第一回・牡羊座の強みと弱み
テーマ:「弱い自分も愛せるか?」愛とプライド その2
今回は、前回にいろいろ考えてみた「牡羊座の弱み」から一転し、
じゃあどうやって牡羊座は自分の成功パターンに戻ったらいいか。
軌道修正の仕方について思いを巡らせてみたいと思います。
ちなみに「成功パターン」と書きましたが、これは「自分らしく生きられること」を指します。
と同時に、「年齢、年月、そこで起こる様々な出会いから学んで成長し、よりグレードアップしていくこと」もこの言葉には入っています。この発想、軌道修正には本当に不可欠です。
これもしかして、人によっても意見がわかれる…(というかそう考えない人もいる?)かもですが。
私は人が成長することを、とて~~~~も重要な要素だと思っています。
人にしろものにしろ状況にしろ、生きている以上、その存在が「ずっと同じままでいる」ということはありえないですから。
命は真空パックに入れて(もしくは時を止めて)…保存できるものじゃない。
関係も状況も、もちろん生きています。どんどん…変わって行くのが常なんです。
つまり人の個性にしろ関係性にしろ、ある方向にどんどん変化し続けるのが当たり前であるからこそ。いい状態なら、それを維持しようという種類の努力が必要だし、納得いっていないならそこを変えようという形で、やはり何かする必要がある。
そういうことを理解し、それのために行動する力。
これが人を、時に関係性や状況を、成長させるのです。
それを何らかの理由でおこたって、自分は何もせず、
相手や周囲に「もっとこうなればいいのに。なんでそうじゃないんだ」と怒りや不満ばかりをぶつけるようになると、その人の成長は止まり、その個性はエネルギーの供給を失って、強みは隠れ弱い性格の方が顔を出す。
これはもちろん星座に限らず、誰にでもあるパターンなのかなとも感じます。
はい。で、話を戻します。
この話、牡羊座の場合はどうでしょう。
牡羊座を象徴するキーワードが“I am”(これが私だ)であるように。
牡羊座は元々、自己肯定感のとても強い性格です。それが性格の柱です。
前回も出たように、そうであるからこそ、自分を信じてシンプルに行動できるのが彼らの強さなのだから。もちろんここは維持し、守っていきたいところなのだけど。
これと同時に、「自分を肯定するということはどういうことか」についても、
牡羊座はもう少し深い洞察があってもいいのではないかと思います。
簡単に言うと、
① 「俺はすごい」は、=「お前はすごくない」であってはいけないのです。
② 「俺はすごい、だから好き」もよくありません。「すごかろうがすごくなかろうが好き」でしょ!
これが、とても牡羊座の陥りやすいところではないか…とも感じます。
順に説明しましょう。
まず、牡羊座は元々、誰かと自分を比べて、相手より自分が勝っているかどうかをそこまで気にする性格ではないと思います。あ、そういう人ももちろんいますよ。競争意識が“過剰”な牡羊座ね。
でもそれは牡羊座全員の性格ではありません。
牡羊座は、たとえば「今から100m競争をする!」と言われたら、「よし一番になってやる」みたいなことはすぐ考えます。気にしている相手がいれば「あいつに勝つぞ!」ともなるでしょう。でも相手が誰でも、やっぱりそうなります。
かつ、これは基本そのときだけです。
レースの間は、とにかく勝つために全力を尽くしますが、レースが終わればその件は終わりです。
勝っても、本気で「あいつは俺より劣ってるなあ!」とは思いませんし(言ったとしてもその場のノリだけ)、負けても「今度は勝つ!」と悔しがるだけです。「あいつ体育館の裏でぼこぼこしてやる」みたいな根の暗い怒りも覚えません。
戦うからには勝つ!(これには全く迷いなし)
だけど、しょっちゅう誰かと自分を比べたりはしていないし、たとえば全然違うジャンルまでも持ち出して「こっちでは俺が勝ってるから、総合的に俺が上!」みたいにもいちいち考えません。
いや、いますよ?ときどきそういうねちっこいこと言う牡羊座も。
でもそれは「牡羊座らしい性格」とは必ずしも言えないです。
純粋な牡羊座だけの性格に、他のよりしつこい性格(で、負けたくない)の星座の影響が加わったとき、概してそうなります。
