Color Visions/Roland Prince | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Roland PrinceAntigua and Barbudaの首都St. John's生まれのJazz GuitaristElvin Jonesのアルバムへの参加などで知られている。個人的にはElvinの70年代後半のアルバムでギターを弾いていて注目するようになったMusicianである。そのプレイは大好きなTenor Sax奏者Buddy Terryの『Awareness』やRoy Haynesの『Senyah』、Budy Rich楽団出身のAlto Sax奏者Pete Yellinの『It's The Right Thing』といったMain Stream Records盤Jack DeJohnetteのCompostの2ndアルバム『Life Is Round』やBlood, Sweat & Tearsの鍵盤奏者だったLarry Willisの『Inner Crisis』といったJazz Funkの美味しいアルバムで聴くことが出来たので、わりと気になっていた存在ではあった。そしてElvin Jones Quartetの74年のSweden録音となる『Mr. Thunder』では演奏のみならずアルバム冒頭の2曲でPrinceの楽曲が取り上げられており、75年のVanguard盤『New Agenda』でもご機嫌なプレイを聴かせてくれていたのであった。Elvin Jonesには気に入られていたようでThe Elvin Jones Jazz Machineのメンバーとなり78年には来日公演も行い、そのの模様は『Live In Japan 1978』で聴くことができる。Princeは幼い頃はピアノを弾いていて、10代になってギタリストに転向した経歴を持っている。60年代半ばにCanadaのTorontoで修業を積んだ後にNew York Cityに進出、Brother Jack McDuffBilly MitchellArt BlakeyStanley TurrentineJimmy Smithらと共演している。ModeFreeを踏まえた上で独特のタイム感を生かしたフレージング正統派Hard Bopを踏まえたものとはいえ、結構面白い。おそらくPat Martino師匠にも影響を受けているのは明らかで、勢いに乗った弾き倒しも中々聴かせてくれる。時に辿しくなるピッキングも味である。

 

 『Color Visions』はRoland Prince76年Vanguardからリリースした1stリーダー・アルバム。ベースにBob Cranshaw、ドラムスにAl Foster、 Eddie Moore、ピアノにKenny Barron、Tenor SaxにFrank FosterTrumpetVirgil Joneses、Percussion奏者のAl Chalk、1曲のみだがFluteでJoe Farrell、TrumpetでRandy Brecker、Steel DrumsでArt Jardineが参加している。

アルバム1発目は”Samba De Unity”。これは、もうタイトルのごとく心ウキウキしてしまうJazz Samba風のナンバー。軽やかなエレピやJoe FarrellのFluteをバックに、ここでも速いPssageを織り交ぜながらガッツリ弾き倒すギターがイイ感じ。Caribbeanな香りがたまらない。

Iron Band Dance”もArt Jardineが叩くSteel Drumsが否が応でもCaribbeanな雰囲気を盛り上げる。この曲のみRandy BreckerがTrumpetで参加している。

Red Pearl”はKenny Barronエレピが冴えわたるModalなJazz FunkAl ChalkPercussionが心地良く鳴り響き野太いTenor Saxが鳴らされる。Princeも独特のフレージングが冴えわたる。

John Coltraneの”Giant Steps”も終始Percussionが鳴り響いているのが面白い。Tenor Saxやピアノ・ソロも良いが、何といってもPrinceのスピードに乗った弾き倒しがご機嫌だ。

Aldon B.”は腰を落としたBluesyなJazz Funk緩急自在のリズム隊にのってPrinceも心地よさそうに弾いている。

Eddie A.”はSynthesizerによる摩訶不思議なイントロから惹きこまれてしまう。これまたLatinな躍動するリズム隊が気持ち良すぎ。Princeの流麗なソロも良し。

アルバム最後をシメるのは”Genevieve”。11分越えながら優美でMoellowなナンバーで、Princeのギターもご機嫌な弾きっぷり。

(Hit-C Fiore)