JR東日本E655系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

「お召し列車」、知っている人は知っている天皇・皇后以上の人が乗車するためのある意味「団体臨時列車」で、これまでは"1号編成"と呼ばれる客車や唯一残った157系である貴賓車、クロ157-1が使用されてきましたが、老朽化その他諸々の理由で置き換えの必要が出てきたため新型車両が登場しました。

 

E655系、交直流両用のE653系に準じた構造をベースにし、サービス電源の発電機を搭載しており機関車牽引の客車としても運用可能なため、その気になれば全JR・直通可能な3セク路線へと運転可能な構造となっています。塗装は1号編成に準じた茶系の漆色で、光の当たり方により紫にも見えるようになっています。

 

特徴は皇族・国賓専用のE655-1を外すことで一般の団体臨時列車としても使える点で、その際は「なごみ(和)」の愛称が使われることになります。時折旅行会社が貸し切ってハイグレード車両のツアーとして販売されることがあります。

 

行き先表示はフルカラーLEDとなっています。グリーン車マークもここで表示しています。

 

それでは参りましょう、まずはデッキからです。ドアは片開き式で真っ白な化粧板が貼られています。周囲は木目調で、触れてもあまり冷たく感じません。

 

くずもの入れは雑誌とその他で分別されており、一応飲料系も口は分けてあります。そしてハイグレード車両らしく(?)下部にはLEDの照明が仕込まれています。

 

ドア横には補助椅子が仕込まれています。

 

開くとこの通り。一応背ズリとしてクッションも有りますが、役に立ってるようないないような…。ツアーの添乗員さんが座ったり、下車までのわずかな隙間時間に座るような用途を見込んでいるのでしょう。

 

トイレです。最近は温便座・洗浄機能付きも増えて来ましたが、さすがハイグレード車両だけあり一足早く両方の設備を備えたものとなっています。

 

男性小用トイレです。例に漏れずコンパクトに。

 

バリアフリー対応トイレです。面積を広く取っており、車椅子でも楽々入れます。なお床面は大理石調、この辺もフツーの特急型車両とは異なる点を見せています。

 

その奥には男性小用トイレが。そうそう、連結面やデッキとの仕切りのドアの手前には紫のカーペットが敷かれています。

 

洗面台です。蛇口は自動式ですが、乾燥機能等は有りません。この辺りはまだ最近の新幹線の方が機能的には上等ですね…。

 

一部車両にはカフェテリアスペースが有ります。

 

そのカフェテリアですが、普段は営業することがあまり無さそうな雰囲気です。

 

向かい側には一部に固定式テーブルが付いており、立ちながらとはなりますが時間を過ごすことが出来ます。

 

手前にもスタンディング形式のフリースペースがあります。

 

1号車の通路です。この車両にはドアが無く、2号車の入口からこの長い通路を抜けて室内へと入ります。ええ、やはり普通の特急型車両には無い緊張感が漂うデザインです(^^;; この両側にディーゼルエンジン等運転用の機器が備えられているんでしょうね。

 

いよいよ車内です。全車グリーン車で1+2配置で座席が並びます。近年大衆化及び値下げに呼応するようにデフレグリーン車を連発しているJR東日本においては"その気になれば出来るんだぞ"感は出ていますが、「これくらいなら通常の特急列車グリーン車でもやったりなや」と思わなくも有りません。色調は木目を中心に淡い色を組み合わせており、愛称通り「和」をイメージしていますね。

 

デッキとの仕切りです。仕切り扉はセンサーによる自動式、全面ガラスタイプですがスモークが入れられています。

 

乗務員室との仕切りです。こちらは仕切り扉の形状が異なっていますね。

 

天井です。天板等に木目調の化粧板を貼り付けています。暖色系の半間接照明に、中央にも照明が追加されています。なお近年の特急型車両とは異なり、照明は横方向に設置されているため光が直撃することは有りません。いや、やれば出来るやん…。

 

柱には飾り照明が付きます。これ、このように覗き込まない限りは目に入らないようにしており、普通に座ると光だけが見えるようになっています。この辺りはライトワークもしっかり考えられていますね。

 

荷棚下には読書灯とスポットタイプの空調つまみがあります。

 

窓です。1席に1枚の割り当てで、柱はやや太めです。日除けはフリーストップ式のロールカーテンとなっています。

 

