
むし暑い日が続く。どこまでエアコンも扇風機も使わずにいけるか、やってやろうじゃないかとかたく決心したものの、誘惑に負けそうになるのである。よっしゃ、こんな時はコレだ!と取りいだしたる、この音盤。見るからに暑苦しいジャケット。暑い時はカレーでしょ、見たいな感じだろうか。熱いぜ、Johnny Taylor、それも汗と唾が、聴いてる方にも飛び散ってきそうなエレルギッシュな未発表Live音源の登場だ。お客さんと一体になって真っ黒い男気ほとばしるTaylorの歌唱に暑さも、どこかに吹き飛んでしまうというもんだ。Johnny TaylorはArkansas生まれWest Memphis育ちのVocalist。R&B、Soul、Bluesを歌い、その男汁したたり落ちるSoulfulなVocalで魅了する。その根底にあるのは、やはりGospelでありBluesだ。Sam Cookeを輩出した名門The Soul Stirrersに、そのCookeの後任として加入したのがTaylorである。〝The Philosopher of Soul〟と呼ばれ、StaxではBooker T. & the MG'sと時代を築いたTaylor。やはり、根っこにあるのは熱いGospel魂、それがステージで発揮されると言葉を失うほど熱くてカッコイイCall And Responce。そしてSlow Bluesを歌わせても一級品で、これまた生で観ている人々は、その魅力に酔いしれてしまうのである。男らしいルックス、Soulfulな歌声は男前、常に黒人のお客さんを前に歌い続けてきた男。Bluesyだったり時にはFunkyにせまったり、男っぷりの良い歌唱で聴く人たちの心を鷲づかみにする。あのOtis Redding亡き後のStaxを支えた男の脂の乗り切った頃のLive盤なら、間違いないのである。
『Live at the Summit Club』はJohnny Taylorの72年9月23日のL.A.は
Summit ClubでのLive盤。おそらく殆んど黒人のお客さんだろう。演奏は少々粗いものの、その勢いとTaylorの観客に訴えかける熱情で一気に聴かせてしまう。
まずはRufus Thomasの紹介から始まる“Introduction”。Horn隊と女性Chorusを従えたJohnny Taylor、
いきなりノリノリの“Take Care Of Your Homework”。
Blues Singerとしても素晴らしいTaylorのVocalが堪能できる“Little Bluebird”。
さらにGospel育ちのTaylorのSoulfulな魅力が爆発の“Steal Away”。じわじわと観客を盛り上げていくTaylorが良い。
Sam Cookeを彷彿とさせるBallad“I Don't Wanna Lose You”。
ヒット・ナンバー“Who's Making Love”で観客の煽りも一流である。
もう言葉を失ってしまうくらい最高にSoulfulな“Hello Sundown”。Johnny Taylorカッコ良すぎ。Shoutも最高。Horn隊もギターも最高。観客とのCall And Responce、助平なSaxとのかけ合い、その場に居たかったよ、本当に。
気合十分のTaylorが、さらにDeepに吠える二度目の“Steal Away”に観客も大興奮っす。
魂入りまくったSoulfulな“Stop Doggin' Me”。
“Jody's Got Your Girl And Gone”は映画『Wattstax』でのNight Clubでの熱いパフォーマンスが目の前に浮かび上がる。
(Hit-C Fiore)