JR北海道14系「SL冬の湿原号」仕様車 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

昨今何かと大変なJR北海道、2000年代までは各地でSLを走らせていましたが、安全面やコスト面から軒並み運行を取り止めてしまいました。そんな中、冬季限定ながら唯一道内で走行を続けるSL列車があります。

 

「SL冬の湿原号」、冬限定に加えて走行線区が道東の釧網本線というある意味日本で一番乗りにくいSL列車かもしれません。

 

この列車を担当するのはタンク式機関車のC11型171号機です。かつては207号機も存在し特定日に重連運転を実施していたものですが、207号機は東武に貸し出されていますね。

 

標茶駅には転車台が無いため、釧路行きでは逆機牽引となります。いいとこ40km/h程度なので、逆機牽引でも問題ないんでしょうね。

 

区名板受けには毎年異なるものが入れられます。2018年のものは黒をベースにしたクールなものですね。

 

さて、北の大地を走るSLもさることながら私はいつも通りこちらがメイン、今や絶滅危惧車となった14系客車です。

 

塗装は青から旧型客車同様茶色となり、ノスタルジー感が溢れています。

 

車両は冷房完備ですが今後使われることがあるのやら…。右側には煙突までありますね…。

 

サボ受けや行き先表記等には列車名で統一されています。

 

でこちらが懐かしのカット。富良野駅で偶然見かけた同編成です。先頭には富良野ノロッコ号塗装のDE15型、どんな運用でここへ来たのでしょうか…。

 

行き先表示には懐かしの「SLすずらん号」の文字がありました。

 

さてようやく本編、まずはデッキドアです。本州では折戸となっている国鉄型客車ですが、北海道では雪の付着による戸閉不能を防ぐために引き戸となっています。低床ホームに対応するためステップがあり、ステップの壁にはライトが仕込まれています。

 

トイレです。インバウンド需要が大きいこの列車ですが、中は和式となっています。何だかんだ言って北海道も日本ですね(?)

 

洗面台です。元特急用客車らしく水と湯の両方の蛇口が備わります。また照明にはカバーが掛かっています。

 

車掌室付近はこの通りで、増結を考慮して通り抜け可能となっています。SLの前面はこの通り、釧路行きでは顔を拝むことも出来ます(撮り忘れたんだよなぁ…orz)。

 

いよいよ車内です。程度の差こそあれリクライニングシートが並んでいるイメージの14系ですが、やはりSLと言えばボックスシートという印象があったのか改座されています。

 

デッキとの仕切りです。化粧板こそ貼り替えられていますが基本的な構成は変わりません。右上にはBOSEスピーカーが備わりますが、SLすずらん号時代にSLのドラフト音を流すために使っていたそうな。固定窓の14系、SL列車に向かないと言えば向かないですよねぇ、石炭の粉や煙こそ入ってきませんが…。

 

座席と壁との間には荷物置き場があります。これはオリジナルの青い14系にも存在していますね。本来の荷物置き場としての役割だけでなく、車椅子の渡り板もここに置かれています。

 

で、微妙に面積が狭い場所もあります。スーツケースひとつ置かれたら終了ですね(笑)

 

天井です。分散冷房がいくつか並ぶスタイルは変わりません。照明はカバーが掛かった蛍光灯で、カバーは暖色系となっています。で、手前に映る配管は…先程の外の煙突へと繋がっています。

 

窓です。固定窓と横引き式の日除けは変わりません。

 

座席です。全席ボックスシート、フレーム自体は国鉄型車両からの撤去品ですね。

 

元のリクライニングシート2席分の窓割りに合わせた座席配置のため、シートピッチはかなり広くなっています。そのシートピッチを生かして中央にテーブルを設置しています。ボックスシートの持ち手は「日」の字タイプではなく板状のものに交換されています。旧型客車っぽいですね。

 

で、車体中央には外の煙突の正体、だるまストーブが備わります。上に網があるってことは…まぁ車内販売でスルメが売ってるわけです(^^;;

 

だるまストーブ手前の座席は座席指定区画からは外れています。全車指定席車ではあるものの、飛び乗りでも一定の着席数を擁しています。なお「指定席車」とは着席保証だけでは無くグリーン車のようにクラス分けのようなもの、乗ったからには必ずSL指定席料金を払いましょう。

 

全車ボックスシートとはなったものの、リクライニングシート時代の固定テーブルがひっそりと残されています。

 

車両は観光列車向けになったものの、この辺りの装備を見ると嗚呼国鉄型車両。

 

1日の営業を終了、少し離れた車両所へ引き上げます。