Predictions/Gypsy Lane | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Gypsy Laneという名前の、なにやら妖しい雰囲気を漂わせているジャケット。彼らはアルバムたった1枚を残して消滅してしまったFunk Band。そこはかとなくEuropeanな香り場末の酒場で演奏するBar Band的ないかがわしさを醸し出すジャケット、バンド名が妙に気になって、何気にジャケ買いしてしまったら大当たりだった。このアルバムは、とにかく猥雑で黒光りするFunk躍動する中身も最高な盤であった。 DriveというHenry StoneMiamiに設立したT.K. Productions傘下のLabelからリリースされた、このアルバムは、とにかくアルバム1枚でバンドが消滅してしまった事が信じられないほど完成度の高いFunkを聴かせてくれるのであった。楽曲Vocal演奏Arrangement一級品で、それこそ明らかに、ぽっと出の新人の作品ではないことが容易に想像できる完成度の高さである。それもそのはず、ここに集結しているMusician達はThe Ritchie FamilyVillage PeopleといったCan't Stop Productionsが抱えるDisco Groupの演奏を担当している凄腕Musicianたちが中心となっていたのであった。Can't Stop ProductionsはPhiladelphia International Recordsに出入りするようになっていたFranceのComposer/Producer Jacques Moraliが同じMorocco生まれでParisClub DJを経てPolydor RecordsでA&R/Producer,として活躍していたHenri Beloloと出会って、北米進出を狙ってNew York Cityから彼ら流のDance Musicを生みだしていったProductionである。後にPatti LaBelleのBacking Band The Championsでも活躍するベースのAlfonso Careyと鍵盤奏者Nathanial (Crocket) WilkieにLeead GutarのJimmy Lee、Rhythm GuitarのRodger Lee、ドラムスのRussell Dabney、そして Bunny Siglerの右腕としてHornやStringsのArrangementや楽曲も手掛け、The Salsoul OrchestraやInstant Funkのメンバーとしても活躍しているLarry Davisが激カッコイイHorn Arrangeを担当している。また The ShirellesとNina Simoneを手掛けたHorace OttもStringsとHorn Arrange、そして指揮を担当している。New Yorkの Sigma Sound Studioで録音され、勿論ProduceはMoraliiでExecutive-Producerは Belolo。Lead Vocalも担当するCareyがバンドのLeaderだろうか。とにかく曲良し演奏良しVocal良しArrange良し、全曲最高。

 

 『Predictions』はGypsy Laneが78年にリリースしたアルバム。。

アルバム1発目は“Show Me How To Groove”。引き締まり躍動感に満ちたリズム隊にのって、Ohio Players風のChorus鋭く切り込むHorn隊Rockなノリもありキレの良いカッティングを聴かせるギターとウネるSynthesizer華麗に舞うStrings黒光りするVocalもご機嫌である。Bottomでぶっとくウネるベースといい、鳴り響くPercussionにエロいClavinetといい、とにかく猥雑で漆黒に輝く極上のFunk魂をいきなり炸裂させている。

Midum Tempoで腰を動かす“I Could Use Some Loving”もイントロのSynthesizerが気分である。ここでもHorn隊とChorus寄り添うStringsが絶品で、Soulfulに歌い上げるVocalを盛り立てている。それにしても心地良いBeatを叩き出すリズム隊が素晴らしい。

Boogie Woogie Woman”はベースが唸りを上げHorn隊に切り込んでくるイントロからいきなり惹きこまれてしまう。Catcyでご機嫌なサビは勿論、Synthesizerがウネリまくる間奏がまた激カッコイイ。さりげなく盛り上げるStringsもイイ感じ。VocalとChorusのSoulfulな掛け合いも最高である。

高揚感に満ち溢れたイントロから始まる“Sing”もいきなりHorn隊Scatがバッチリ最高。VocalもOhio PlayersのJunieのような歌いっぷりも披露してご機嫌だが、後半の展開でFalsettoが飛び出し、BlowしまくるSaxも激カッコイイっすなあ。

イントロからキレキレのHor隊が高らかに炸裂する“Hey Sister”。躍動感い満ちたリズム隊も文句なし。楽器の腕前が上手すぎる。

アルバム最後をシメるのは雰囲気タップリのSaxで始まる“We'll Have Love”。Ohio Playersを彷彿とさせる甘美なChorusがイイ感じ。

(Hit-C Fiore)