座席です。こちらは2人掛け、下りでは左側に位置します。可動式ヘッドレストピローはグリーン車ならずとも普通車でも見られるようになりましたが、北海道のようにややウイングアップした形状となっているのは、あまりJR東日本では見られません。リクライニングやレッグレストは電動式、その関係で安全上動きが鈍重なのがストレスな方もいることでしょう。後ろの席からすれば、物凄い勢いで倒されることが無いという点で精神的には歓迎な感もあります。

 

こちらは1人掛けです。シートピッチはグリーン車として標準のものですが、サイズ感としては651系等のようなドーンとした大きさでは無く、機能性重視な感はあります。

 

中には2人掛け側にも1人掛け席があり、通路側席の人が晒し者にならないように衝立があります。

 

よりによって全展開の図はこの座席にて(^^;;

座り心地としては背ズリの見た目の薄さに反してしっかりしたものなのが良い意味で裏切られた感は有ります。やや不満なのがレッグレストの面積がやや中途半端なこと、インアームテーブル仕込みの関係か肘掛けの長さが両側で揃っていないことでしょうか。

 

座席の回転は脚台のペダルでは無く、肘掛け後端のレバーを引き上げて行います。

 

仕切り際の座席用にポケットが有ります。木目調の化粧板と対比すると浮いていますね(^^;;

 

1両のみ備えられている多目的室です。例によって普段は施錠されており使えません。縁取りまで鏡面仕上げなんですねこれ…。

 

続いて、3号車へと参りましょう。この車両はグリーン車の中でも別レートとなるVIP車両となっており、ツアーでの取り扱いも5,000円程度高額な商品として販売されています。

 

この車両にもカフェテリアがありますが、こちらも今回営業無し。

 

中にはコーヒーメーカーや流しなど、必要なものが一通り揃っています。

 

通路を進んでいくと客室への入口が見えて来ます。握り棒は壁面に埋め込む形となっており、カーブでバランスを崩してもなるべく痛くないように設計されています。

 

さてVIP車両の車内です。2+1配置が3列の計9名が定員ということもあり室内はショートなイメージ、加えて座席の色調だけで印象が大きく変わりますね。今回運良くこちらの車両に乗車することが出来ましたが、これ抽選だったんですかね…?

 

デッキとの仕切りです。デザインはグリーン車と変わりません。

 

各車ともに仕切り扉上にはLED表示機が設置されており、周囲は鏡面仕上げとして奥行きがあるように見せています。

 

天井です。こちらもグリーン車と異なる点は有りません。グリーン車共々荷棚はハットラック式、閉める時はかなり静かに閉まります。それこそ、ちゃんと閉まったのか心配になるくらい…(^^;;

 

窓です。こちらもグリーン車と変わりませんね。

 

座席です。一般グリーン車とは異なり、表地が革張りとなっています。ヘッドレストピローは有りませんが、その分クッションは増やされています。

 

付帯設備は変わりませんし、シートピッチ等も同様です。雰囲気料というか、それくらいに思っておくのが幸せです。後で「グランクラス」なんてのが出て来てしまったばっかりに、追加料金として微妙になっちゃったのは登場時期の悪さを恨むべきでしょうか。

 

向かい側の1人掛けです。

 

全展開の図。黒光りのムチムチ感は座り心地にも反映されており、クッション性は良好です。ただ革張り故やや滑り気味、この辺りは…まぁ仕方無いですね、一般グリーン席と好みが分かれるところです。バケットは強めで、一般グリーン席よりも包み込まれる感覚が有ります。ただ、ちょっと体型を選んでしまう気はしますね。

 

壁面のポケットも革張りです。「885系っぽい」なんて言っちゃダメですよ(^^;;

 

さてこの車両、近年では珍しく全席にタッチパネル式モニターを備えています。

 

チャンネルの中には運転台に仕込まれたカメラからの前面展望映像もあります。ただ、今回乗車時は1号車のカメラが不調だったようで視聴不可でした。フツーの列車ならまだしも、お召し列車にも使われるんですから整備くらいしっかりして欲しいもの。そりゃあ、宮様はこのモニターを使用しないでしょうが…。

 

このモニター、BSにてNHKも受信可能です。いやー良い試合でした、ノーサイド。

 

側面にはUSBポートが有ります。試しにスマホを繋いだところ、一応しっかり充電ランプは付きました。ただ給電量はかなり少ないので、減りを少なくする程度に思っておくのが幸せです。

 

この車両の半分程度は個室となっているのですが、通常は見学を含めて一切非公開となっております。ここの通路のみ床に絨毯が貼られており、毛も長めで足を取られそうな歩き心地です。