南海10000系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


今回紹介するのは右側、12000系サザンプレミアム導入により引退が近づきつつある…はずの10000系です。元々は2連10本の編成でしたが、4連化に際して中間車化改造が行われた車両も存在します。この中にはトップナンバーも含まれており、現在は10004Fに組み込まれているようです。よって現在、10000系には見かけ上トップナンバーは存在しません。

走行機器は先代の「四国号」として活躍していた先代1000系からの流用品で、上画像のように7000系・7100系との併結が前提となっています。

 


およそ30年間、特急サザンとして従事してきました。12000系が2本登場し同数の廃車が出たものの、その後8300系の増備が続いており置き換えがストップしている状況です。おかげで7100系も潰しがきかない状態ですね。


さて参りましょう、ドアです。この頃の特急用車両ではお馴染みの折り戸です。


最前面です。立ちながらであれば前面展望が可能です。


最前面にはこのような謎のスペースが。かつては公衆電話でもあったのでしょうか。


上部にはローレル賞のプレートも。


車内です。ピンクのヘッドレストリネンがアクセントですが、基本的にはグレートーンです。


デッキとの仕切りです。上部には増設したであろうLED表示機が設置されています。仕切り扉は全面ガラス製で、あめ色になっています。


この扉、自動は自動なのですが、四角の枠の上に体重をかけると開くマットセンサータイプになっています。昭和の方の証言によると、昔の自動ドアは全てこのような仕組みだった、とは聞いていましたが、まさか令和の世になった今も現役とは・・。

 


天井です。光天井となっており、これが南海特急の真髄でもあります。


窓です。2席に1枚が割り当てられています。日除けは横引き式のカーテンとなっています。


座席です。シルエットは国鉄の簡易リクライニングシートに似ていますが全くの別物、この時代によく見かけた座面がせり出してリクライニングするタイプではなく、背ズリのみが倒れるシートです。今でこそそれが当たり前ですが、当時としては少数派だったのでしょう。リクライニングは控え目ですが、阪和間の移動ならば許容範囲でしょう。自動回転機構を有しているため、座席下は埋まっています。センターアームレストがないのがなんとも時代を感じさせますね。それにしても、窓下に布地を貼り、お客様の触れるところをなるべく寒々しくさせないという気配りには恐れ入りました・・。


テーブルは窓側のみ、それにかなり小さめです。そして窓中間部に設置されてる分には構わないのですが、柱下に設置されたテーブルは、カーテンが束ねられている状態時はほとんど使い物になりません。一応ペットボトルなどを入れられるドリンクホルダーは両側にありますが、指定席料金を払ってこのユーリティは今時では厳しいものがあるのではないでしょうか。


仕切り手前の座席に関しては固定式のテーブルがついています。


車椅子スペースです。握り棒と固定用のロープがあります。


さて、サザンの全車四連化のために、1992年に追加増備された車両も存在します。高野線の特急車、11000系と製造時期が近いため、仕様はそちらに合わせてあります。よって編成内でアコモ格差が生まれることに・・。


両車を比較しても、ドア窓の大きさや寸法などに若干の差が・・。


方向幕は初期車では一つの幕に収められていましたが、後期車では分離した方式になっています。


中間のドアの無いデッキには自動販売機があります。例によって使われているのかどうか怪しいですが(笑) 横にはくず入れもスタンバイ。


トイレも男女共用、男子小用、女性専用の3種類を備えています。


洗面台です。目隠しのカーテンもあります。


フリースペースとしてこのような展望が開けた場所が用意されています。泉佐野を出ると海が見える区間となるので、それを眺めるには最適ですね。携帯電話での通話などもこちらでどうぞ。


カーテンで閉められたサービスカウンターです。現在全列車で車内販売は行っていません。このようなスペースは何か物寂しいですね・・。


車内です。基本的にカラーコードは初期車に合わせられています。


天井です。光天井にスリットを入れたものになりました。


デッキとの仕切りです。仕切り扉は引き続き自動式ですが、ごくごくありふれたものですね。


車椅子スペースを有する箇所では、仕切り扉が大型化されています。


窓です。初期車に比べ大型になり、展望性を向上させています。

 

座席です。これだけで初期車とはかなりの違いが見て取れますね。


シートピッチが拡大され、初期車になかったセンターアームレストとインアームテーブルが付き、居住性が格段に改善されています。また、フットレストも付いています。足を乗せていないと元に戻るタイプです。


そして車椅子スペース。窓下の布地は貼られていません。やはりそこから来る冷たさとかチープさは、如何ともしがたいですね・・。

 

さて、10000系にはこのように特別ラッピングを施した編成がおります。

 

和歌山は、ロックバンドL'Arc~en ~Cielのボーカル、hydeさんの出身地であり、hydeさん自身も観光大使を務めております(個人名義ではHYDEとなります)。それにあわせ、南海ではかつてのトップナンバー編成を含んだ10004Fを「HYDE サザン」として運用しています。

 

このように各所にHYDEさんがおります。何をこんなに局所的なラッピングを取り上げるかって、個人的に(あくまでちょっとした)ファンだからです(笑)

 

運行期間の延長も行われて来ましたが、2022年5月でついに運行終了となります。

 

編成は10004F。それにしても、なぜ車両によりプレートが違うのでしょう‥。

 

編成内に一か所、このようにサインと落書き(笑)がされています。

 

その後再びHYDEさんが乗車されてまして、またもサインと落書きが増えています。



全体的に気になったのは、全車禁煙車ながら、かつて喫煙車であった車両にタバコの臭いが車内に染み付いていること。嫌煙家の方には特に厳しい車内環境といえるでしょう。どうにか消臭に尽力して頂きたいところ。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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