Sagrado Coração da Terra | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Sagrado Coração da Terra70年代後半BrasilMinas GeraisでViolin奏者/Singerでもあり、作曲家としても優れた才能を持っているMarcus Vianaを中心に結成されている。以前にもご紹介した通り、80年代に突入すると、BrasilからはこのSagradoやBacamarteQuantumといったSymphonicProgressiveなGroupが登場して、その筋のファンの人気を集めていたという。バンド名が"聖なる大地の心"といった意味を持つことからも、ジャケットからも伝わってくる通り、Sagradoの音楽を聴いていると、Marcus Vianaの地球の平和と大自然に対する想いを強く感じる。それは宇宙的で壮大なScaleを持っているもので、全部で10名を超える大所帯の編成が奏でる音楽は聴く者を暖かく包み込み心地良い高揚感を与えてくれる。Minasから生まれてくる音楽は教会音楽からの影響を強く受けていることと、大自然の中で育まれた土の香りを感じさせるFolkloreな要素やAfricaかからやって来た人々が持ち込んだ音楽が複雑に混じりあって独特の浮遊感を持った躍動的な音楽が創生されているのが特徴である。Sagradoの奏でる音楽からもやはり、そういったMinas独自の音楽がそこかしこから感じとることができる。個人的な好みからいえば、少々甘すぎる感はあるものの南米独特の抒情が、MarcosのViolinを中心とする雄大な自然を思わせるOrchestrationをバックに映像を喚起させるように描かれていく様は壮観である。ドラムスにNenen、ベースにMarquinhos GaughinGilberto Diniz、FluteにMarcosと兄弟のAndersen Viana、父親のSebastião Viana、ViolinとギターのAlexandre Lopes、ピアノにInês Brando、SynthesizerのGiacomo Lombardi、SynthesizerとギターのFernando Campos、HarpのMiriam Rugani Vianaといった演奏陣に、伸びやかな歌声の女性VocalのVanessa FalabellaとMarcosのVocalとの掛け合いも南米らしさに満ちている。

 

 『Sagrado Coração da Terra』はSagrado Coração da Terra84年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は”Asas”。抒情的で適度な泣きを含んだイントロで始まりVocalが甘美なMelodyを歌い上げる。そして、なんといってもMarcosのElegantかつキレキレのViolinが印象的だ。女性Vocalも加わって、さあ盛り上がるぞと思っていたらアッサリ終わってしまう。

Lições Da História”は嵐や波の音を思わせる迫力のあるSEをバックにSynthesizerとViolinに導かれて、Symphonicな展開が始まるかと思いきや、PFMのようなスリリングなキメが炸裂、するとピアノをバックにゆったりと語りかけるようなVocalが始まり、そして徐々に熱を帯び、さらに力強く訴えかけるとドラムスのRollを合図に再びキメが炸裂、今度は女性Vocal典雅なViolinと共に聴く者を見知らぬ場所に誘い込む。

Arte Do Sol”は男性Vocalが南米らしい甘美なMelodyをGentleに歌い上げていく。女性Vocalも登場して、伸びのある高音で魅了すれば、Chorusと共に大団円。ピアノとViolinが聖なるChorus隊をバックに盛り上げていく。

A Glória Das Manhãs”も笛の音とSynthesizerが幻想的な空間を作り上げると、またしてもRomanticで甘美なピアノとViolinが登場、郷愁を誘う笛の音とAcoustic Guitarと共にLyricalなEnsembleを奏でる。そして後半はViolinとギターが泣けと言わんばかりの盛り上がり大会。

1分足らずの優美なインスト”Feliz”を挟み”Selvagem (Abertura)”はスリリングなキメが連発され、リズム隊も大暴れ。

A Memória Das Selvas”はPrimitiveで異国情緒漂うナンバー。

Corpo Veleiro”は哀感に満ちた切なくも美しい歌モノ。

Sagrado”は静と動の鮮やかなContrastでリズム隊とViolinがDramaticに躍動優しく切なく歌い上げる女性Vocalも素晴らしい。

和えうバム最後をシメるのはScaleの大きな歌モノA Vida É Terna”。

(Hit-C Fiore)