あいの風とやま鉄道413系「一万三千尺物語」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

北陸新幹線開業により経営分離されて誕生した富山県の第三セクター、あいの風とやま鉄道。在来線特急廃止による都市間輸送の増加を考慮し、国鉄型の413系も戦力として走り続けています。

 

そんな413系ですが、521系を追加投入したことで運用に余裕が生じたのか、観光列車に改造された編成が出ています。それがよりによってトップナンバーだったりします(笑)  

 

一万三千尺物語、あいの風とやま鉄道線内を走る観光列車で、標高3,000m級の山々が連なる立山連峰と深海約1,000mの富山湾、その高低差の約4,000m、尺貫法にすると一万三千尺となります。

 

車両外観も、標高3,000mの立山連峰の美しい稜線と、深海1,000mの富山湾、そして朝日によって色づく立山と富山湾をオレンジ色で表現しています。

 

車内です。改造前からしたら「何があった」レベルの変貌を遂げております。富山県産の「ひみ里山杉」と呼ばれる木材を至る所で使用しており、温かみを感じさせる印象となっています。なお、こちらは1号車で、カウンター席とボックス席がセットになっております。

 

そしてこちらが3号車。全席ボックスシートで、グループ利用を前提にした車両となっています。

 

ドアです。両開き式でステップ付き、半自動機構が残されており手で開閉するのはは変わりませんが、ドアには化粧板が貼られ、列車ロゴが入ったマットが敷かれています。デッキはありませんが、仕切りの目安的な衝立が設置されています。

 

3号車の車端部です。3号車に関しては、車端部側のドアが埋められています。こちらも化粧板を貼り替えていますが、クモハ車なので左側に電源関係の蓋が残されています。なお仕切り扉は換気のためか開きっぱなしになっています。

 

1号車の車端部です。こちらは逆に最前面側のドアが埋められています。トイレ等の設備が備えられており、目隠しのため外観に準じた暖簾が掛けられています。「客室から見えるのは無粋」と捉えたのでしょう。

 

最前面です。形状自体は変わらず、窓も小さめです。基本的に着席していることが前提ですので、特に問題は有りません。

 

車番の下にはWi-Fiのルーターが有ります。このおかげで、車内ではWi-Fiに接続可能です。

 

天井です。蛍光灯は全て撤去、LEDのダウンライトと、中央に丸いカバーが付いたメイン照明を配置しています。杉の化粧板も含め、柔らかい雰囲気が出ているのはこれのおかげですね。で、分散冷房はそのまま残されているわけですが、一応カバーが増設されているようです。

 

窓です。山側は一部の窓が大型の固定窓になっていますが、二段窓も残っています。窓上には飾り照明が設置されています。

 

海側は全て二段窓です。その窓にはパネルが付けられており、ちょっと近代的になっています。その割に、二段窓は開閉可能だったりするんですよね。

 

で、ドアがあった部分がこちら。出来ることならここにも大窓を仕込みたかったと思うのですが、骨組みまではいじれなかったのでしょう。

 

窓上には立山連峰の一覧が貼られています。

 

座席です。まずはボックスシートから、こちらは2人掛けです。新規設置品で、シートピッチを拡大したうえで固定テーブルを追加しています。乗車のみのプランは無いため、指定済みの席にはこのようにランチョンマット等が用意されています。

 

こちらは4人掛けです。出入りも考慮してか肘掛けはありません。クッションは程良い柔らかさで、長時間乗車でも・・と言いたいところですが、背ズリが直角気味なのが少々きついです。

 

1号車の「ロングカウンター席」です。こちらも肘掛けはありません。こう座ると、横幅は広めです。肘掛けが無いことでそう感じる分もあるのかもしれません。

 

カウンター席には・・ライチョウさんが鎮座ましましております。そうそう、戸袋窓部分の日除けはこのように生地がしっかり交換されています。

 

そして、向かい側のボックス席にはゆるキャラがいます。

 

トイレです。和式で狭かったものが円筒形のバリアフリータイプに変更されています。開閉はボタン式でございます。

 

そして、新設された男子小用トイレです。折り戸式で、窓はすりガラスとなっています。

 

