◎Times Lie/Stan Getz
Return To Forever(以下RTF)結成直後のChick CoreaとStanley ClarkeにドラムスにはTony Williamsという布陣を従えたStan Getz。このQuartetは強力である。個人的にはStanley Clarkeの強靭な指さばきとTony Williamsの気合の入りまくった叩きっぷりに思わず圧倒されてしまう。60年代にBossa Novaと出会ったStan Getzは60年代後半には、おクスリ関係の影響で徐々に精彩を欠いたアルバムを出すようになるが67年にリリースした『Sweet Rain』でChick Coreaをピアノに起用して起死回生ともいえる吹きっぷりを披露した。そして72年に再びCoreaとRTFを結成したばかりのStanley Clarke、Airto Moreiraの3人に加えてTony Williamsを迎えてアルバムを制作するのである。1曲を除き全ての曲をCoreaが書いた、そのアルバム『Captain Marvel』は大人の事情なのか、リリースされたのは2年後の74年となるのであった。しかし72年のMontreuxにGetzhCoreaとStanley Clarke、Tony Williamsという強力なリズム隊とQuartetを組んで出演。観客はさぞかし驚かされたことだろう。
◎Captain Marvel/Stan Getz
◎Live At Montreux 1972/Stan Getz Quartet
“Times Lie”のこのLive演奏は77年にリリースされたLive Album『At Montreux』に収録され2011年にリリースされたStan Getz QuartetのDVD『Live At Montreux 1972』にj上述の映像が収録されている。この曲の初出は上述のStan Getzが74年にリリースしたアルバム『Captain Marvel』である。
(Hit-C Fiore)