![$BLACK CHERRY](https://stat.ameba.jp/user_images/20110626/20/sfmp/76/76/j/t01500149_0150014911314366746.jpg?caw=800)
5月にThe Skatalitesのオリジナル・ドラマーLloyd Knibbが天国へと旅立った。これでTrumpet奏者Johnny "Dizzy" Mooreに次いでオリジナル・メンバー10人のうち8人が、この世を去ってしまったことになる。十数年前に逝ってしまった同志Tommy McCook率いるThe Supersonicsのメンバーとしても活躍していたLloyd Knibb。Tommy McCook and The Supersonicの『Top Secret』は暑苦しい季節に聴きたくなるCoolなインスト集。本盤に収録されている、初期SupersonicsのLloyd KnibbとベースのLloyd BrevettとのRudieなノリが大好きだ。同盤にはSly DunberとRobbie Shakespeareの演奏も収録されているのだがSka、Rocksteady、Reggaeとリズムが変遷していく様が興味深い。KnibbがR&BからスタートしてBurru Styleを確立したRhythmの探求者としての姿勢、McCookと共に歩んだ軌跡。本盤では、その初期のStyleがみてとれる。
Tommy McCookは、CubaのHavana生まれのJamaicanで、The Skatalitesの創設メンバーであるSax奏者。彼の70年代の作品を聴いて以来、自分の中ではTommy McCookの評価がガンガン高まった。McCookのあらゆる時代の音源を掘りまくっていた。そのくらい好きだ。Jamaica音楽のPioneerであったMcCookの足跡を辿ると、相当奥深い世界が待っているのである。6歳で両親と母国Jamaicaに戻り、11歳の時にTenorを手にしたMcCookはAlpha Boys Schoolに進んだ。そう、The Skatalitesのオリジナル・メンバーとなるJohnny "Dizzy" Moore、Lester "Ska" Sterling そしてDon Drummondを輩出した名門である。Eric Dean’s Orchestraの一員となったMcCookは、盟友Lloyd KnibbとともにJazzやCalypsoやRumbaといった音楽も吸収した。しかし、さらなる演奏の仕事を求めて海外へと向かう。McCookは62年にJamicaに帰国し、Kingston周辺でJazz Sessionを繰り返していた。この時期McCookが参加した『Jazz Jamaica From the Workshop』が興味深い。Studio Oneに結集したのはThe Skatalites結成前夜ともいうようなメンツに、あの天才ギタリストErnest Ranglinといった豪華な布陣。そこには、それまでのMcCookのキャリアが集約されたJamaican JazzともいうべきCaribbeanな風が吹く音楽が奏でられていた。The Skatalitesは結成からわずか3年の65年にはRolando Alphonso and the Soul Brothersと、Tommy McCook and the Supersonicsに分裂してしまう。Duke ReidのTreasure IsleのStudio BandとなったTommy McCook and The Supersonic。SkaからRocksteady、そしてReggaeへの橋渡しに重要な役割を担った。編曲者としてもMcCookが残した功績は大きい。
『Top Secret』はTecniquesからリリースされたTommy McCook and The Supersonicのアルバム。69年作。SlyやRobbieも参加している。個人的にはLloyd Brevettのベースが聴けるのがうれしい。
アルバムは心地良いRocksteadyの“Green Mango”でスタート。
Percussionとギターに続いてご機嫌なHornが飛び出すタイトル曲“Top Secret”。
イナタいギターとRudieなリズムが最高の“Wild Bunch”。
ピアノとギターのイントロが面白い“Green Apple”は大好きなナンバー。
続く“Beruit”からは完全にReggaeに移行してリズムが思いっきり前面に出てくる。
“Jungle Skank”もWowをきかせたギターといい、ホント気持ち良いですな。
とぼけたHornが雰囲気の“West Street Special”。
チープなOrganとHornの対比が面白い“Big, Bad and Bold”
SlyのRimshotが心地良く響く“Midnight Time”。
最後はゆったり、まったりした“Mistic Mood”。
Dynamite/Tommy McCook and The Supersonics
(Hit-C Fiore)