JR九州811系1500番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

JR九州初の近郊型車両として登場した811系もすっかりアラサーの域に突入し、輸送環境も変わって来たということでリニューアルが施された編成が出てきました。

 

登場時は「NEW RAPID TRAIN 811」がロゴでしたが、リニューアルに合わせ「COMMUTER TRAIN 811」にロゴが変更されました。そのまんまはそのまんまですが、誰が喜ぶかってデザインした本人だけでしょうに…と思っていたら、いつものあの方は監修に携わっており設計はJR九州の設計陣なんだそうな。それもそれで…な思いもありますが(笑)

 

トイレ横のロゴもこの通り。ちなみにこのリニューアルで新たな番台区分がされており、1500番台を称しています。

 

方向幕はフルカラーLED化されています。九州も本格的にフルカラーLED化が進んで来ていますね。

 

車内です。かつてのオールクロスシートが一変、ガランとしたオールロングシートにスッパリ変わってしまいました。北九州地区の混雑が目に余るようになったのがその理由とのこと、7両編成ではまだ813系との併結でバランスが取れますが、白缶との併結は勿論、8両編成だとその内編成丸ごとオールロングシートに…。それと、とにかく…青いです。

 

ドアです。九州も東海以西らしく混雑時に奥まで詰めない文化ですが、「ならばドア付近の面積を広く取ろう」としたのかドア横のスペースは広めです。ここ最近は鉄道会社側もお客さんに詰めてもらうという良心に頼り切れなくなってると見え、悩みの種にもなっていることでしょう。実際問題、東海以西では一見満員に見える電車でもその気になればあと5人くらいは余裕で乗れると言うのが持論ですし、その信念を元に力ずくでも乗り込む日々を過ごしています。

 

千鳥配置でLED表示機が設置されました。それにしても、ここはLCDディスプレイでは無いのですね…。扉自体はステンレス仕上げのままで、新系列では見かけなくなった「床に座らないで下さい」のステッカーも健在です。

 

車端部です。意外なのは仕切り扉がそのままとされているところで、これを機に窓を大きくしたものに交換されそうなものですが…。この辺り、監修者は特に意見出しはしなかったのか興味深いです。

 

フリースペースを追加した車端部です。やはり見通しという点では変わってません。

 

最前面です。この時期に製造された車両らしく窓は大きく取られており、リニューアル後もそのままです。

 

そして温度計。デジタルになるわけでなく、オールドスタイルそのままに活躍しています。

 

天井です。オールロングシート化に合わせ、枕木方向にも吊革が追加されました。照明カバーは撤去され、直管式のLED灯となりました。まぁ、明るくはなりましたが直線的に光が落ちてくるんですよねぇ…。何というか、電気屋さんみたいな…。

 

窓です。3枚窓は変わりませんが、日除けは無くなり着色ガラスとなってしまいました。メンテに負けたんですよねぇ、最近なりふり構わないJR九州ですから、切れるところは切らないといけないですもんねぇ。

 

座席です。モケットは伝統工芸品の博多織や小倉織をイメージしたものなんだとか。ドア間は10人掛け、着席定員で見ればクロスシート時代よりもぐっと減少していますね。やろうと思えばドア横のスペースを潰すことで着席定員は増やせたと思います。そうしなかったのは先述のような理由があったのかもしれません。

 

優先座席とセットになった座席です。ここのみ赤色のモケットを使うことで区別しています。握り棒にも黄色のラバーが巻かれていますね。袖仕切りはBEC819系以降やたら採用されているガラス製、まぁいわゆる「標準車体」のそれよりカバー出来る面積は広いものの、冷たい、傷や汚れが付きやすい、肘周りの余裕ゼロなど何かと欠点も多いと思っています。

 

車端部は4人掛けです。821系と比するなら1歩前進1歩後退と言ったところ。前進点としては最近取り憑かれた様に使い続けて来た木製フレームを使わず全てクッションを当てた事で「通勤電車」らしくなったこと。後退点としては背ズリをクロスシート時代の窓の高さに合わせたため背中の当たる面積が極端に少ないため、"非常に"までは高くない保線状況の横揺れを伴う車内では上体が振り回される格好になること。この辺り白缶や821系は背を向けることを前提に窓の大きさを割り切っており、ノウハウは活かして欲しかったと思う次第。「小さな子どもでも外を見やすくするように」との考えがあったかもしれませんが、303系や813系福北ゆたか線仕様等のようにちょっとした冒険をして欲しかったなぁと思います。

 

一部スペースには九州ではお馴染み普通列車でもくずもの入れが有ります。

 

トイレです。昨今のリニューアル車にしては珍しく面積の拡大等はされていません。ただ中はしっかり洋式化されています。

 

トイレ向かいのフリースペースです。床には滑り止めが付けられ、黄色いラインで面積を明確にしています。妻面には白缶からの介助者用ジャンプシートが備えられています。

 

こちらはその他のフリースペースです。蓋があるせいか、ジャンプシートが有りませんね…。また非常通話装置の配線がどうにもならなかったのか、配線カバー丸出しなのは貧乏臭いというか何というか…この辺りは工業デザイナーの腕の見せ所なような気がしています。

 

取材を行ったのは鳥栖駅、100年以上前のレールがホーム上屋の鉄骨に使われております。それにしても、このようにさりげなく看板が付いているのも珍しいですね。

 

レールには刻印があり、それが分かりやすいようにするためか周囲を黒塗りしています。