京王5000系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

5000系、初代はオールロングシート通勤電車初の冷房車にして京王を本格的な都市間輸送路線に変えたシンボル的系列ですが、その系列名を襲名した二代目もまた、京王の輸送体系を変えた系列として新たな歴史を歩んでいます。

 

都営新宿線に乗り入れ可能なことから、車番上は30番台となっています。何気にトップナンバー(笑)

 

前面はこれまで併結を考慮し中央に貫通扉を配置していましたが、諸々の理由によりこの形式からオフセットとなっています。

 

都営新宿線直通運用の他、京王初の有料列車、「京王ライナー」としても運用されます。

 

乗車位置もこの通り。4ドアの内両端の乗車位置が該当します。

 

今回乗車したのは臨時列車のMt. TAKAO、せっかくのフルカラーLEDですが表示は「臨時」…。

 

 

側面もこの通り。朝一番だったんですが、この日は土日ともに雨だったせいか都会の空気を高尾山へ運んでおりました…。

 

ということで車内です(^^;;  近年首都圏の大手私鉄で採用著しいデュアルシートを搭載しており、有料列車ではこのようにクロスシートモードで運用されます。

 

ドアです。総合車両製作所のサスティナ工法を採用した車両らしく、握り棒はドア横のフレームと一体化したものになっています。LCDディスプレイは二面表示、非常用コックがあるため左側へ寄っています。総合車両製作所の車両はドアコックを上に設置する工法としていますが、肝心な時の使用可能者を制限してしまうような気がしています。

 

車端部です。京王は全ての車端部が優先座席に指定されており、一般座席の区画は有りません。仕切り扉は近年流行りの大型ガラスをはめ込んだもので、見通しや解放感は良くなっています。

 

フリースペースを有する車端部です。仕切り扉の上にもLCDディスプレイが設置されており、クロスシートモード時も情報提供が出来るようになっています。

 

最前面です。乗務員室との仕切りは前面非常用扉に合わせてオフセットされています。それに合わせて窓は横長となっており、昼はここから前面展望を楽しむのも悪く有りません。

 

車内のステッカー。メーカー、工法、車番、号車、禁煙表示等、文字にすると結構色んな情報が詰め込まれています。その横には空気清浄機「ナノイー」搭載車両のステッカーもあります。

 

で、フリーWi-Fiのサービスも提供されています。近年首都圏では料金不要列車でもWi-Fiが使えるようになった車両が多くなって来ました。

 

天井です。乗車時はクロスシートモード、暖色系の色使いとなっていましたが、ロングシートモード時は蛍光色になるそうな。その照明は反射式のLED灯、料金が必要となる列車の充当にも対応した感は有ります。LCDディスプレイはここにも設置されており、同時に防犯カメラも仕込まれています。

 

窓です。9000系で省略された日除けが復活したのは、やっぱり有料列車に投入されることを考えたからなんでしょうね。京成のように大窓と小窓の組み合わせですが、これもクロスシートモード時を考慮したものと思われます。それはまた後程。

 

座席です。近年首都圏で導入例が増えているデュアルシートですね。

 

色合いもシックに、落ち着いた雰囲気を出しています。ドア間3列ですと、窓の柱を中央に持って来てしまうと2列目の席の視界を遮ることになるのですが、この系列では他社と異なりちょっと工夫、窓割りをずらすことで2列目を当たり席にすることに成功しています(近鉄では窓の柱すら無くして大窓にするという荒業をやってのけましたが、あれもあれで日除け戦争が起きそうなので考えものです)。他大手私鉄も参考にして欲しいところですね。

 

とは言え、反対側ともなるとさすがに真ん中に柱が来ちゃいます。左右で配置を逆転させているので、進行方向では都合どちらかがこのようになっているので、「両側ともハズレ」よりは「どちらかには当たりを」という発想なのでしょう。‥それにしても、「リクライニングレスの回転クロスシートで料金取られるのも何だかなぁ」と思ってしまうのは、L/Cカーとして料金不要で乗車出来てしまう路線が近くにあるからかもしれません。そろそろ、リクライニングが可能なデュアルシートを開発して欲しいものです。前例はあるのでさほど難しくないと思うのですが‥。

 

ヘッドレストにはほのかに京王のCI、気付いた人はどれくらいいることやら…。このヘッドレストが少しだけ手前に張り出しており、わずか1cm未満なのですがそれが座り心地に少し影響を与えているように思います。分厚けれりゃいいって問題でもありませんので…。

 

サイドアームレスト内部は少し凹みを持たせており、広くない車体幅で極力座面幅を広げようとした苦労が偲ばれます。

 

座席の回転は他社とは異なりアームレスト後ろのレバーを引き上げることでロックが外れます。回転機構も近鉄L/Cを端に発する他社のデュアルシートとはひと味異なっているようで、別に特許をしているそうです。ただ、現時点では早くも回転機構が怪しくなっており、カーブでは少しですがデュアルシートらしいグラつきが出て来ています。そうそう、後期導入編成ではドリンクホルダーが付いたようですね。

 

座席下にはコンセントが付いています。この系列ではクロスシートモード時以外は通電しないようになっているそうですが、残念ながらロングシートモードでの乗車をしていないので未確認です。その上にはチケットレスサービスのステッカーが貼られています。チケットレスサービスでは座席指定が出来ますが、券売機で買いますと指定が出来ません(一応、購入の際に「ここを指定するぞ」とは出て来ますが…)。

 

車端部のロングシートです。有料列車運用時はここまで販売されるわけですが、やや背ズリが高いだけであれば少し並んででも特急や準特急かなぁ…と思いますねぇ。

 

一応、1席毎に区切られていること、クロスシートよりも座面を柔らかめにしているなどデュアルシートの定石らしく座り心地は良くはしていますが、両端の座席に肘を逃がすスペースが無く快適性の観点からは致命的です。やっぱり、同料金もあいまりクロスシートより遜色出ちゃいますよね。

 

フリースペースです。握り棒、非常通話装置の他に、ヒーターとクッションを追加し立ち席でも多少なりとも快適に過ごせるように配慮されています。近年首都圏の通勤電車ではこのタイプが結構増えてきましたよね。

 

座席指定券がこちら。かつて92年まで運転されていた「高尾号」のヘッドマークがロゴとして入れられています。

 

LCDディスプレイはこの列車に対応していないのか、ずっとCIが表示されていました(^^;;

 

この列車、新宿を出ると高尾山口まで時刻表上はノンストップですが、いくつかの停車駅(主に特急停車駅)に運転停車をします。新宿駅での誤乗客を降ろしたりすることもありました。

 

高尾山口駅に到着。到着後は回送列車として来た線路を帰って行きました。