Love UnlimitedといえばBarry White、どうしてもそういうイメージが強いのは仕方ない。WhiteのアルバムやCocert Tourで彼女たちはBack Chorusを担当して70年代にヒットを連発したWhiteと共に活躍している。Soul Vocal Trioとして69年にCaliforniaはSan Pedroで結成されたLove Unlimitedは、Whiteと後に結婚することになるGlodean JamesとLinda Jamesの姉妹に、従姉妹のDiane Taylorというメンツ。愛の使者を自他ともに認めるRomanticおじさんBarry Whiteに彼女たちのSweetで官能的なChorusは欠かせないものとなっている。そして、Love UnlimitedはWhiteのバンドのChorus隊としてだけではなく自分たち単独でも作品を残して、それなりの成功を収めている。72年にリリースされたDebut Single“Walkin' in the Rain with the One I Love”はBillboard Hot 100の14位、Cash Box Top 100で7位、Best Selling Soul Singles Chartで6位を獲得し、英国でも商業的成功を収めた。Glodean JamesがLead Vocalを担当するこの曲では、楽曲とProduceを手掛けたBarry Whiteが愛を語らうGlodeanの電話の相手として登場して、お得意の低音Voiceで濃厚なフェロモンをたっぷり披露しているのが微笑ましい。同年WhiteのPrpduceとArrangeにGene Pageを迎えてUni / MCA RecordsからDebut Album『From a Girl's Point of View We Give to You... Love Unlimited』をリリース、翌73年にはBillboard Hot 100の1位を記録した大ヒット曲“Love's Theme”を収録し、Billboard Pop Albums ChartとU.S. R&B Chartで共に3位を獲得する2nd Album『Under the Influence of... Love Unlimited』をリリースしている。本作はそれに続く3作目のアルバムで、商業的には前作の成功に及ばなかったが、内容としてはこちらの作品が個人的にツボである。
『In Heat』はLove Unlimitedが20th Century Recordから74年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目はSoul II SoulもCoverした名曲“Move Me No Mountain”。優美なStringsがEnnuiに歌い上げるVocalに優しく寄り添いFluteが軽やかに舞う絶品の仕上がり。Jerry RagovoyとAaron Schroederによる作品。
“Share A Little Love In Your Heart”は甘く切ないMelodyをしっとり歌い上げる必殺のBallad。Saxソロも最高だけど、ここでもOrchestrationの盛り上げ方がグッとくる。これをやられちゃうと込み上げてくるものを我慢できない。
“Oh I Should Say, It's Such A Beautiful Day”はかけめくるStringsを伴った軽快なBeatにのって可憐なVocalやChorusが心地良く響く。引き締まったリズム隊も良し。
“I Needed Love - You Were There”もめくるめくStringsとSweetなChorusが疾走感のあるBeatにのって哀感たっぷりに歌い上げるVocalを盛り立てる。
泣きのピアノのChordから始まるU.S. R&B Chart1位を獲得した“I Belong To You”。甘美にSoulfulに歌い上げるVocalとCuteなChorusが、これまたグッとくるBallad。
イントロから惹きこまれてしまう“I Love You So, Never Gonna Let You Go”。蕩けてしまいそうにSweetなVocalとChorusも最高だけど、要所要所でキメまくる引き締まったリズム隊が実に気持ち良い。
アルバム最後をシメるのは“Love's Theme”のVocal Version。チョッと気怠げなVocalが官能的で、David T. Walker先生の流麗なHammer On and Pull Offを駆使したDavid T. 節も気持良すぎ。
(Hit-C Fiore)