第32回社会福祉士国家試験を解説してみた~問5~アルマ・アタ宣言 プライマリー・ヘルス・ケア | 福祉 介護の勉強ブログ

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アルマ・アタ宣言にて、「2000年までにはすべての人に健康を」という目標を掲げ、プライマリー・ヘルス・ケアという概念を打ち出しました。

 

 

人体の構造と機能及び疾病

 

 

問題5 1978年にWHOが採択したアルマ・アタ宣言に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

 

1 先進国と開発途上国間における人々の健康状態の不平等について言及している。

 

解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です

「言っていることに間違いはないのだが、これが、アルマ・アタ宣言かはわからないな・・・保留」

 

 

(調べてみた)

アルマ・アタ宣言

1978年、当時のソビエト連邦カザフ共和国の首都アルマ・アタでWHOとUNICEF主導で、世界134国、67国際機関の代表が集まり、プライマリー・ヘルス・ケアについて出された、宣言です。この宣言は、全部で10条で構成されています。

 

アルマ・アタ宣言第2

「人々の健康に関してとりわけ先進国と発展途上国の間に存在する大きな不公平は国内での不公平と同様に政治的、社会的、経済的に容認できないものである。それ故全ての国に共通の関心事である。」

 

アルマ・アタ宣言第3

「『新国際経済秩序』に基づいた経済・社会開発はすべての人々の健康 (Health For All) を可能な限り達成し、先進国と開発途上国間の健康状態の格差を縮小するために基本的な重要事項である。人々の健康を増進させ保護することは、持続した経済的社会的発展に欠くことはできず、またより良い生活の質と世界平和に貢献する。」

 

 

2 政府の責任についての言及はない。

 

解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です

「言及はあるんじゃないかな・・・WHOが採択したんだから、国民への政府の責任とかの言及があるのでは・・・この選択肢は違うとします」

 

 

(調べてみた)

アルマ・アタ宣言第5

政府は国民の健康に責任を負っているが、これは適切な保健及び社会政策の保証があってはじめて実現される。・・・(略)」

 

 

 

3 自己決定権についての言及はない。

 

解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です

「自己決定権・・・これを無視するような時期ではないような・・・1978年は・・・この選択肢もちがうとします」

 

 

(調べてみた)

アルマ・アタ宣言第6

プライマリー・ヘルス・ケア (PHC) とは、実践的で、科学的に有効で、社会に受容されうる手段と技術に基づいた、欠くことのできないヘルスケアのことである。これは、自助と自己決定の精神に則り、地域社会または国家が開発の程度に応じて負担可能な費用の範囲で、地域社会の全ての個人や家族の全面的な参加があって、はじめて広く享受できうるものとなる。・・・・(略)」

 

 

 

4 保健ニーズに対応する第一義的責任は,専門職個人にあると言及している。

 

解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です

「専門職個人・・・この言葉の『個人』に引っかかります・・・個人に責任があるとされたら、かないませんよね・・・この選択肢も違うかな・・・」

 

 

(調べてみた)

アルマ・アタ宣言第7条の7番目

「地域や後方支援レベルにおいても、保健医療チームとして働くために、また地域社会が求める保健ニーズに応えるために、社会的にも技術的にも適格に訓練された保健ワーカー、すなわち、医師、看護婦、助産婦、補助要員、可能であれば地域ワーカーや、必要によっては伝統治療師たちの力を必要とする。

 

保健ニーズに応えるため、医療・保健の専門職の力を必要するとは書いてありますが、責任については書かれていません。

 

 

5 地域,国家,その他の利用可能な資源の活用についての言及はない。

 

解いてみた・・・これは解説ではなく、私の頭の中の言葉です

「利用可能な資源があるなら活用しようよ、保健・健康のためなら・・・と言うのが、WHOの役割なのでは・・・この選択肢も違うかな」

 

 

(調べてみた)

アルマ・アタ宣言第7条の5番目

地域、国家、その他の利用可能な資源を最大限利用し、地域社会と地域住民が最大限の自助努力を行い、PHCの計画、組織化、実施、管理に参加することが重要であり、これを推進する。そして、この目標のために、適切な教育を通じて地域住民がこれに参加する能力を開発する。」

 

 

 

 

私の答え  「1」   正答は「1」

 

 

 

プライマリー・ヘルス・ケア

健康を基本的人権としてとらえ、「すべての人に健康を」という目標を達成するための方法・アプローチです。そのために4つの原則があります。

1)住民のニーズ尊重

2)住民参加

3)地域資源の有効活用

4)包括的保健システムを地域で担うこと。

 

 

 

 

予防に勝る治療無し・・・備えあれば憂いなし・・・試験も同じですよね