Violência Gera Violência/Bezerra da Silva | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 生涯Malandro、最後の最後までヤンチャな姿勢を貫き通したMalandroのSambista Bezerra da Silva。通常運転のトッポさ満点、筋を通した永遠のヤクザ者らしい自信に満ちたこの堂々たるジャケットも最高ですな。Samba-De-BrequeのPioneerがLuiz BarnosaでMoreira da Silvaは王様、BezerraはStreet感覚に満ちたやさぐれMalandro風情でSamba-De-Brequeを若者など幅広い層に広めた伝道師だ。打楽器のぶつかり合いのみならず、抜群のBeat感覚から繰り出す言葉のRhythmicalなノリ、そのワルな歌声と相まってギャングスタラップな雰囲気が醸し出す筋金入りのMalandroの迫力が最高だ。本作でも還暦過ぎて、まだまだヤンチャ感たっぷりのBezerraが素晴らしい。このジャケットからもわかるように年をとっても枯れた魅力なってのじゃなくてオレ様感がビシバシ伝わってくるのが最高。何よりBezerraの衰えない歌声リズム感は流石としか言いようがない。PernambucoRecifeで生まれたBezerraはRio de Janeiroにやってくると、徹底して下町のヤクザ者のSambaを歌い続け、若者にも強くアピールした。最後のMalandro Bezerra da Silva。その歌声は今でも十分カッコイイのだ。

 『Violência Gera Violência』はBezerra da Silva88年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は“Candidato Caô Caô”。イントロの語りから全開のBezerraは男女Chorusを従えて貫録の歌声で魅了する。
意味深なSEから始まる“Feitiço Do Tião”。
時に年甲斐もなくヤンチャな佇まいを感じさせるBezerraの歌声が最高な“Vida De Operário”。
軽快なO Juramento Jurou”はBezerraがChorusとの掛け合いでキレキレである。
軽快なTempoで歌うBezerraが哀愁の旋律で魅了する“Pobre Compositor”。
一転して陽気なノリで“Transição De Malandro”。
タイトル曲“Violência Gera Violência”はシンプルなバックの演奏にBezerraがオレ節全開。ど渋なワル声が最高である。
イントロのかけ合いがナイスな“Raiva De Tudo”。
荒くれ声のBezerraがRomanticに歌うSamba“Samba Manifesto”。この年でこういう歌い方をするところに年輪を重ねた男の色気を感じる。
続く“Povo Da Colina”も昔さんざん悪さした男の哀愁のMalandro感が最高。
Speed感たっぷりの“Bom Jesus Nazareno”では還暦過ぎても抜群のリズム感のBezerraに感服。
最後をシメるのは哀感漂う曲調の“Filho De Mãe Solteira”。それでもBezerraはトッポさを忘れていない。
(Hit-C Fiore)