京急1000形1890番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

近年、有料列車や有料車両による着席サービスというのが増えてきているように思います。京急でも平日朝夕にウイング号を運転しておりますが、横須賀方面からのウイング号用として1000形4両編成が増備されています。

 

それが、1890番台です。1800番台をベースにしたため貫通扉が中央に配置されていますが、ライトは今までとは異なり単灯式となっています。またステンレス車体ながら全塗装となっており、新型車両による全塗装ステンレス車両は、遠く関西を走る南海1000系以来の登場なんだそうな。そう言えば、ブルーリボン賞にも輝きましたね。

 

車内です。京急初のデュアルシート搭載車両となっており、朝のウイング号最長距離を走る列車に充当されるだけの設備を有しています。なおこの編成は4両で三浦海岸駅を出発し、金沢文庫で前に2100形を連結、12両編成で品川を目指します。

 

ドアです。ドアが接する部分には濃黄色のラインが入り、足元にも黄色を入れて注意換気しています。ドア横は少しだけ立ち席スペースが取られています。

 

ドア上の開閉ランプは中央に配置されています。

 

LCDディスプレイは二面式、両方とも運行案内に使用されます。四か国語表示に対応していますね。

 

車端部です。デュアルシート車では珍しくこの区画もデュアルシートとなっており、ウイング号と折り返し金沢文庫止まりの特急ではクロスシートモードで運転されます。仕切り扉は化粧板を省略しております。

 

で、反対側。こちら側は仕切り扉自体が省略されており、必要最低限でコストカットを図っています。これは1000形の共通項ですね。このご時世でこそ問題は無くなりますが、冬季はすきま風が吹き込んで来そうですし、騒音は常時入ってきます。

 

中間車に設定されたトイレとフリースペースを有する車端部です。これまで頑なにトイレを設置してこなかった中で、有料列車や土休日に貸切運用にも利用されることから設置に踏み切ったんでしょうね。

 

で、お隣の車両。こちらにはバリアフリー対応トイレが設置されています。それにしても、これのためだけに久里浜だか金沢だかに処理施設作ったってことですよね…?

 

天井です。混雑を考慮し枕木方向にも吊革が設置されています。それにしても、有料列車に使われる割には照明は直管式のLED灯で、特に調光機能もありません。2100形では反射式にして頑張っていたので、この辺りはもう少し頑張って欲しかったのが本音です。とは言え、2100形も防犯カメラ一体型は直管式と中途半端になってしまいましたが‥。

 

窓です。二枚組で、桟は中央に入っています。デュアルシート3列では中央の列では視界の邪魔になるので、ちょっとイマイチな配置かもしれません。

 

座席です。ドア間には3列のデュアルシートが設置されています。京急らしく赤色のモケットですがヒョウ柄、同じ赤色のJR九州の813系辺りを彷彿とさせます。

 

何気に18m級車体では初となるデュアルシートとなっています。ヘッドレストの両側を張り出させてプライバシー性と安息を提供しており、デュアルシートとしては2022年時点では一番完成形に近い形なのではないかと思います。日除けはフリーストップタイプのロールカーテンが備えられています。各区画とも、日除けの使用権で多少の問題が出ないとも限りません‥。これを解決するのって、窓を3分割するしかないんですよね。

 

座席裏側にはドリンクホルダーとコンセントが設置されています。足元にあるので、蹴っ飛ばさないようにしないといけません。

 

車端部の座席はウイング号以外では優先座席になります。ドア横の袖仕切りはロングシートモードを考慮して通路側がはみ出る程度の幅で、これは一般座席とも共通です。

 

見た感じでは背ズリに角度が取られてそうに見えますが、クロス・ロング両モードを考慮し背ズリが高めな割に切り立ち気味で、ずっと座っていると背筋が伸びっぱなしでしんどく感じると思います。座面先端に腰掛ける形で自己リクライニングすればまだいいですが、ロングシートモードではちょっと…ねぇ。あと、回転はペダルではなく肘掛けのボタン。かがんで押さないといけないという意味では操作性はよくないと思います。

 

ドア間のフリースペースです。座席を1列分減らして作り出しており、ここの袖仕切りはガラスが窓下までに留められています。車椅子介助者利用を想定したものと言えますね。戸袋には非常通話装置が設置されています。

 

車端部のフリースペースです。トイレ横ということもありますが、本来2人掛けくらいの座席が設置されて然るべきくらいの広さを充てています。妻面には消火器が収納されており、側面には握り棒が2本渡されています。

 

トイレです。バリアフリー対応で、入口のみ弧を描いています。

 

入口のドアはボタンによる自動式で、木目調の化粧板となっております。平日朝のウイング号以外にも土休日は貸切利用も想定しており、必要な時に車内にあるのはありがたいですね。

 

で、隣の車両の男性小用トイレです。鍵も閉まるようになってまして、良くも悪くも「ここまでするか」という感もあります。なんせ、これで着席定員が4名分くらい減ってますからねぇ‥(向かい側のフリースペースはどっちゃにせよあったでしょうし)。もしかすると、手前の機器スペースのついでに設定したんですかね?

 

最前面です。1000形では久々に、そしてステンレス車としては初の展望席が設定されています。仕切り扉は車両間の移動を考慮して引き戸式となっており、開口面積を確保するために持ち手部分が切り欠いてあります。この辺り、何やらJR東日本185系を始めとした国鉄型車両っぽさを感じます。

 

 

その展望席です。この席は回転不能なので、肘掛けの回転ボタンやドリンクホルダーは省略されています。その割に、なんで背面にもコンセントがあるんですかねぇ‥立ち席客用?それよりも特筆すべきは界隈でも少し話題になった側窓、あまりにも細すぎます(^^;; 同じコンセプトで他社が設定したら確実に省略されそうですが、一方で圧迫感にも繋がりますのでここまでしても設けておきたかったんでしょうね。涙ぐましい努力に拍手‥というか戸袋窓でもよかった説‥。