“牡羊座”品種だけではない、星座ブレンド米(牡羊座いり)のとき起こる現象です。
先に出た、競争意識が過剰すぎる牡羊座もこのパターンです。
再び話を戻しますが。
牡羊座は先に「自分はすごい、つまりは『すごい自分でありたい』」を人生の目標として掲げている人で(I amは、別翻訳すれば「さすが俺!」なのであろう)。
自分でそれを実感できるような経験をとにかく全力で求めます。
雰囲気で言うと「自分は赤だ!」と決めていて、自分の赤を強めるものばかり欲しがる感じです。
この「赤ばかり欲しがる」は、本来はすごく純粋な欲望なんですが。
それがバランスを崩すと、「赤以外の色に価値はない!」的な態度になってしまいやすいんですよ。
それは「なぜ赤がいいのか」という自分の中の根幹が弱いからです。
ひとつのことを一生懸命突き詰めるのって、やはり大変なんですよね。で、牡羊座は本当にそういうことばかりする性格だから。力はいくらあっても、情熱はいくらあっても足りないくらいなので。
そのための原動力、特に「自分は正しいのだ」という確信を得るために、
『正しくない、というものをあえて別におくことで、正しいを求める力に変えようとする』
『これは違う!とあえて意志表示し、そっちを蹴った反動で、もっとこっちに行こうとする』
みたいなところがあるんだと思います。
だからね。
まず牡羊座が不安定になってくると、「いや、自分は正しい!」という力を強めるために、
「あれは正しくない!」みたいなものを敢えて探してしまうところ。結構あると思うんですよ。
たとえば口論になって相手と意見が合わないというときにもね。
自分がものすごく不安になってくると、相手がどういう意見を言っているかというよりも、
「自分とは意見が違うのだ」というだけで、もう攻撃対象になってしまう部分があるみたいな。
前回も出たようにこれ、周囲から見るととても怖いんですが。
牡羊座は感情の中も攻撃性、怒りが優位な性格なので、そう反応しちゃうだけなんですよね。
“心の不安定さに比例して、激しい反応をする”
“その対象の内容ではなく、「自分を否定された」という思い込みでエスカレートし攻撃的になる”
これはあると思います。
まずここを自覚しているのは、とても大事なんじゃないでしょうか。
だって、本当は不安から出ているのに攻撃的になってしまうなんて、“場を混乱させる”だけだもの。
そう、これも星座に限りませんが、「内側と外側が一致している」というのは、自分を成功パターンに乗せるのにとても大事です。
物事はシンプルでいられればいるほど、純粋にかついい方に動きやすい。
人間で言えば素直ってことです。
たとえば、「自分は正しいのか、これでいいのかわからない」。こういう気持ちを認めることは、弱いってことじゃありません。
牡羊座諸君、まずこれを恐れないで。
自分でそれを認めたら、そのまま誰かに言ってもいいし、「そうか、わからないのか」とかみしめていてもいいと思います。
実に素直な態度だし、そのまままっすぐいれば、誰かも手を差し伸べやすく、
自分自身でも「まあ、そう悩んでいても…しょうがないかな。何かやってみようかな」なんて気分転換も案外すぐに起こるでしょう。それも牡羊座なんです。混乱が続いちゃう牡羊座って、自分で自分の不安や傷に気が付かなくて、認めたくなくて話を大きくしている気がするもの、大体。
あと、②。
牡羊座こそ、ありのままの自分をもっともっと認めるべきです。
これだって当然全員に言えることですが、特に「さすが俺!」って言いたがっている人は、変なひねった考え方しちゃだめですよ。
別に、他の意見を持つ相手をけっとばさなくたって、時に相手の方が100m速く走ったからって、「それが何だ」というのでしょうか?
ひねくれるくらいなら、ひらきなおったほうがまし。
牡羊座にはこれが言えると思います。完全にそうです。
もし上の例を自分の力に変える経験にするならば。
「さまざまな考えがある中で、これ!という意見のある俺」
「たとえ100mで負けても、腐らず、やる気を失わない俺」
にプライドを持てばいいのではないでしょうか。そういう自分を“まるごと”愛せばいいのではないでしょうか?
