
Barry Goldbergの事を知ったのは贔屓にしているギタリストHarvey Mandelつながりであった。Chicago生まれの鍵盤奏者GolbergといえばBlues Rock好きにとっては中々面白いポジションにいる人である。当然Chicago Bluesどっぷりの影響を受けているわけだが、なぜかBob Dylanのサポートをしていた関係で有名な、あのエレキ転向の68年のthe Newport Folk Festivalに居合わせた人物として知られている。当時のDylanのバック・バンドはThe Paul Butterfield Blues Bandだったわけで、バンドを脱退したMike Bloomfieldと67年にThe Electric Flagを結成している。しかしGoldbergもBloomfieldもアルバム1枚で脱退してしまうのである。さて話は前後するがElectric Flagの結成前に、GoldbergはSteve Millerとバンドを結成。しかしMillerは、なんとシングルを発表しただけで脱退。そこで迎え入れられたのがPaul Butterfieldと並ぶ白人Blues Harpの名手Charlie Musselwhiteと、彼のSouthside Bandにいた若きHarvey Mandelであった。鍵盤奏者としてだけではなくVocalist、Songwriterとして後に頭角をあらわすGolbergの最初の一歩として記念すべき本盤は、今でも時々引っ張り出して聴いている。現在まで続くMandelとの共同作業は、まだまだ本盤では荒削りではあるが、その辺が意外にWhite Blues Bandの面白さでもあるのだ。
『Blowing My Mind』はGoldberg Blues Bandの66年のアルバム。ドラムスにMaurice McKinley、ベースはRoy Ruby。
アルバム1発目の“Gettin' It Down”。Charlie MusselwhiteのBlues Harpがイントロから飛ばしまくり。Mandelのギターは熱く燃えたぎるかと思わせて、得意の寸止め。
続いては“Mean Old World”。タメをきかせまくったMandelのギターがBluesyというより、むしろPsychedelicな香りを感じさせるのが面白い。
歪ませすぎだろのMandelのギターがイカす“Twice A Man”。この冒頭3曲ともGoldberg自作であるが、青臭いながらも懸命に歌うVocalが良い。
Goldbergのイイ感じのOrganからノリノリに展開する“Whole Lotta Shakin' Goin' On”。
Elvis Presleyの歌でも知られる“Big Boss Man”。ピアノもBlues Harpもギターもご機嫌。
タイトル曲“Blowing My Mind”はBob Dylanを意識したような歌い方のFolkyなRockで、このアルバムでは異色のナンバー。
なんとBuddy Hollyの“That'll Be The Day”が、ここで飛び出す。
Jimmy Reedの“Can't Stand To See You Go”はMusselwhiteのBlues Harpが最高。
ノリノリの“Put Me Down”はR&RだけどGoldbergの熱いVocalが良い。
最後は激渋“Think”でBluesyにシメる。
全体にMandelは控え目でGoldbergの歌を聴かせるアルバムに仕上がっている。
最近のMandelさんは弾きまくりですな。
◎GM Boogie/Barry Goldberg & Harvey Mandel & Corky Siegel 2010 Chicago Blues Reunion
(Hit-C Fiore)