こうやってみると、Dave Masonのアルバムは結構持っているわけである。TrafficのFounding Memberで、などという肩書は必要ないほどに、米国に移住後にも人気を集め、活躍したSinger-Songwriterでありギタリストなのであるが、なぜか過小評価されているMusicianの一人である。英国にやって来たJimi Hendrixとの交流や大好きなFamilyとの絡み、そしてThe Rolling StonesやTrafficのProducerであったJimmy Millerとの関わりから、George HarrisonやEric Claptonらと共にDelaney and Bonnie and FriendsのTourに参加し、彼らの協力の元、British Swampの先駆となる名盤と言われる1stソロ・アルバム『Alone Together』を70年にリリースといった感じで70年代初頭までのMasonの活動は目覚ましいものがある。Stonesの『Beggars Banquet』やGeorgeの『All Things Must Pass』、Derek and the Dominosへの参加など、この時期に一気に盛り上がりをみせていくBritish Swampの重要人物であり、BeatlesとStonesのメンバーとの交流やTrafficやFamilyとの関わりからも英国音楽を語る上では避けられない重要なMusicianであると個人的には思っている。勿論、上述のように米国移住後もMasonはCass Elliotとのアルバムなど素晴らしい作品を残してはいるが、その後のBlue Thumbからのソロ・アルバムに対してはMasonの意向を反映した形でリリースされたものではなかったらしい。そして心機一転Clumbiaに移籍したMasonが、本領を発揮したのが移籍第二作目となる本作であろう。元 A. B. Skhyでアルバム『Headkeeper』からの付き合いになるドラムスの"Dr." Rick Jaegerに加えて鍵盤奏者のMike Finnigan、ギタリストJim Kruegerら有能なMusicianから成るThe Dave Mason Bandを率いての最初の作品でもある。本作でベースを弾いているBob Glaubは後にSteve Miller Band出身のお気に入りのベーシストGerald Johnsonに代わってしまうが、この人のベースも素晴らしい。
『Dave Mason』はDave Masonが74年にリリースしたアルバム。ProduceはMason自身によるもの。
アルバム1曲目“Show Me Some Affection”はイントロから飛び出すSlide Guitarが最高。躍動するリズム隊にのってMasonのVocalは勿論、Fluteソロや男女Chorus、Hammondソロも気持良すぎ。
お得意の12弦ギターのイントロからご機嫌な“Get Ahold On Love”。
Pedal Steel Guitarの響きがイイ感じの“Every Woman”。こういう米国Country流儀のナンバーでもMasonの味わい深い。ギター・ソロも歌ってますな。
Bay area出身のSongwriterであるLane Tietgen作のSoul色濃い“It Can't Make Any Difference To Me”は引き締まったリズム隊が良い。TietgenはFinniganが在籍していたThe Jerry Hahn Brotherhoodに楽曲を提供していた人物である。
Bob Dylanの“All Along The Watchtower”。Masonも参加したJimii HendrixのCoverが有名だが、JimiがDylanのこの曲を初めて聴いたのはMasonと一緒にいた時である。
A Cappella Chorusで始まるSam Cookeの“Bring It On Home To Me”。SoulfulなVocalとChorus、Bluesyなギターが素晴らしい。
“Harmony & Melody”はこの時期のMasonらしい伸びやかで開放的なナンバー。ChorusやJim Kruegerのギター・ソロもイイ感じ。
LyricalなArpeggioで始まる“Relation Ships”。Masonらしい英国的な抒情と米国的な大らかさが感じられるナンバーで12-String Acoustic GuitarとHammondが効果的。後半のHammondソロとバックでうねりまくるベースが最高。
アルバム最後を飾るのは“You Can't Take It When You Go”。これまたHammondソロがカッコイイ。そしてギター・ソロも渋い。Nick DeCaroらしからぬ精細さを欠いたStringsだけがチョイと残念だが、後半ガンガン盛り上がっていくところは流石。
(Hit-C Fiore)
