現在北海道で唯一となったSL列車、「SL冬の湿原号」。折り返し駅、標茶駅にて一服。この駅で給水を行います。
ヘッドマースも誇らしげに。
なお標茶駅での給水はなんと地元の消火栓を用いて行います。こんな給水初めて見た(笑)
客車として使用されるのは14系客車が主体ですが、中間に1両、不自然に背が高い客車が挟まっています。
スハシ44-1、現在道内で唯一の稼働車となった旧型客車で、C62ニセコ号に運用されていたスハフ44-2を改造して「カフェカー」として再出発しています。
塗装はぶどう色に赤帯、赤帯には三等車を表す「Ⅲ」の文字が入れられています。
今や見られなくなった、雪が無い中での停車シーン。未だになんで富良野駅にいたのか…。
それでは参りましょう、デッキドアです。当時自動ドアなんてものはあるはずもなく、引き戸ではなく手動式の開き戸となっています。さすがにこのご時世に走行中開けっ放しなのは危険と考えられたため固定されており、現在はこの車両からの乗り降りは出来ません。
さて車内。旧型客車らしいパーツはたくさんありますが、それらの素材を生かしたまま観光列車というスパイスを織り混ぜた感じですね。SL列車と観光列車の要素を組み合わせた良いデザインだと思います。
デッキとの仕切りです。仕切り扉は木製、14系ほどのたくましさはありませんがそれはそれで持ち味ですね。
天井です。冷房は無く、美しい曲線美が楽しめます。現状夏季の運行はありませんが、扇風機が中央にありますね。照明はライトカバーが観光列車らしく交換されていますが、配置は昔のままで変わりません。そして網棚は既に金網となっていますが、これは当初からそうだったのでしょうか…。
窓です。この列車では唯一窓を開けることが出来る車両となっています。北海道らしく二重窓、両方開けると厳冬の世界が待っていますので、周りを見つつ、自分と相談しつつにしておくのが幸せです。日除けは横引き式のカーテンに変わっていますね。
座席です。まずはボックスシートから参りましょう。
持ち手が旧型客車らしくまだ板となっております。中央には前後の14系に合わせてテーブルが追加され、乗り降りを考慮してか通路側の肘掛けが撤去されています。
で、車体中央にはだるまストーブが付いています。ノロッコ号にもあるので、北海道の客車観光列車のアイデンティティ的存在ですね。なお、石炭は日本で唯一今も産出を続ける釧路コールマイン製を使用しています。ちょっとした社会科の実地授業ですね。
デッキ仕切り際はロングシートになっています。
とりあえず2人掛けだと思いますが、左側は背ズリが中々に不自然かつ理不尽です(笑) この席はだるまストーブ前同様、座席指定区画からは外れています。
向かい側はパンフレットラックとなっています。
この車両の記号が「シ」となっている理由、それはここのカフェスペースにあります。とは言え、メニューを見る限りでは軽食等が出るわけではなく、他の観光列車と同じ車内販売スペースです。登場当初はそれこそ食事が出来たのか、それとも時代だったのか…。
向かい側はフリースペースでテーブルが付いています。大体行列が出来ていますけどね…。
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