Visions/Aether | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 AetherRio de Janeiro70年代半ば頃に結成されたMagentaなるバンドが母体となっている。その後、メンバー・チェンジや何度かに渡るバンド名の改名を経て、Aetherとして2枚のアルバムをリリースして、おそらく2000年代くらいまでは活動をしていたと思われる。ベテランとも言っていいほど長い経歴を持つバンドである。2012年Museaからリリースされた小説家H.P. Lovecraft:をThemaとしたCompiklation盤『The Stories Of H.P. Lovecraft: A SyNphonic Collection』にもAetherの“Mountains Of Madness”という曲が収録されていたから、その頃までは活動し、もしかしたら現在も解散はしていないのかもしれない。そんな活動状況がよくわからないAetherではあるが、アルバムは90年代の末に、BrasilのRock SymphonyというLabelから、ようやくDebut Albumとなる本作をリリースしている。鍵盤とVocalを担当するAlberto Curi、Acoustic Guitar、Electric GuitarにGuitar Synthesizerを演奏するVinicius Brazil、Bass,とSynthesizer Bassを演奏するFernando Carvalho3人を中心に結成されたAetherは一時、あのSagrado Coração da Terraの後継者とも言われていたようだけれど、個人的な感想としては、音楽性としては英国のCamel70年代後半Genesis辺りの方が近いような気がする。本作では3人にドラムスにBrandon Ramosを迎えて“Altenburg Suite”なんていう組曲を含み、南米らしく緩急自在なRhythm Cahngeを軽々とキメるリズム隊にのって清涼感と抒情が爽やかですらあるチョイNew Age入った鍵盤泣きを基調としたEmotionalなギターが盛り上げていく様は中々のモノだ。また、Bacamarteでも活動しているViolin奏者のGlauco Fernandesが参加しており、2002年2ndアルバムInner Voyages Between Our Shadows』をリリースしている。

 

 『Visions』はAether99年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Millenium”。幻想的でSpacyなSynthesizerで始まる。

Autumn”も厳かな響きののSynthesizerが鳴らされるとお待ちかねの泣きのギターが登場し期待に応える弾きっぷり。お約束のギターが咽び泣く展開はわかっていてもグッときますな。

Whales”もイントロから幻想的な響きで始まりSynphonicな展開になるのが如何にもではある。

A New Bright Day”は疾走感に満ちナンバーでGentleなVocalもイイ感じ。

Trindade Island”は伸びやかなギターやSynthesizerが抒情的なフレーズを繰り出し夢見心地にさせrてくれる。

Kings & Knights”は思わせぶりな語りで始まり、これまたLyrical

なギターのArpeggioから伸びやかなギターが歌ってScaleの大きい展開になっていく。途中でロッキンなShuffleやキメが入ったりして刻々と変化していく構成も良く考えられている。

上述の組曲“Altenburg Suite”は雷雨の雨音で始まり鐘の音が鳴り雷が鳴り響く不穏な動物の泣き声嵐の音虫や鳥の声、そしてLyricalなギターの調べが奏でられるとSymphonicに展開していく。哀感を湛えたGlauco FernandesViolin優美なソロを披露して再びアコギの爪弾きが心地良く響く。子供たちの遊ぶ声、最後はClassicalなギターを中心としたEnsemble.が続きEduardo CamposのOrganソロに続いて泣きのギター・ソロ、再びEduardoのピアノ・ソロでシメる。

The Woods”では再びGlauco FernandesのViolinのソロが聴ける。

最後をシメるのは“The Ocean”。波の音をバックNew Age風の演奏

(Hit-C Fiore)