Live/Bazaar | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 民族音楽をベースにJazzやRockなどさまざまな音楽を取り入れた北欧のバンドには、中々面白い連中が結構いる。残念ながら2012年解散してしまったが、DenmarkBazaarというバンドもそのひとつ。70年代から活躍してきたBazaarはBalkan諸島AfricaやBrazilなどLatin方面のFolk Musicからの影響を強く受けている。勿論、北欧の伝統音楽も彼らの身体の中には染みついているのだろうが、異なる国々の音楽を彼らなりに融合させたサウンドは、無国籍な魅力と生命感に満ちている。ベース奏者がいないのも特徴であるが、躍動的なPercussionのBeatにのってHammondや管楽器がExoticな旋律を紡ぎ出していく様は独特の酩酊感を生み出している。聴いているうちに見知らぬ国の見知らぬ場所Tripさせられてしまうのだ。このバンドは4人のメンバーによって結成された。Basson奏者としてClassicalな教育を受けたPeter BastianはClarinetやBassoonにFagot、Ocarinaを操り、Balkan諸国の音楽に強く影響を受けている。印象的なHammondを弾くAnders KoppelはDenmarkの有名バンドThe Savage Roseのメンバーであったことでも知られている。トルコ出身のギタリストでPercussionも叩くMehmet Ozan。童話作家としても知られるPercussion奏者Flemming Quist Møller。始まりは映画『Aftenlandet』のSoundtrackのためにBastianとKoppel、Ozanが顔を合わせたことであった。尚、Ozanは本作のみの参加で脱退しBazaarはTrio編成となっている。

 『Live』はBazaar78年にリリースしたデビュー・アルバムにしてLive盤
アルバム1曲目はParcussionが鳴り響く中、Anders KoppelHammondと、“Forvandlingskuglen”。
陽気にアコギをかき鳴らしCralinetとOrganが歌いまくる“Yes We Have No Massa”。終始LatinなノリでMehmet Ozanアコギ・ソロもイイ感じ。
Percussionの叩き出す疾走感に満ちたRhythmにのってKoppelのHammondが唸りを上げる“Tarok”。
HammondとClarinetとのUnisonから一気に攻めまくるところが最高な“Tinsoldaten”。
MøllerOzanの叩くPercussionのPolyrhythmが心地良い
Hjerter Rimer På Grønærter”。
中近東的なExoticな旋律がHammondの心地良い響きと無国籍な世界を描き出す“Hodja Taxim”。
続いてもArabicな旋律が異国情緒に満ちた“Hodja Vender Tilbage”。
南欧的な陽気なRhythmにBalkanな旋律が生み出す圧倒的な高揚感が素晴らしい“Hønserødder Og Gule Fødder”。
これまた深遠なる中近東な世界へ連れていかれる“Harmandali Zeybek”。
文字通りAfricanなハチロクのRhythmが心地良い“Kaukas Afro”。でも、旋律はやはりArabicなのである。
KoppelのHammondがうねりまくるHotel Globus”。
Percussionソロの“Ongo Bongo For Den Kræsne Gane”。
幻想的なKinddans”は彼らの欧州的なRomanticismが感じられる。
11分を越える大曲“Hazaar”ではTribalなRhythmにのってHammondやBasoonが生き物のように躍動する。
DenmarkのギタリストChristian Sievert作の“Xingo”は思わず腰が動き出すナンバー。
Narration入りの“Med Isak Og Nemo På Bjergets Top”はLatinなノリも感じさせる。
最後を飾るのはPrimitiveなPercussionの乱打にBassonとHammondが激カッコイイうねりを生み出す“Extra Nummer”。
(Hit-C Fiore)