JR西日本と言えば、国鉄型車両に大改造(魔改造とも)を施し、首都圏では姿を消したはずの系列が何食わぬ顔でのほほーんと走っているイメージが強いですが、JR世代の車両もしっかり走っています。
今回紹介するのがJR西日本初の通勤電車、207系です。「207系」と言えば、首都圏の方であれば常磐緩行線を走っていた唯一本のみの存在であった900番台を連想させると思いますが、4扉VVVFインバータ制御の通勤電車という点では共通しているものの、全くの別物です。首都圏では900番台しかいないことをいいことに当てはめたのでしょうか。とすると、ある意味こちらも国鉄型車両となってしまうわけで・・。おかげで、某雑誌で毎年発行される8月号、JR車両ファイルの国鉄型車両残存率で、207系の残存率が4730.0%となっています(^^;;
車内です。国鉄型通勤電車を正常進化させ、関西の車両テイストを混ぜたらこうなった、と言ったところですね。それでも、色々あって登場当初に比べるとかなりの変更点が見られます。
ドアです。化粧板が貼られたドアは窓もそれなりの大きさが確保されています。同時期の首都圏の通勤電車が軒並みステンレス地のまま登場していた中このような仕様になっているのは、やはり私鉄との競合によるものなのでしょうね。LED表示機は千鳥配置です。最近になって、ドア両端に黄色のテープが貼られました。巻き込みの注意喚起のためでしょう。
半自動機構も搭載しています。内側にはこのように開閉両方のボタン、外側には開けるボタンが設置されています。
車端部です。仕切り扉が右に寄っているのがすごく気になります(^^;; 右側は戸袋となっていて、左側は大型の窓となっています。・・それにしても、編成替えや方転が起こったら大変そう。。
車椅子スペースを有する車端部です。荷棚の設置位置が少しだけ高くなっていますね。
最前面です。221系同様、前面窓と仕切り窓が大きくとられているため、前面展望は極めて良好です。乗務員室との仕切り扉は運転台のスペース上の関係から若干右に寄っています。トップナンバーを除き4+3の編成を組んでいますが、通り抜けは出来ません。あくまでも非常用ですね。
天井です。カバーがかけられた蛍光灯は関西では標準的なものですね。最近になって、吊革が黄色で直径が大きいものに変更されました。急ブレーキ時に咄嗟に掴むことが出来るよう、目立つようにした結果がこれだそうです。この吊革は他の系列にも波及していきまして、アーバンネットワーク内のJR世代の4扉通勤電車は全てこれになっています。
窓です。大型の1枚窓です。日除けは爪を引っ掛けるタイプで、幕も窓に合わせて非常に大きいです。
座席です。ドア間は4+3の7人掛けとなっています。おおよそ6人で座っていることが多いですが・・。後継の321系 では利用実態に合わせたのか、この区画は6人掛けとなっています。元々は青系の座席でしたが、順次画像のような緑系のモケットになっています。
ドア間の優先座席です。ピクトグラムが散りばめられた座席はJR西日本管内ではお馴染みです。
かつてはこのように、元の青系のモケットのまま残っている優先座席も存在しました。ですがこの車両の一般座席は緑色のモケットになっていますし、この座席も袖仕切り内側のモケットは緑色になっています。つくづく謎でしたねぇ・・。
車端部です。3人掛けとなっています。袖仕切りは肘掛を兼ねたタイプで、立ち上がりを考慮してか簡単な手すりも設置されています。
窓があるとこんな感じです。座り心地は柔らかく、ソファのような感覚です。着座ポイントが安定しないというキライもありますが、それは個人の良し悪し次第ですねぇ。
車端部の優先座席です。
そしてここにも青系モケットの優先座席が存在しました。
車椅子スペースです。付帯設備は握り棒とヒーターのみです。
この系列では、なんと消火器は車外に設置されています。「消火器を車内に張り出して設置したくないなぁ、それならば思い切って車外に付けてしまえ!」ということですかそうですか・・。
どのように取り出すかと言えば、妻窓が開閉可能となっているため、妻窓を開けて取り出すことになります。ですがフツーに考えて、これは得策とは言えませんね。消火器を使うということはおおよそ緊急事態であることが多いわけで、すぐに目に付くことも重要です。一応ステッカーで消火器の存在を伝えてはありますが、パニック状態になっている中で窓を開けて取り出して・・とはかなり難しいのではないでしょうか。
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