Maxayn/Maxayn | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 MaxaynThe IkettesのメンバーであったMaxayn LewisことPaulette Parkerと、そのPartnerで後にThe Mothers Of Inventionのメンバーとして来日公演にも参加した鍵盤奏者Andre Lewisを中心としたFunk/Soul GroupBuddy MilesLaBelleと活動していたAndreが、妻となるMaxaynと72年に結成してCapricorn RecordsからリリースしたDebut Albumが本作である。Lewis夫妻に、Buddy MilesのところでAndreと一緒に演奏していたギタリストのMarlo HendersonとSax奏者Hank ReddにドラムスのEmry ThomasFred AllenJimmy Maher、ベースにやはりBuddy Milesと演奏していたBill Rich、ギターにTaj MahalとやっていたHoshal Wright、Alto SaxにThe Electric Flag~Buddy MilesのAlto Sax/Flute奏者Stemsy Hunterといった腕利きを集結させてCapricorn Recordsからリリースしている。バンド名やアルバム・ジャケットからもわかる通り、VocalのMaxayn LewisのDeepでSoulfulなVocalを前面に出した音作りなんだけど、これが大正解で、Buddy Milesのバンドのメンバーを中心にした演奏も実に素晴らしい。時代的にNew Soulが台頭し、Rockの世界でも米国南部のSwampな志向性を多くのMusicianが取り入れ始めた時期。The Electric FlagやJimi HendrixのBand of Gypsysで活動してきたBuddy MilesがRockやSoul、Jazzの垣根を越えた音楽をやっていた時期を支えてきたメンバーが中心となっているだけに本作もそういったCrossoverな志向性が感じられるが、Rolling Stonesの2曲のCoverも絶品の仕上がりでAndreとMaxaynが中心となった自作曲も素晴らしい。翌73年にリリースされる次作『Mindful』以降はよりFunk指数が濃厚になっていくが、最終作となる3rdアルバムと共にご機嫌な出来となっている。

 

 『Maxayn』はMaxaynが72年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目“Trying For Days”。Andreの弾くFunkyなClavinetが印象的。MaxaynのVocalもPowerfulかつSoullfulで、ウネるバックの演奏も聴きごたえ十分。AndreはClavinetHammondで存在感を放っている。

Gospelの香りが濃厚な“Song”もMaxaynのDeepな歌いっぷりが素晴らしい。Hank Redが弾くギターもイイ味を出しているが、Chorusと盛り上げているTenor Saxソロが地味ながら素晴らしい。

The Rolling Stonesの“You Can't Always Get What You Want”のCover。これがガッツリ濃厚なGospel風味がきいたSwampな仕上がりになっていて素晴らしい。この曲ではMarlo Hendersonが弾いているベースがご機嫌でAndreのHammond、Saxソロも最高だけど、なんといってもMaxaynのSoulfulなVocalが素晴らしい。

Jam For Jack”はStemsy HunterのAltoにHank ReddのTenor Saxの2管をフロントにご機嫌なJazz Rockを聴かせてくれている。AndreのエレピとHammondもご機嫌だし、Emry Thomasのドラミングが最高過ぎる

B面は2曲目のStonesのCoverGimme Shelter”で始まる。これがまた素晴らしい。やっぱりChorus[wo伴ったMaxaynのSoulfulなVocalが強力だ。

Let Me Be Your Friend”はMaxaynの魂入りまくったDeepな歌いっぷり圧巻のBallad

Stemsy Hunter浮遊感に満ちたFluteがイイ味を出している“Doing Nothing, Nothing Doing”。これまた最高に気持ち良い。

アルバム最後をシメるのはMaxaynのの伸びやかで生命感に満ちたSoulfulなVocalに聴き惚れてしまう必殺のBalladBeloved”。

(Hit-C Fiore)