John Edwards/John Edwards | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 John Edwardsといえば70年代後半から2000年代までThe SpinnersLead Singerとして活躍した人物。Spinnersといえば“It's a Shame”や“It's So Hard to Say Goodbye to Yesterday”を歌ったG.C.CameronがLead Vocalだった時代の印象が強い方も多いだろう。Cameronが去り、後に“(Not Just) Knee Deep”などを歌ってFunkadelicParliamentP-Funk軍団でも活躍した大好きなPhilippé Wynneが登場。Philly Soulな時代に突入。そしてWynnに代わってJohnが参加した Spinnersでは、時代が悪かったのか、その実力が十分に発揮されたとは言い難い。しかし、Phillyから遠く離れていってしまうサウンドや楽曲は抜きにして語れば、JohnのVocalは、それなりに頑張っていたのではないかと思うのだ。Wynneが去って制作されたアルバム『Spinners/8』はThom BellがProdceを担当したが、苦難の時代の産物で、Wynneが存在感を発揮していた前年76年作『Happiness Is Being With The Spinners』には遠く及ばない。そして79年のDisco路線『Dancin' And Lovin'』になると、とうとうThom BellがProduceから離れてしまう。80年代に突入すると、80年作『Love Trippin'』やJames MtumeReggie Lucasの名コンビをProducerに迎えた81年作『Can't Shake This Feelin'』あたりはJohnの個性がようやく生かされるようになるのだが、それが続かない。Missouri州St Louis生まれのJohn Edwardsは米国陸軍に入隊しドイツ駐留時代にClubで歌い始めたことから、そのキャリアは始まる。多くの人が認めるようにSpinners加入前のJohnこそ最高となってしまうのだろうか。本作はそんなJohnのSpinners加入前にリリースされた1stアルバム。それにしても女性に囲まれてJohn Edwardsがにやけまくったジャケットは一体なんなんだろう。裏ジャケットはさらにハーレム状態で満面の笑みを浮かべる色男John Edwardsが…、うらやましいものである。

 

 『John Edwards』はJohn Edwards73年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目はBill Brandonの名唱でも知られる”Stop This Merry-Go-Round”。軽快なギター・カッティングから始まるFunky風味のナンバー。女性Chorusを従えてSoulfulに歌い上げるJohnが良い。

豪奢なStringsで始まる”Spread The News”は高揚感に満ち溢れ

Jimmy Lewis作の小気味よいShuffleCareful Man”。このRelaxしたノリでJohnが気持ち良さそうに歌っている。

Bill BrandonSam Dees共作の”Claim Jumpin”も女性ChorusとかけあうFunky TuneでJohnが本領発揮の勢いのある歌いっぷりが良い。

Sam DeesFredrick KnightDavid Cannon共作のSouthern風味のハチロクBalladの”I'll Be Your Puppet”もまたJohnの伸びやかなVocalが素晴らしい出来。Edwardsは、やっぱり、こういう南部ノリの曲でSingerとしての魅力が発揮されるようだ。

James Phelpsが歌った”You Were Made For Love”も南部の大らかな抱擁力に満ちた味わいがたまらないBalladでJohnのVocalが素晴らしい。

Messing Up A Good Thing”はアルバムで一番お気に入りの多幸感に満ち溢れたナンバー。優美なStringsをバックにSoulfulなJohnのVocalが最高に輝いている。

Wilson Pickettが歌ったグッとくるBalladIt's A Groove”も見事に歌い上げている。Deepで男くさいPickettも最高だがStringsをバックに女性Chorusを従えてRomanticに歌うJohnも中々だ。

アルバム最後をシメるのはアルバムジャケットのごとく女泣かせの色男な語りから入りフェロモンたっぷりに歌い上げるExercise My Love”。

(Hit-C Fiore)