Cressidaは英国の曇った空を思い起こさずにはいられない音を出す。
Hummondの響きと憂いを含んだヴォーカル、牧歌的なストリングスの
調べ、そしてマイナーコードを基調として展開される曲調が正に英国の
陰りをかもし出す。
『Asylum』はCressidaの二作目で幻想的なジャケットが意味深だ。
このアルバムを手にしたのは実はあのHarold McNairがこの作品から
正式メンバーになったという理由からだった。
しかし、目当ての彼のFluteは全く目立っていないのだった。
とは言えOrganとPianoを演奏するPeter Jenningsの静かに燃え上がる
ようなプレイが英国風で良いし彼の書く曲も味があるのが見つけもの。
‘Reprieved’は今でも十分通用するくらいに小粋なスキャットとリズミカル
なPianoが気持ち良い。
‘Munich’は当時の時代を感じさせる大作でストリングスの挿入や突然
のリズム・チェンジ、泣きのギター、オルガンソロが英国情緒をじわじわ
と盛り上げる。
コーラスも所謂当時のソフトロック風でヴォーカルも熱唱タイプではない
ところも面白い。
それにしてもHummondとアコースティック・ギターの使い方が上手い。
ストリングスも大仰でなくさりげなく効果的に使っているところも好きだ。
Hit-C Fiore