向かい側の洗面台です。鏡に照明を仕込む方法は‥やっぱりJR西日本、改造したのが松任工場なのでそうなりますよね。なお、カーテンで仕切ることも出来ます。

 

最前面のフリースペースです。お席にコンセントは無いですが、ここには業務用としてコンセントが備わっています。旅客の利用は‥アテンダントさんに確認ください。

 

ドラえもんが寝てる・・。

 

続いて、中間の2号車、モハ412-1へと参りましょう。この車両は定員外の車両となっています。

 

車内です。各種サービスを提供するための車両で、座席はもちろんありません。

 

車内販売カウンターです。この列車のグッズや、アルコール等の販売を行います。なお、アテンダントさんも巡回していますので、ここまで出向かずともある程度の品は購入可能です。

 

で、その奥は厨房となっており、車内でいただけるお料理を作っております。これ、形式こそ「モハ」のままですが、「食堂車」を“車内で料理を出せる設備を備えた車両”と勝手に定義するならば、立派な「モシ」ですよね。

 

車端部には何やら花笠が飾られています。その上にはWi-Fiルーターと、スピーカーがあります。

 

そしてサービスコーナー。えっと、色々置かれています(笑)

 

その向かい側の業務用スペース。そっと開けるのもアレですので、そのままにしておきました。

 

乗車した季節は夏、風鈴が取り付けられていました。

 

更に、富山県で生産されている日本一大きなスイカのレプリカ。一応スーパーでも売ってるそうですが、冷蔵庫には入りません。大きな冷蔵設備を持つ企業間の贈答用によく使われるそうです。

 

乗車記念プレートは富山県の形をしています。

 

ここからは乗車編、富山駅ではディスプレイに、この列車のCMが写されます。

 

柱部分のディスプレイもこの通り。

 

乗車前に郵送で乗車証明書や案内が送られて来るので、その乗車証明書(※)を見せて改札を抜けます。そうすると、このようにブースがありますので、検温・消毒を済ませてホームへあがります。

※乗車証明書は1日乗車券としても利用出来ます。

 

ホームへあがってしばらく、列車が入線です。向かい側のホームには、当駅止まりの413系充当の普通列車と並びます。偶然にも簡易観光列車「とやま絵巻」との並びとなりました。運用、固定されてませんからねぇ…。

 

ドアが開くと、このように補助ステップが置かれます。ただださえ列車側のステップが大きいですから、その配慮ですね。

 

お料理を運んだりするカートがこちらです。

 

お席にはランチョンマット、メニュー等案内、ミネラルウォーターが置かれています。

 

乗車して席につきますと、ウェルカムドリンクが注がれます。ノンアルコールも選択可能です。

 

列車が発車し、アテンダントさんよりお料理が配られます。このように二段式の箱に入れられて来ます。

 

お料理がこちら。今回乗車したのは午前発の富山湾鮨コースでして、お魚を中心としたメニューとなっています。お味はもちろん言わずもがなです。そうそう、日本酒を追加注文しています。この列車のラベルが付いた特製品です。

 

泊駅にて折り返しです。あいの風とやま鉄道の運行上の終点で、多数の列車がここで折り返します。ということで、運行上はえちごトキめき鉄道もここで折り返しますので、「あいのトキめき駅」という愛称が有ります。

 

この駅には大きなひすいの原石が展示されています。フォッサマグナのある姫川も近いですし、同じくひすいも採れるんでしょうね。

 

泊駅の発車標。液晶画面化されており、列車種別にロゴ、行き先に「観光列車」と記載されています。

 

泊駅から戻ってくると、ランチョンマットが交換されていました。

 

続いて持って来てもらったのは茶碗蒸し。「お寿司と言えば!」感はありますね。

 

最後はデザートの和菓子と冷たい緑茶でお料理は〆となります。

 

続いて途中の運転停車は魚津駅。蜃気楼の町として有名ですので、駅近の観光案内所にて蜃気楼の説明を聞くことが出来ます。「海と山しかないです。」、潔いですねぇ(笑)

 

そして駅に近いリカーショップ、「おおさき」には、車内で販売されているお酒の他、地元にしかない珍しいお酒も販売しています。ただ大きなものがほとんどですので、ご留意の程。

 

料金は中々オトナなものですが、非常に満足度の高い旅を楽しむことが出来ました。