そう、改めて言うなら、牡羊座が成功パターンから外れるのは「勇敢さを失ったとき」。
こうもいえると思います。
牡羊座みたいに、自分を全人格的にまるごと受け入れるのにはとても力がいるし、「俺は俺だからいいんだ、好きなんだ!」って認めるのは、実際勇気がいることでもありますから。
もちろん他の星座だって、勇気は絶対的に必要です。
でもその必要とする分量がみんなより多いっての、あるかもね。
「みんなにこれだけ慕われているし…」「業績もここまで上げているし…」みたいな形で自信を取り戻せる人は、必ずしも勇気だけに頼らなくてもいいから。「何となく私、私好きだし…」みたいなノリでもよしとできる人もいる。でも牡羊座はそうじゃないから。
「この俺が、俺を、認めているのだから…俺に関するものはすべて◎!」(終了)
そういう力技決めるんだから、人の十倍くらい勇敢である必要がそもそも牡羊座ってだけであるのも、関係ありそう。
またね、さっきの①、②以外にも、「自分以外の人たちも当然ながらI amである」ということも、忘れてはいけない…。こういう視点も牡羊座には大事だと思います。
「俺と、俺に賛成、または反対する者たち」じゃないですよ、この世界は。
全員が主人公で、同時に誰かの人生の“要素”なんだよ。
私とそのほか、じゃない。
私とあなたであり、私たちとあなたであり、私たちとあなたたたちであり、私は時に彼で、彼らで…。
関係性とは入り組んだ、いかようにも違う形で存在しえる絵です。
ひとつの絵柄でものを判断しては見誤る。心を狭める。色あせる。
時に、自分以外の人の「I am」をYou側の視点で見ることも、牡羊座をぐっと強くしてくれるかもしれませんね。
最後にあなた以外の11星座から学べることをアドバイスしておきたいと思います。
◎獅子座
まず、あなたと同じように、自分を肯定できないと…いろいろアウトになる仲間・獅子座をご紹介します(笑)。あなたほどはっきり表さないかもしれませんが、自己肯定大好物なのは同じです。ただ獅子座はいろいろなことを「自己肯定のプラスポイント」として加算するので、牡羊座よりしぶといです(笑)。が、獅子座はあなたと違って人からの賞賛を強く求めるのが弱いところ。「そんなもの欲しがるなんて…」と思うかもしれませんが、理解してあげてください。獅子座は牡羊座より他人が大事なんです。でもその分「人に頼る」のも意外とできますよ。「強そうに見えて弱い面もある俺」的演出(というか素なんですが)が案外上手です。弱ささえも魅力的に見せられる懐の深さ、見習ってください。恋にしろ仕事にしろ、いい相棒になれるはず。
◎山羊座
「俺こそ一番」の競争意識、ライバルと言えば山羊座。相手の方が断然ち密でしつこいので、性格がいいのは牡羊座ですが(笑)、現実的に結果を出しやすいのは山羊座です。あと、「俺様が一番だ」と思っているのにそこを適度に隠す…も牡羊座にはないものかも。嫌わず、山羊座の優れているところを冷静に理解できるようになると牡羊座は飛躍するでしょう。でもいい意味で気は許さないように。気を張って付き合っている方がお互い伸びます。
◎蟹座、天秤座
味方につけるべきは蟹座や天秤座です。あなたからすればどうでもいい(本当はどうでもよくないが)正論で何かと責めて来るのでうっとおしく思いがちですが、彼らの言う正論は本当に正論です(大分感情論になりがちだけど)。とかく牡羊座は無視しがちなので、そこで聴く耳、態度を示すとものすごく株が上がりますよ!特にそれが異性なら、あなたの男なり女なりを磨いてくれる相手です。相手が感情的になっても「弱い」と決めつけないように。向こうの持っている強さは、たとえあなたと死闘を繰り広げた後でも、あなたがつらい目に合ったらそっと布団をかけ、ご飯を作ってくれる強さです。その「自分から寄り添う」勇気、あなたにありますか?
◎牡牛座、蠍座、水瓶座
牡牛座、蠍座、水瓶座にはイライラさせられることが多いかもしれません。でも彼らは奥深い“中”を持っているので、ぱっと見どんな感じかというだけで相手を判断するのは得策じゃないですよ。特に牡牛座、蠍座は反応自体も遅めなので、シンプルかつ迅速を常とする牡羊座には×をつけられがちですが、簡単にアドバイスしよう!「見くびるな」(汗)。逆に、特にさほど対話はなくても、こちらが「何となく好きだ」と思っていると、それがちゃんと伝わるのも彼らです。あなたが褒めていれば、相手も必ずどこかであなたを褒めてます。だからこちら次第なんです!水瓶座には寛容でいてください。向こうもある意味自分のことしか考えていません。そういう意味では牡羊座と似ています(型違いだけど)。…つまり「自分に似た人間にどう感じるか」。テーマはそこですね。水瓶座にイラッとしたら、自分は同じことをしないで。でもマイペースな人は嫌いじゃないでしょう。こういう人が身の回りにいると世界が広がりますよ。この3人はある意味、あなたより視野が狭いメンバーです。
「思い込みの強い人が周囲に及ぼす影響」を客観的に見て知ってください。また、どうフォローすれば彼らの良さがみんなに通じるか?そこに気を配ってみるのも牡羊座を伸ばすね!
◎双子座、射手座、乙女座、魚座
双子座、射手座、乙女座、魚座とはゆるっと付き合ってください。向こうはこちらの気配を読んできます。「いい感じだな」と思われれば親しくなり、「面倒だ、害になる」と思われるといつの間にかいないです(笑)。向こうも自分を押しつけては来ないので、こちらもあまりそうしないでください。「何考えているのかわからないなあ」と思っても、=「何も考えてないんだろう」とは思わないこと。もちろんそんなことはありません。多分あなたには彼らの複雑さはピンとこないでしょう。…でもそれでいいのです。彼らが牡羊座に求めるのはシンプルな明るさ、単純さ、そして勇敢さだけです。それってまさにあなたのいいところじゃないの。だからこの辺の人たちが周りにたくさんいるなら、あなたは好調ってことですよ。彼らを好きになると、あなたのストックは間違いなく増えます(親しい相手によって別ストックが増加ね)。