hazeと名乗っていたが、名門Transatlantic Recordsと契約しバンド名をLittle Free Rockに改名している。TransatlanticといえばFolk/Trad糸といったイメージがあるけれど、60年代末から70年代初頭にかけて The DeviantsやJody Grind、Strayといった風変わりでHardな音楽性を持ったRock Groupの作品を世に出してきた。この時代の英国からはCreamやPink Floyd、Soft Machine、Traffic、 Family、Procol Harum、Jethro Tullといった個性と創造性に満ちた連中が次から次に登場していったが、RoundhouseやMarquee Clubで演奏していたLittle Free Rockもまた、Blues RockがPsychedelic MusicやJazzやClassical Music、民族音楽の影響を受けて英国らしい、どこか屈折し独自の個性を発揮していくSceneの一翼を担った存在であったことだろう。Fleetwood MacのPeter GreenやPercussion奏者“Lord” Eric Carboo、BakerlooのBassist Terry Poole、JasperのJon TaylorとSax奏者のNick Paynらが参加していたこともあり、残念ながらアルバムは本作1枚しか残すことはできなかったが、後に幻に終わった2作目のアルバム用に録音された発掘音源を含んだアルバムがリリースされている。
『Little Free Rock』はLittle Free Rockが69年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は“Roman Summer Nights”。銅鑼の音で始まる泣きのMelodyを持ったHard Rock.。バックに流れるMellotronが幻想的な雰囲気を醸し出していてイイ感じ。
“Lost Lonely”はベースで始まり終始淡々としたRiffで押し通すが頑張り過ぎないVocalとハモらせたギター・ソロの独特の雰囲気が良い。
“Blud”は勢いのあるBoogieと思いきや突如Mellotronが登場するとDarkな世界に突入、そしてお待ちかねのギター・ソロ。この風変わりな感じがクセになる。
“Castles In The Sky”もイントロのギターのRiffにMellotronが被ってくる。哀感漂うチョッとB級な感じが好きな人にはたまらないだろう。扇情的なギター・ソロも良し。
“Dream”はBluesyでご機嫌なギターのRiffにCatchyなChorusが引き締まったリズム隊にのってグイグイ迫ってくる。コレはカッコイイ。アルバムで一番好きな曲。
“Tingle”は前半はCreamっぽい感じもあるが、良い意味でPopで軽さを感じさせるのが良い。
“Evil Woman”はこれまたギターのRiffがご機嫌で、力の抜けたVocalもイイ感じ。
“Age Of Chivalry”は軽やかにギターをかき鳴らしPopで泣きのMelodyが英国の香りを漂わせる。
最後をシメるのはModにキメる“Making Time”。The Creationの名曲をCover。
(Hit-C Fiore)