Broncoは大好きな英国のBlue-Eeyed Soul SingerであるJess RodenがThe Alan Bown Set脱退後に結成したバンド。Jessが元DoorsのギタリストRobby Krieger、ドラマーのJohn Densmoreと結成したButts BandやThe Jess Roden Bandと並んで名Vocalistであり有能なSongwriterでもあるJessの歴史を振り返る時に無視できない素晴らしいバンドである。メンツはVocal、Acoustic GuitarのJessにKevyn GammondとRobbie Bluntという2人のギタリスト、ベースにJohn Pasternak 、ドラムスにPete Robinsonという5人組。69年に結成されてIsland Recordsと契約してDebut Album『Country Home』を70年にリリースしていいる。本作はそれに続く2nd Albumで、前作に引き続きSinger-SongwriterのClifford T. Wardが参加し共作もしている。また、1曲のみだが、Label MateのMott The HoopleからIan Hunterがピアノ、Mick RalphsがOrganで参加している他、FotheringayのTrevor LucasもVocalで参加している。Crosby, Stills, Nash & Young(以下CSN&Y)を思わせるChorusやAcoustic Guitarの使い方に、英国らしい陰影に富んだLyricismとBluesやSoul影響下のJessのVocalが相まって一筋縄ではいかない独自の魅力が生まれている。所謂、英国の中の亜米利加ではあるが、Soulfulで時にMellowなJessのVocalが本作を特別なものにしている。AcousticとElectricを見事に使い分けたギターのKevynとRobbieのEnsembleも素晴らしい。それにしてもCSN&Yは当時の英国のMusicianに大きな影響を与えたものだ。あえて英国のTraditional Musicよりも米国のCountry Rock的なアプローチで、Jessの黒っぽいVocalも意外なほどハマっている。ジャケット同様に黄昏た1stアルバムもご機嫌だが、時に甘美で心地良ささえ感じさせる本作の激渋Amberな味わいも格別である。
『Ace Of Sunlight』はBroncoが71年にIslandからリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は“Amber Moon”。Jess自らAcoustic Guitarを弾きながら歌う。そこにKevynとRobbieが絶妙のエレキで絡む。そしてEartyな雰囲気を一層盛り上げている激渋のOrganを弾いているのはMick Ralphs、これまた隠し味のピアノはIan Hunter。
“Time Slips Away”はAcoustic GuitarとElectric Guitarが絶妙のEnsembleを奏でるCountry Rock。Trevor Lucasも参加してCrosby, Stills, Nash & Young風のChorusもイイ感じ。アコギとエレキでギターが盛り立てる後半の演奏もご機嫌。
KevynがClifford T. Wardと共作した“Some Uncertainty”はPopな味わいの楽し気なCountry Rock。JessのHarmonicaがイイ味を出している。
疾走感に満ちた“Woman”もKennyとClifford T. Wardの共作曲。勢いのある演奏をバックにJessのSoulfulな熱いShoutがグッとくる。やっぱりJessの魂の入ったVocalは最高である。
Jass作の“New Day Avenue”は1曲目同様アコギ弾き語りで、これまたCrosby, Stills, Nash & Youngを思わせるChorusと英国の香りが感じられる独特の翳りが絶妙の味わい。後半の展開がいかにも英国的。
“Discernible”もアコギとエレキのEnsembleとTerry Allenなる人物が弾くOrganが絶品である。Percussionも心地良く響く。
Jess作の“Sudden Street”も弾き語り風でアコギとエレキとChorusをバックにJessがじっくり歌い上げているのが気持ち良い。
最後をシメるのはJessのピアノ弾き語りが絶品の“Joys And Fears”。ギターも含めてJessひとりによる演奏と歌とChorusで、Simpleながら実に味わい深い仕上がり。
(Hit-C Fiore)