小田急5000形 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

8000形や1000形の置き換えと複々線区間延伸と併せた混雑感の緩和を目的として、2020年より運転を開始した2代目5000形です。

 

外観で目をひくのは、笑ったように見える飾り照明。夜間でかなり明るく視認性も抜群です。この飾り照明、最後尾になると尾灯にもなります。これまでの傾向だと総合車両製作所製っぽいですが、実は川崎車両と日本車輌製造、総合車両製作所の3社合同制作となっており、各社の技術をすべて詰め込んだキメラな車両となっております。

 

車内です。外観は小田急通勤電車らしい青い帯(地味にツートンになってますね)ですが、中へ入ると木目調を使用したぬくもりを感じられるデザインでまとめられています。そうそう、この形式では8000形以来の拡幅車体を採用しており、当たり前ですが狭幅車体よりは体感的な混雑感が多少軽減されているようです。

 

ドアです。化粧板付きの角が丸い窓、4000形と比べるとオリジナリティが出ていますね。両端と足元には黄色の警戒色が入れられています。首都圏の鉄道全般そうですが、ドア横の立ち席スペースは無きに等しいです。小田急が本気で頭を悩ます程、混雑が酷いですからね…。

 

藤子・F・不二雄のインパクトが大きいLCDディスプレイは2面式です。特徴的なのは号車表示、ありきたりな乗車中の車両の表示のみならず、10両編成のうち1号車、10号車がどちらの車両なのかを加えて表示しています。一般の乗客にメリットがあるとすれば、違う駅で乗車した人との車内での合流がしやすいというのがありますね。

 

車端部です。妻窓が無い一方で、仕切り扉は全面ガラス張り、仕切り扉の両側もガラスが貼られているため開放感はあると思います。

 

優先座席を有する車端部です。様々な部分の色調を変えて区別していますね。

 

ガラスには激突防止のために模様が入れられています。四角形を並べたもので、たまに傾いていたり白になっていたり、面白いですね。

 

こちらにも号車表示。隣の車両が何号車か分かるようになっており、ドア上と同様配慮を感じます。メーカーズプレートを見ると、川崎車両製なんですね。

 

最前面です。構成自体は4000形と大きく変わりませんが、乗務員室の窓が下方向に拡大、非常救出用のパネルが中央寄りになったため中央の窓が狭くなっています。で、そのパネルは前代未聞、まさかの開き戸式になっています。右に鍵穴が見えますが…緊急時に誰が開けるのでしょうか…それとも、この形式に関しては機器スペースの扉になってるんですかね?

 

天井です。小田急通勤車両では初となるカバー付きのLED灯で、明るさを確保しつつも眩しくならないようになっています。また吊輪は白ではなく、うっすらピンクが入ったものになっています。荷棚は強化ガラス製、照明からの光を遮らないようにしていますが、埃が溜まらないか心配です。

 

優先座席付近は暖色系になっており、吊革も濃黄色となっています。それにしても、横方向のルーバーがいかにも川崎って感じがします。

 

座席はバケットタイプのオールロングシートです。ドア間は8人掛け、2+3+2で区切るようにポールが入っています。袖仕切りはガラスを組み合わせた大型タイプ、開放感を演出したりしたい意図は分かりますが、汚れは目立ちますし冷たいですし、肘周りの余裕は無いですしと、個人的にはメリットよりデメリットが多いと感じています。

 

先頭車のフリースペースとセットになった区画です。ここの袖仕切り、従前ですと肘掛けとして使用できるスタイルで登場しておりました。この形式でも一応は同じくなのですが、更に半透明の板が追加されています。なんかこう、新車なのに後付け感漂うダサさ、全体的にデザイン上の完成度が高く見えるだけに悪目立ちしてしまいます。最後の最後まで付けるかどうか、社内で揉めでもしたんですかね?あった方が安全上優位ですが、ベビーカーや車椅子を押す人が座ることを想定すれば、ここで仕切るなんて発想にはならないんですよね。百歩譲って透明の板にするべきです。

 

車端部は3人掛けです。ここにもポールが入りますが、袖仕切り側から1+2で区切るように配置するのは珍しいと思います。なぜならドア横は袖仕切り端のポールを握って立つことが出来るので、握るものが無い中央と妻面の座席の方のために2+1で区切るようにポールを入れることが多いためです。車端部寄りの座席は捕まる部分がいいとこ掴みにくい壁しかありませんが、なんでこうしたんでしょうね?

 

優先座席は青いモケットで、ポールが濃黄色になっています。座席について座面奥がやや盛り上がった形状で、臀部を降ろすのは座面の真ん中より少し奥寄りの部分になる(→奥深く腰掛けさせない形状)と想定されます。そう座った際に背ズリは形状通り使うことになると思いますが、狭い面積で上体の全体重を受け止める訳ですから、負担が大きくなってしまいます。オマケに4000形ほどひどくないにせよ座面先端は硬め、これも奥深くまで座らせれば太もも裏に当たるような感触にならずに済むのですが…。座面が奥深く腰掛けさせる形状であれば背ズリの「腰部分でがっちりホールドする」という意図をまだ理解しますが、深く座って欲しいのかそうでないのか理解に苦しむ中途半端な座席です。ここ、会社によってはしっかり奥まで腰掛けられる座席もあるので、共通的と言えないのが罪深いんですよね。

 

車端部のフリースペースです。先頭車も同様ですが、非常通話装置、3本の握り棒が設置されています。下部の2本については冷たさを軽減させるためかラバーが巻かれています。

 

子育て応援車ですか。親子連れでの電車での移動ではどうしても乳幼児の泣き声が付き物、親が周りからの視線を気にして申し訳なくなることも多々あります。そんな視線を気にしなくてもいいようにこういうステッカーが貼られ、少しでも快適に利用出来るようにしている訳ですね。こういう車両、他の会社でも広がればいいですね。

 

相模大野での一時。拡幅車体による収容力の拡大で、利用者からの評判も上々のようです。今後のスタンダードとして頑張ってほしいですね。