Sexteto De Jazz ModernoはEumir DeodatoのOs Catedráticosで知られるTenor Sax奏者Aurino FerreiraやAlto Sax奏者Jorginho(Jorge Ferreira Da Silva)、ピアノのFats Elpidioといった名手たちが結成したGroupで、他のメンツはドラムスにAurinoと演奏していたPlínio Araújo、ベースにPaulo、ギターにCrarinetの名手Abel Ferreiraと演奏していたJosé MenezesというSextet編成。おそらくアルバムはRCA Victiorからリリースされた本作1枚しか残していないと思われる。小気味よくRimshotを刻む切れ味鋭いリズム隊にのって、AurinoのTenorやJorginhoのAltoが殆どJazzといっていいインプロで魅了するJazz Sambaは極上の出来である。この手のJazz Sambaにしては珍しくA面B面ともに3曲ということからもわかるように全て5分越えの演奏は、それぞれのメンバーの卓越した技量のソロを長めにFeatureしており、聴きごたえ十分である。とにかくドラムスの小気味よいRishotやピアノの左手のComping、ギターのカッティングを始めリズム隊がSharpで聴いていて実に気持ち良い気分にさせてくれる。一方で端正で洗練された演奏は、Sambalanço TrioやEdison Machado E Samba Novo、Bossa TresらのJazz Sambaのような派手さや豪快さには及ばないとはいえ、そこはかとなく漂う欧州的な優美さで魅了する。アルバムは全てCover曲で固められており、彼らのオリジナルの楽曲こそないものの、Antonio Carlos JobimやRoberto Menescalらのお馴染みの名曲にDjalma FerreiraやOrlann Divo、Oscar Castro-Nevesらの渋い曲を取り上げて彼ら流の洒落た大人の仕上がりにしているのも興味深い。Jazz Sambaの優れたアルバムは数あれど、こういう味わいの作品には中々巡り合うことは難しい。
『Bossa Nova』はSexteto De Jazz Modernoが63年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目はAntonio Carlos Jobimの“Samba De Uma Nota So”。Sharpなリズム隊にのったAurino FerreiraのTenor Saxソロが実に気持ち良く歌っている。続くJorge Ferreira Da SilvaのAlto Saxソロもまたキレキレで歌いまくりでご機嫌。 Zé Menezesのギターも饒舌に盛り上げまくり。トリを務めるのは名手Fats Elpidioの華麗な指さばきによる圧巻のピアノ・ソロ。8分越えのナンバーだけど最後までダレすに聴かせてくれるところは流石である。
Roberto Menescalの“Barquinho”。これまた2管が心地良く響き、粒立ちの良いキレキレのFats Elpidioのピアノ・ソロが素晴らしい。JorginhoのAlto Saxソロも軽やかに歌いまくり。続いてはAurinoのTenorソロ。ギター・ソロも端正且つRhythmical。バッキングのSharpなピアノもイイ感じでいやあ、これはホント気持ち良すぎ。
Orlann Divo作の“Samba Toff”。心地良いRimshotとギターのカッティングをバックにThemeが始まる。Alto Saxソロ、ピアノ・ソロ、ギター
ソロと続く。Rhythmの鬼がごとくFats Elpidioのピアノ・ソロがビシバシとキマっていくさまは爽快である。
Antonio Carlos Jobimのお馴染み“Desafinado”。Tempo良く演奏されてはいるけれど、これまた大人な仕上がりですなあ。
Bossa Tresの名演でも知られるOscar Castro-Neves作の高揚感に溢れる“Menina Feia”。ギター・ソロ、Tenor ソロ、続くAltoソロ、ピアノ・ソロもイイ感じ。
アルバム最後をシメるのはDjalma Ferreira作の“Lamento”。哀感に満ちた、大人の色気が感じられるナンバー。
(Hit-C Fiore)