Totally Involved/Jimmy Lewis | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 米国南部のDeepなSoulを無性に聴きたくなる時がある。とはいってもコテコテのSouther Deep Soulを浴びるように一日中聴き続けるのは、最近は流石に精神的にも体力的にも充実している時に限られてしまうが。そんな自分にとってJimmy LewisことJames Eddie Lewisが70年代に残した、唯一のアルバムとなる本作は真っ先に取り出す一枚といっても良いだろう。南部で生まれ育ちながらLos Angelesに出て活動を続けるが、60年代半ばには、 Bill Pinkneyの方のThe Driftersに短期間ながら加入していた経験もあるLewisの適度にDeepだけどホッコリした味のあるVocalは大好きだ。本作は実はWest Coastでの録音になる。それでもGospelの香りがたまらない女性Chorusや抱擁感と温もりのある南部のサウンドにDeepなLewisのVocalは正にSouthern Soulの良いところを見事に集結した作品に仕上げている。そして、何より腹にもたらない独特の乾いた感じが本作を魅力的なものにしている。Songwriterとしても有能だったLewisは、西海岸で活動を続けていった。Ry Cooderが80年のアルバム『Borderline』でLewisの66年作のシングル曲“The Girls From Texas”をCoverしていて、これが躍動感に満ちた最高の出来になっていたのも嬉しい。

 『Totally Involved』はJimmy Lewis74年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目は女性Chorusを従え、余裕のある大人の語り口で“It Ain't What's On The Woman”。痒いところに手の届くギターのバッキングと控えめなHorn隊も良いが、語りFalsettoをまじえながら、徐々に熱を帯びてくるLewisの歌いっぷりが良い。
心地良いShuffleのRhythmにのってLewisがSoulfulに吼える“There Ain't No Man That Can't Be Caught”。
Is That Any Way To Treat A Lady”は大人の色気がムンムンで女性とのかけ合いも面白い。エレピStrings少々甘口のサウンドも曲調にはマッチしている。
必殺のSlow BalladHow Long Is A Heartache Suppose To Last”。熱いっす。
イントロの女性ChorusからLewisの語りを経て心地良いShuffleに展開するところが最高の“Thank You”。
これまたGospel風味の女性Chorus軽やかなShuffleと絶妙の組み合わせの“Go On Live Your Life
Curtis Mayfieldを思い浮かべてしまう出だしから興奮モノの“That Won't Stop Me From Loving You
アルバム最後を飾るのは“Help Me Understand You”。Mellowなサウンドにのりながら熱いSoulを感じさせるこの独特の歌いっぷりに脱帽。
(Hit-C Fiore)