On a Clear Day/Shirley Scott | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 元々はピアニストであったJimmy SmithOrgan奏者に転向してヒットを連発。Hammond B-3は一躍人気を集める楽器となった。そして、ベーシスト不在でOrgan奏者が左手と足を使ってベースを兼ねるスタイル、つまり右手でメロディー、およびコードを弾きながら下鍵盤を使って左手でベースラインを弾き、Foot Pedalsも使ってアタック感を付けるJimmy Smithのスタイルは多くのOrgan奏者に影響を与えた。しかし、中にはベースは本職のベーシストに任せてというOrgan奏者も存在する。"Queen of the Organ"と呼ばれたPhiladelphia生まれのShirley Scottもその一人。Jimmy Smith同様に元々はピアニストであった。自分が彼女の存在を知ったのは、大好きなHorace Silverの作品をShirletがOrgan Trioで演奏した『Shirley Scott Plays Horace Silver』であった。若い頃のShirleyのCoolな風貌同様、どこか涼しげで、Soulfulに歌いまくるHammondの演奏に自分はすっかり虜になってしまった。彼女のアルバムはいつも専任のベース奏者がいる。そして彼女のアルバムの楽しみは実に野太いベースを弾くベース奏者がいることだ。個人的には、大好きなGeorge DuvivierGeorge Tuckerが参加しているのも大きい。本作ではベースはRon Carterで、ドラムスが無骨なJimmy Cobb。この2人ともそれぞれMilesとやっていたが、おそらく2人は一緒に共演していなかったコンビ。堅実にShirleyを盛り立てるところが好感が持てる。

 『On a Clear Day』はShirley Scott66年にImpulse! からリリースしたアルバム。
アルバム1発目はStandardの“On A Clear Day You Can See Forever”。これまた指パッチンなナンバーに仕上がっている。Ron Carterのベース・ランニングもイイ感じ。
不穏なイントロからご機嫌にSwingさせてくれる“What’ll I Do?”。心地良いリズムにのったSoulfulなShirleyのプレイが素晴らしい。
Sirley自作のCoolな味わいのBluesCold Winter Blues”。それにしてもBluesyに歌いまくるShirleyのフレーズが最高。
Frank Sinatraの歌で知られるIrving Berlin作の“ All Alone ”。これも実に心地よくSwingしている指パッチンなナンバー。
Burt Bacharachの“What The World Needs Now Is Love”。ほど良い寛ぎを与えてくれるJazz Waltzだけど、所々でShireleyの鋭いフレーズも飛び出すところが良い。
Antonio Carlos Jobimの“Corcovado”。ムード満点に歌い上げるShirleyに脱帽。
Henry Manciniの“Days Of Wine And Roses”。こちらは軽やかにBluesyなフレーズも盛り込みながらSwingするアルバムで一番のお気に入り。
最後をシメるのはSirley自作の“Instant Blues”。これがまた最高にSoulfulなHammondで歌いまくり。心地良くアルバムは幕を閉じる。
(Hit-C Fiore)