CastはItalyの凄腕Musicanが集結したSupper Session Groupである。AreaやPremiata Forneria Marconi（PFM)、Mauro Paganiのアルバムへの参加で知られる凄腕DrummerのWalter Calloni、Mauro Paganiの『Sogno Di Una Notte D'Estate』やBancoの『Capolinea』にも参加した名ベーシストのDino D'Autorio、Italyの顔役ProcucerにしてMulti-Instrumentalist、PangeaのギタリストでもあるMauro Paoluzzi、Trinidad e Tobago生まれのベーシストHugh Bullenの兄弟でもあるNapoli CentraleのベーシストKelvin Bullen（ここではギターとVocalを担当）、英国人の鍵盤奏者Michael Fraser、Alberto Radiusの77年作『Carta Straccia』やVenegoni & Co.の77年のデビュー・アルバム『Rumore Rosso』、PFMの78年作『Passpartù』にも参加した名Sax奏者でPangeaのメンバーでもあったClaudio Pascoli、米国生まれのCuteな女性SingerのNaimy Hackettから成るProject。残念ながらアルバムは1枚しか残していないが、これが中々素晴らしい出来である。欧米の、この手のSession Bandに負けないQualityを持った1枚である。GuestにAverage White BandのHamish StuartとRoger Ballを迎えている。またRoberto ColomboがSynthesizerで、Gigi MuccioloがTrumpet、Johnny CapriuoloがTrombone、Lani GrovesとTom J. BernfeldがChorusで参加している。Soulfulな男女Vocalをフロントに配したFunkyでMellowなアルバムではあるが、凡百のその手の企画モノとは一線を画す。それは演奏能力の高さは勿論、楽曲とArrangementのセンスの良さに尽きる。一聴すると聞き流されてしまいがちな洗練された心地良い音楽ではあるが、緻密なEnsembleとセンスの煌きを感じるArrangementsには脱帽だ。Produceも担当しているMauro Paoluzziの実力が窺い知れるお気に入り盤である。
『Cast』はCastが80年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目は“Love Me Babe”。Funkyなカッティングから始まりキレの良いHorn隊が景気よく炸裂すると男女VocalがSoulfulに歌い出す。Kelvin Bullenの黒っぽいVocalにNaimy HackettのCuteな高音Vocal。男女の掛け合いもお見事。
Average White BandのHamish StuartをFeatueした“Love Wants To Be”。女性ChorusやSaxソロで盛り上げつつ、Hamishは後半に絶品のFalsettoを聴かせてくれる。
蕩けてしまいそうなイントロからキレキレのBeatにのって心地良く展開する“Found The Paradise”。Funkyなカッティングも最高だが、Walter CalloniのSharpなドラミングが光る。
これまたFunkyなカッティングとぶっといSlapが気持ち良すぎの“Sing At Your Feet”。Cuteな女性VocalとキレキレのHorn隊もイイ感じ。途中から高速Sambaに展開するところは鳥肌モノ。Rock魂に満ちたEmotionalなギター・ソロも良し。
B面頭を飾るのは重心の低いBassとギター、Horn隊の絡みが激気持ち良い“Susie”。Nastyな男性Vocalと女性Vocalの掛け合いも良し。
Michael FraserのFunkyなエレピと妖艶な女性Vocalに酔いしれるMellow Tune“Sweetness”。Jazzyなギター・ソロも気分っすなあ。
軽快な“Take A Message”は高揚感に満ち溢れたナンバー。ここでのDino D'Autorioのベースは気持ち良すぎ、最高っす。Saxソロも盛り上がりますなあ。
Average White BandのRoger BallのAlto SaxをFeatureした“Savannah”は、まんまAWB。
アルバム最後をシメるのは、これまたAWBなギター・カッティングが光る“Mama Sun”。しかしHorn隊もドラムスもギターもキッレキレっすなあ。
（Hit-C Fiore)